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2014年09月20日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆英国スコットランド独立の是非を問う住民投票が9月18日に実施された結果、賛成161万7989票、反対200万1926票で反対票が50%を上回り、独立が否決された。スコットランドの独立賛成派のリーダーであるサモンド・スコットランド民族党党首は敗北を認め、支持者を前に「スコットランドの人々は現時点で独立をしない決定をした。それを受け入れる」と述べたという。
この住民投票は、ウクライナのクリミア自治共和国とセヴァストポリ特別市が2014年3月16日に実施したロシア連邦への編入の是非を問うクリミア住民投票に続いて注目された。投票の結果、95.5%がロシア編入を支持し、ロシアのプーチン大統領は、クリミアをロシア連邦に編入した。さらに、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州では6月11日、同地域の自治権拡大の是非を問う住民投票が実施された。ドネツク州で実施された住民投票の結果について、親ロシア派の選挙管理委員会代表は「89%が同地域の自治権拡大に賛成票を投じた」と述べており、ルガンスク州の親ロシア派は「反対票は5%だった」としているという。
◆分離・独立の是非を問う住民投票を求める動きは、スペインにもある。カタルーニャ自治州で9月11日、分離・独立の是非を問う住民投票実施を求めるデモが行われ、「カタルーニャの日」であるこの日は、カタルーニャ州の旗の色である赤と黄色を身に着けた住民らが、バルセロナの大通りで投票実施を訴え、バルセロナ警察の調べによると、デモ参加者を180万人、中央政府のスポークスマンは50万人と推定している。カタルーニャ州政府は11月9日に拘束力のない住民投票を実施すると宣言しているが、スペイン政府は、「投票は憲法違法だ」としているという。
中国共産党1党独裁北京政府は、スコットランド、スペインの動きに警戒感を示している。チベット、新疆ウイグル自治区、内モンゴルで分離・独立を求める動きがあるからである。このため、スコットランドの住民投票の結果に安堵しつつも、「英国の内政であり、コメントしない」という態度を示している。
◆日本でも余所事ではない。北海道と沖縄県で、「独立」を求める動きが、内在しているからである。北海道では、明治維新後の戊辰戦争で榎本武揚らが函館に「蝦夷島政権」を樹立したことがあり、1960年には文化人類学者の梅棹忠夫が「北海道独立論」を書いていて、現在でも話題になっているという。それどころか、ロシアが、「北海道を欲しがっている」という情報まである。
沖縄県では、琉球王国は1609年の薩摩藩による琉球征伐や、明治政府が1872年から1879年にかけて行ったいわゆる「琉球処分」などによって、日本に併合されて琉球王国が完全消滅し、沖縄県が新たに設置された歴史がある。琉球王国の王族は、東京にこぞって移住させられた。琉球独立運動は1879年の琉球処分以降に始まり、今日まで根強く続いており、琉球王国の再興、あるいは、国家の独立を求める運動であり、沖縄独立運動ともいう。清に脱出し、琉球王国の再興に奔走した人士を「脱清人」といい、県内でも、琉球王国の再興を求める「頑固党」とそれに反対する「開化党」に2分裂した。1894年に日清戦争が起こると、頑固党は清国戦勝祈願祭を行い、開化党は日本の戦勝祈願祭を行うなど対立、日清戦争で清が敗北したことで、琉球王国の再興は絶望的な状況となった。任期満了(2014年12月9日)に伴う沖縄県知事選挙(10月30日告示、11月16日に投開票)では、出馬を表明した琉球自立独立実行委員会の大城浩詩・実行委員長が「沖縄独立」を掲げている。スコットランドの住民投票の影響が、沖縄県にまで及んでいる。
【参考引用】XINHUA.jpが9月10日午後6時11分、「『琉球独立後に中韓の軍隊駐留を』沖縄県知事候補の訴えを日本の作家が批判、中国ネットは『阻止できない流れ』『中国軍が守ろう!』という見出しをつけて、以下のように配信した。
「琉球独立後に中韓の軍隊駐留を」沖縄県知事候補の訴えを日本の作家が批判、中国ネットは「阻止できない流れ」「中国軍が守ろう!」明治天皇の玄孫で作家の竹田恒泰氏がこのほど、沖縄県知事選に出馬を表明した琉球自立独立実行委員会の大城浩詩・実行委員長の「沖縄独立」を掲げた訴えに対して、ツイッター上で警戒を示した。日本のニュースサイトの報道として、中国・環球網が10日伝えた。
報道によると、大城氏は最近、11月に行われる沖縄県知事選に無所属で出馬を表明。「1年以内に琉球国を独立させる」ことを基本政策に掲げ、安全保障政策では米軍を撤退させ、その代わりに韓国や中国など東アジア共同体の軍隊を置くと訴えている。
こうした訴えに対して竹田氏はツイッター上で、「内乱罪か内乱陰謀罪が適用できる」と指摘。また、「国からの独立自体が暴動となり、それが現実味を持てば自衛隊が投入されるだろう」とも論じた。一連のニュースが伝わると、中国のインターネット・ユーザーたちから次々と「琉球独立を支持する」といった趣旨のコメントが集まった。一部を拾ってみる。
「琉球独立は日本政府が阻止しようのない流れだ。遠くない将来に実現することをうれしく思う」
「数日前にインドのモディ首相と安倍首相が“民主主義”を鼓吹していた。それがなぜ、琉球の民主は支持しないのか。琉球の民主と県民投票による独立を支持する!」
「琉球群島は歴史的にみて独立した主権国家だ。だから自身の身分回復を求めることは当然の流れだ」
「中国は琉球独立、県民投票を支持し、独立国家として成立させるべきだ。そして中国軍を派遣し、守ろう!」
「中国はまず、スコットランドの独立を支持するべきでは? そうすればアメリカもイギリスもおとなしくなる」
「琉球の主権は日本にはない。サンフランシスコ条約でアメリカ人は『日本は琉球に対して主権を持たず、管轄権を持つのみだ』と明言している。それなら琉球独立はどの国の憲法に違反する? 日本が自衛隊を派遣して干渉すれば、侵略となる」
「琉球が独立したいなら、中国には何ができる?」
「中国政府と人民は、琉球人民が国を取り戻す運動を中国で行うことを支持するべきだ。琉球人民の組織が中国に亡命政府を置いてもいい。中国の支持、支援があってこそ、この運動は成功する」
「愛国心のあるメディア、サイト、ネットユーザー、研究組織、シンクタンク、国際団体は今後、琉球群島を“沖縄”と呼ばないこと!われわれは本来の姿を取り戻すべきだ。琉球群島は日本の領土ではない」
(編集翻訳 恩田有紀)
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