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喜納昌吉氏の立候補はおかしい
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2014-09-21 反戦な家づくり
16日に民主党の喜納昌吉氏が沖縄県知事選に、電撃立候補表明した。
その直後に、絶妙のタイミングで植草一秀氏がブログで、翁長雄志氏の立候補は謀略だという説を流した。
また、辺野古に反対などしていなかった大手メディアが、どういう風の吹き回しか「翁長氏は具体的な阻止の方法を明言しない」と言って、一斉に叩きだした。
大手メディアが声をそろえたらアブナイ、ということをいい加減学んだはずの人々が、この件については無条件に信じて、「翁長氏はきっと裏切る」と言い出した。
ウソ吐きメディアよりも「保守」と名のつくもののほうが嫌いなのかもしれない。
小沢一郎氏が何の根拠もない陸山会事件で叩かれたのと、ほぼ同じ構図である。
様々な憶測が頭をよぎるが、憶測を排除しても、何点かの問題点は残る。
@ 翁長氏と喜納氏に分裂したら、ほぼ確実に現職の仲井真が勝つ
説明の必要はないだろう。喜納氏を推す人も、必勝を信じているのではなく、「次につながる潔い敗北」を望んでいるようだ。よほど世事に疎い人でないかぎり、分裂選挙で勝てるとは思わないだろう。
「努力したけど阻止できませんでした」は許せない、という人が、なぜ選挙では、頑張ったけど負けました を望むのか。私には理解できない。
A 喜納氏では勝てない
喜納昌吉氏はバリバリの辺野古反対派だろうか。厳然たる事実は、かれは辺野古基地を推進している民主党の県連代表だということ。そして、辺野古を推進する党本部に妥協しながら今日まで民主党の役を続けている。そんな喜納氏が、承認撤回を公約にしたところで、大多数の信任を得ることはあり得ないだろう。
ここ数年、妥協し続けて戦わなかった男が、「撤回」が「撤回を視野に」になったのはオカシイと叫んでも、多数の沖縄県民の心を打つとは思えない。
もう一点、民主党を支えるはずの連合沖縄は、喜納氏が表明した次の日、翁長氏推薦を決定している。どう考えても、喜納氏に勝ち目はない。
B 翁長雄志氏はある意味で筋金入り
本土の我々はもう忘れているかもしれないが、2007年9月29日に 「沖縄戦「集団自決」の教科書検定意見撤回を求める県民大会」が開かれた。 沖縄タイムスの記事
この大会の那覇市実行委員長は市長である翁長雄志氏だった。自ら街頭でチラシをまいていたという。
2009年からは辺野古移設にも反対し続け、喜納氏は妥協して民主党に残ったけれども、翁長氏は一貫して反対を主張し無所属になっている。外野席からは喜納氏が正論に見えるかもしれないが、沖縄の目からはむしろ反対に見えるのではないだろうか。
C 公有水面埋立法の条文上は、たしかに撤回の規定がない
埋め立て承認の撤回についての法律上の説明
http://www.mc-law.jp/mc_soudan/15486/
このように、条文だけで見ると撤回は不可能に見えるけれども、それでも県民の声として尊重してなんとか追求しようというのだから、これ以上何を言えというのだろうか。
D 本当に闘ってきた人々から翁長氏批判=喜納氏擁立の声は無い
喜納氏の立候補表明以来、何人かの人々の発言に注意している。
糸数慶子議員、玉城デニー議員、稲嶺進名護市長、伊波洋一さん、真喜志好一さん、などなど。今のところ、現地で命がけで闘っている人から、翁長氏では不安だから喜納氏に乗り換えようというような発言は、まったく聞かれない。
ゴリゴリの保守の翁長氏を保革連合で擁立すると決めたときから、ある程度のことは織り込み済みだったのではないか。むしろ、相談した上で表明会見をしたのではないのか。
本気で闘っている人ほど、「埋め立て承認の撤回」がどれくらいの困難があるのか、リアルに見えているはずだ。もちろん可能性は最大限追求するにしても、ここだけに一点集中することはむしろ避けるのではないだろうか。
新潟県の泉田知事が脱原発を口にせずに東電と対峙している姿に対して、「明言しないからいつか裏切る」と言う人はいないのに、翁長氏に対しては、メディアや外野が憶測で「きっと裏切る」と批判する。
この構図に、私は納得できない。
E 9/20辺野古浜に5500人が大結集したが
翁長氏は参加して登壇した。喜納氏は?
結局、現地ではあまり相手にされていない喜納昌吉氏の立候補表明を、本土の人間が「翁長謀略論」にしたてて、触れ回っているという構図なのではないか。
喜納氏がもっと知名度の無い人だったら、笑い話ですませるようなことかもしれないが、幸か不幸か全国区の知名度を誇る人だけに、無視できない程度の票は持っていく。もちろん、そのすべては仲井真ではなく翁長氏から奪うのである。
少なくとも、マスメディアや植草氏のブログだけで判断するのではなく、原本をあたって、自分の目で判断するべきだ。
表現が後退しているということは確かではある。それも含めて、票を割って自決してでも喜納氏を支持すべきかどうか、判断すべきだ。
知事選に臨む基本姿勢および組織協定
4月6日 http://okinawakenroren.org/kanrinin/chijisen.html
9月13日 http://blog.goo.ne.jp/sugito-jcp/e/d6d8c7c0f1a4e2a18301b4f73b5aeb5a
9月13日 翁長氏の出馬記者会見の全文文字おこし
http://takenouchimari.blogspot.jp/2014/09/blog-post.html
埋め立て承認の撤回についての法律上の説明 (再掲)
http://www.mc-law.jp/mc_soudan/15486/
中には、日米安保を肯定するものは基地反対を闘えない、などという極論を言う人もいる。これは、そもそも今回の保革連合を根底から否定することであり、喜納氏の出馬とは関係なく、勝とうが負けようが結果なんて知らないが保守とは組まないという無責任な発言だ。
自分が正しいと思うことを言い続ければいい。それで世の中がどうなろうと知ったことじゃない。という人が多いことに、最近愕然とすることが多い。
最後に、2012年の翁長氏のインタビュー記事をリンクしておく。
翁長雄志さんに聞く 沖縄の保守が突きつけるもの(朝日新聞)
http://www.geocities.jp/oohira181/onaga_okinawa.htm
翁長氏を諸手を挙げて持ち上げるものではないが、今現在選択できるベストは何か。 植草氏が思いつきで流した「翁長氏謀略論」に夢中になっている方は、一度冷静になって考えていただきたい。
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