01. 2014年9月15日 08:38:01
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【単刀直言】「ミスリードの責任、朝日どうする?」輿石東参院副議長 2014.9.15 05:00 産経新聞 参院の輿石東副議長がこのほど、産経新聞のインタビューに応じた。現在は民主党会派を離脱中だが、古巣への苦言、激励とともに「自己反省」の言葉も。話題は朝日新聞問題、安倍晋三首相の政権運営、外交と多岐に渡った。そして、政権交代直前の「あの人」とのやりとりも…。 ◇ 3年前(平成23年8月)に初めて産経新聞さんのインタビューを受けたときは、みんな「前代未聞だ」とびっくりした。(出身母体の)山梨県教職員組合の関係者も地元支持者も民主党国会議員も、「いつも輿石さんや民主党を批判ばかりしている産経新聞の取材によく応じましたね」なんてね。今回も「また出た!」って驚くんじゃないか? ■阿比留さんは元気かね…ちゃんと話できると思うんだけどなあ 「レッテル主義」とか、「食わず嫌い」というのはよくない。産経は民主党批判だけだなどと決めつけるのはおかしい。産経は日本教職員組合(日教組)をよく批判してくれるね。確かに日教組は「教え子を再び戦場に送らない」「日の丸・君が代は反対だ」と言った時代もあった。それが今でも続いていると思っているとしたら、ちょっと違うぞ。今の時代、イデオロギー闘争なんてしてたら誰もついてこない。少なくともこの30年余り、山梨県では卒業式で国旗掲揚や国歌斉唱に教師が反対したなんて聞いたことはない。 (『日教組と民主党』の著書もある産経新聞政治部編集委員の)阿比留瑠比さんは元気かね。彼とも会ってみれば、日教組の何が問題か、イメージと実態のどこが違うか、ちゃんと話ができると思うんだけどなあ。 民主党幹事長や参院議員会長時代は、定例記者会見で、よくマスコミ報道に苦言を呈しました。「新聞は社会の木鐸(ぼくたく)」という言葉があるが、世の中を正しい方向に導くのが、本来あるべき姿でしょう。 その社なり記者なりが意図的に、ある方向に持っていこうとして真実をゆがめて伝えることは、けしからん話だ。マスコミは真実を正確に早く伝えるのが使命でしょ。早いけれど間違った事実を伝えていたんじゃ、どうしようもない。 朝日新聞は先日、東京電力福島第1原発事故をめぐる「吉田(昌郎所長)調書」と慰安婦問題の「吉田(清治)証言」の報道で間違いがあったと認め、社長さんが謝罪しましたね。遅きに失した感は否めないが、間違ったらすぐ謝罪する。これは子供でも分かる当然のことだ。もちろん世の中には謝って済む問題と済まない問題がありますがね。 「2人の吉田氏」については、国際社会にあらぬ誤解が広まってしまった。自らの誤報で国内外の多くの人々をミスリードした責任を、朝日がどうやってとろうとするのか。そこに注目したい。 参院副議長に就任して1年余りがたちました。民主党幹事長や参院議員会長のときに、まず党や組織は一つにまとまらなきゃだめだと考えた。顔合わせはできても、心合わせができないから、力合わせにならない。心合わせができればしめたもので、力合わせになる。 ところが、どうもまだまだ民主党の現状は、顔合わせはできても心合わせは十分にできていない。いつまでたってもバラバラだなどのご批判をいただいています。これは僕のときもそうだった。今は民主党会派を離れた副議長だから、「評論家みたいなことを言って無責任じゃねえか」と言われるかもしれないが、ここまで民主党をつくってきたという自負も責任もある。党をまとめ切れなかった私の責任は免れませんし、大いに反省しています。 それを棚にあげて何だ、といわれるかもしれませんが、民主党は3年3カ月、政権を担った責任があります。いい加減、内輪もめの状況から卒業しなければなりません。 ■「推定無罪の原則があるだろう」と言った 幹事長時代、結果的に小沢一郎さんたちは離れていった。でも、今でも小沢さん抜きの政権交代はなかったと思っている。