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「誤報は必ず起きる。問題は事後にどう対応するか」 朝日新聞社長会見をどう見たか?
http://www.bengo4.com/topics/2048/
2014年09月13日 17時43分 弁護士ドットコムニュース
朝日新聞の木村伊量社長が9月11日に開いた記者会見。そこでは、福島第一原発事故の「吉田調書」をめぐる報道や慰安婦報道の検証をめぐる対応について、他のメディアの記者から多数の質問がぶつけられた。
その会場には、マスメディアの誤報を検証するサイト「GoHoo(ゴフー)」を運営する日本報道検証機構の楊井人文(やない・ひとふみ)代表と、ビデオジャーナリストの神保哲生さんの姿もあった。木村社長の記者会見の終了後、楊井さんと神保さんに感想を聞いた。
弁護士でもある楊井代表は「誤報そのものは出てしまうもの」と述べながら、「誤報というものを正面から受け止めて、すみやかに説明・訂正していくこと」の必要性を指摘し、「その問題意識がまだまだ感じられない」と会見の感想を語った。
神保さんも「人間が報道しているので、誤報はこれまでも起きてきたし、これからも起きる」と指摘。そのうえで、「日本の場合は、少数の報道機関の影響力があまりにも大きくなりすぎていて、誤報した場合に、すぐに訂正・謝罪することが難しくなっている」と、日本のメディア状況に問題があると述べていた。
●日本報道検証機構の楊井人文代表のコメント
「今日は、こういった記者会見を開いたことはすごく良かったと思います。いろいろ批判があるなかで、再出発していただきたいと思っています。ただ、誤報という問題の本質を、どこまで新聞社の人たちが認識しているのか。疑問の残る会見だったと思います。
誤報そのものは、ある意味、やむをえない、出てしまうものです。誤報を撲滅すること、減らす取り組みや思い込みをなくすことは大事ですが、今回なぜ、これまで大きくなったのかというと、事後対応の問題だと思います。
誤報というものをどうやって正面から受け止めて、きちんとすみやかに説明し、訂正していくのか。その問題意識がまだまだ感じられない。そういった会見だと思いました。
もっときちんと第三者を入れて検証していく。そして、誤報をした記者を責めるような方向性には、ぜひいかないでほしいと思います。そういう方向にいくことが、かえって問題を悪化させるのではないかと思っています」
楊井人文代表のコメント動画(1分53秒)はこちら。
朝日新聞謝罪会見をどう見たか・・・楊井人文さん(日本報道検証機構代表)
●ビデオジャーナリストの神保哲生さんのコメント
「実は、あまり感想というのはないんです。誤報があって責任をとるという会見なので、それが十分かどうかはいろいろ議論があるでしょうが、個人的には、誤報について新聞社の幹部が釈明して、責任の取り方を明らかにしたという、それだけかな、と。
ただ、僕が気になっているのは・・・報道機関というのは、人間が報道しているので、誤報とか間違いがこれまでも起きてきたし、これからも起きるんですね。だけど、日本の場合は、特定の少数の報道機関があまりにも大きくなりすぎていて、その場合に『ごめんなさい、誤報しちゃった。訂正します』では済まなくなっている。
その誤報が国の世論全体に大きな影響を及ぼし、その歴史の評価の流れを変えたりする。これは、むしろ異常なんです。だから、責任をとろうにも、責任はとれないですよ。(新聞社の社長は)一報道機関の幹部にすぎない。『誤報しちゃった、ごめんなさい』で済むはずなのに、その誤報が大変な影響力をもってしまう。
そこが日本のメディアの問題、非常に不幸なところ。(今回の騒動は)本当に少数の報道機関に力が集中してしまったために起きた。むしろ、異常な事態なのではないかと思いました。
そこを正常化するには、もっといろんな報道機関がたくさん出てきて、『朝日もその一つだよね』『
間違えてしまったら、ごめんなさいだよね』というようになること。それが、正常化の道なのではないかと思っているんですね。
それは簡単にできないけれども、人口が1億しかない国で、1000万部とか800万部とかの新聞が誤報すれば、それはもうただの誤報ではすまないんだということを、逆に今日は見せつけられた。そういう思いで、メディアはやっぱりいろいろと問題あるな、力が逆にあるな、と思いました」
神保哲生さんのコメント動画(2分8秒)はこちら。
朝日新聞謝罪会見をどう見たか・・・神保哲生さん(ビデオジャーナリスト)
朝日新聞・木村社長の記者会見のノーカット動画(1時間50分54秒)はこちら。
【ノーカット】「吉田調書」「慰安婦問題」に関する朝日新聞社の記者会見
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