小沢さんたちが離れていくというとき、「小沢さんたちがいなくなる民主党に明日はなくなる。だから排除の論理はダメだ」ということで当時の野田佳彦首相と小沢さんと3人で話し合った。 消費税増税の問題で小沢さんは「マニフェストにうたってなかった。なんでやるんだ」と言った。野田さんは「消費税増税は選挙には不利なことは分かっている。しかし、これは歴史的課題で、財政がパンクしたら元も子もなくなる。だからあえてやる」と。批判を受けたり、犠牲も出たりするかもしれないが、「歴史的には評価される面もあるよな」と野田さんと私の2人で言ったこともある。その約束を自民党は守ってもらわなきゃ困る。 小沢さんは「政治とカネ」の問題で裁判になった。小沢さんを除籍にするという話になったとき、当時参院議員会長だった僕は「だったら、オレのことを除籍しろ」と執行部に言った。除籍は党を離れるということだから、参院の代表がいなくなって大騒ぎになっただろう。結局、小沢さんは除籍ではなく党員資格停止の処分になった。 あのときの執行部には、「推定無罪の原則があるだろう」とも言った。判決が出るまでは疑いがあっても犯人扱いしちゃいけない。裁判も終わらず、小沢さん自身が正当だと言っているのに、噂などで絶対クロだという雰囲気だった。小沢さんがいると民主党は政権がとれないという騒ぎになった。 中国の言葉で、水を飲むときは井戸を掘った人のことも忘れないというのがある。そういうところが今の民主党に欠けているんじゃないかな。鳩山由紀夫さん、菅直人さん、小沢さんが民主党を立ち上げ、政権を取った。そのことを脇に置いて、邪魔だとか排除だという論理は通用しない。政治家以前に人間としてやるべきはないというのが私の信念だ。結局、小沢さんは無罪だった。過去のことを言っても仕方ないが、私はそう思う。 海江田万里代表も大畠章宏幹事長も、みんなで選んだ。最近も「海江田降ろし」の動きなんてマスコミに書かれてしまったけども、そんな報道が出ること自体、国民・有権者から民主党は一つにまとまっていないと思われてしまう。 家庭でもそうでしょ。お父さんとお母さんが毎日ケンカしていて子供が素直に育つはずがない。校長、教頭と先生たちがいつもごたごたやっている学校に期待は持てない。そこを民主党は卒業していかないといけない。 野田首相のとき、オレに幹事長やってくれといわれてね。「もういい年したオレを使うなよ。参院議員会長できちっと支えるから」と野田さんに言ったんだけど、「どうしても」と言われてね。断ったら人事が前に進まず、お互いに不幸になるということで、一緒に行くも地獄、去るも地獄、一緒にやろうとなった。そのとき野田さんと「あなたが代表でいる間はオレは幹事長として全力で支え続ける」と約束した。 ■いま民主党が「こぴっと」しないと 自民党さんは賢いよ。大人だ。政権を奪取されるわけにはいかないとなると、きちっとまとまっていく。その大きな違いがある。3日の内閣改造前に幹事長だった石破茂地方創生担当相と安倍晋三首相の間に衝突があったと伝えられたけども、ちゃんと話し合って石破さんも最後は「安倍首相を全力で支える」と言った。それが組織であり、民主主義の基本じゃないですか。みんなで決めたことをみんなで守る。みんなで選んだ代表はみんなで支える。 民主党も16日の役員人事で海江田代表がどんな人事をしようとも、党のルールに従ってみんなで選んだリーダーが決めたことだ。今度こそ一致団結しないと、民主党はますます国民に見放されてしまう。 新執行部への注文は、あまり内向きに気を使うのではなく、「いま民主党は何をしなければいけないか」「国民・有権者は何を民主党に求めているか」という視点で頑張ってほしい。 いまNHKの朝の連続テレビ小説で「花子とアン」を放映しているでしょ。私の地元の山梨が舞台で。「赤毛のアン」の有名な一節に、「曲がり角を曲がった向こうに何があるか分からないけど、きっとすばらしいものが待っていると信じる」というのがある。何があるか分からないが、絶対に夢は捨てない、下を向いてはだめで、頑張るということだね。それを民主党の執行部にも望みたい。今はどん底で、政権は遠くなったようだが、必ず期待はあるんだと。 ドラマの中で「こぴっと」という言葉が出てくる。今年の流行語大賞になってくれればいいが…。「こぴっと」は、しっかりしろという意味で、小さいころに父親や担任の先生から「こぴっとしろ!」と言われた。そうすると背筋が伸びて、緊張する。いま民主党が「こぴっと」しないと日本の政治がおかしくなるという気持ちがある。 来春の統一地方選はすぐそこだ。野党も早く選挙協力ぐらいはできるような体制をつくらないといけない。野党がバラバラで皆が候補者を立てたら、結果は火を見るより明らかだ。民主党が音頭をとってやっていかなきゃいけない立場でしょう。 権力は腐敗するという言葉がある。国民が今期待しているんだ。民主党が受け皿になってくれと。野球だってそうでしょ。エースが調子悪くなったら控え投手に交代する。今はそういう政治じゃない。これまでのところ、安倍首相というエースはマウンドでずっと快投を続けている。疲れて暴投しても、交代する者がいなければ、ゲームがおかしくなる。野球に例えちゃ失礼だけどね。 ■民主党も控え投手ぐらいにはならないと だから、民主党も控え投手ぐらいにはならないと。「いつでも交代できますよ」と。そうすると緊張感が生まれる。政治が緊張感を欠いてはだめだ。権力がどんどん強くなって腐敗していく。それは野党の責任でもあるわけだ。「1強多弱」といって1強だけがどんどん突っ走ることを許すことは野党の責任、民主党の責任だという自覚が民主党にあるかどうかだ。 民主党政権では、国会が衆院と参院でねじれていた。だから国会がスムーズにいかない、決められない政治になって停滞していると言われたが、今は解消された。だけど、緊張感もあったじゃないの。確かに安倍首相は期待に応えてしっかりやってくれていると思う。そこは私も認めるけれども、自民党政権があまりにも1強として続くと、どこかで気の緩みが出てきて国民の民意とねじれるんじゃないかと言いたい。 例えば、民主党と自民党とで衆院の定数削減を約束したが、進んでいない。消費税は上がったが、今度は法人税を下げるという。消費税は弱い立場の人も強い立場の人もみんなが負担する。法人税は大企業は楽になるから、海外に出なくても日本でやれる面はあるでしょう。だけど、本当にわれわれの懐、賃金が実際に上がっているだろうか。経団連は企業献金を再開するようだが、献金するお金があったら、企業で働く人たちの賃金を上げてくれよ、と。そういう現象が起きれば、民意とずれるのではないかというところも注意してもらわないと困る。 ■習近平氏との約束、まだ実現できてない 自民党人事で谷垣禎一前総裁が幹事長に就いた。総務会長は二階俊博さんだ。この人事を見て、重厚な深い人事だと思った。もう一つは、この人たちは中国や韓国に人脈がある。見事だなというのはほめすぎかもしれんけど、率直にそう思う。 私はよく民主党内で「顔合わせ」すれば「心合わせ」ができ、「力合わせ」もできると言ってきた。まずは11月に北京で開かれるアジア太平洋協力会議(APEC)の際に、安倍首相には習近平国家主席とぜひ会って話をしてもらいたい。産経さんと輿石東もこうやって話ができるのだから。 24年3月に民主党訪中団の団長として北京を訪れた際、当時は国家副主席だった習さんと長く懇談しました。互いの趣味の話になり、習さんが日本食が好きで果物が好きだとのことだったので、「ぜひ山梨に桃を食べに来てください。そして福島の桃も食べてください。あなたが福島の果物を食べてくれたら、風評被害など吹っ飛びます」と伝えた。福島の原発事故の風評被害がひどかったから。 そうしたら「ぜひ行きたい」と向こうも応じてくれたという一幕があった。その約束はまだ実現できていない。あのとき北京で話したことが、近い将来実現するのを願っています。(酒井充、原川貴郎) http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140915/stt14091505000003-n1.htm |