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日朝交渉の難しさ
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52640583.html
2014年09月14日 在野のアナリスト
北朝鮮との拉致再調査交渉が、どうも暗礁に乗り上げている印象です。前のめりな安倍政権の足元をみられ、高い見返りを要求されている、というのが正しいのでしょう。ここに来て、中国が今年に入り、北朝鮮への原油輸出を停止し、核問題における北朝鮮の妥協を求めていた、と報じられています。これは日本の交渉にも影響し、日本が安易に妥協すると、世界の潮流から浮く、ということになる。日朝が接近することに、中国側が楔を打ってきた形となります。
一方で、日中韓は外務次官級の会談を開催しており、また韓国外相が日本の大使と会談するなど、中韓は硬軟をつかい始めました。韓国にそんな戦略はこれまで見られなかったので、これは中国の振り付けでしょう。中国はこうして時折軟化し、懐柔策をとってきますが、今回は対日工作というより、対北へのメッセージという面が強いとみています。日中韓が接近すれば、日本として対北融和策はとり難くなる。日本に接近しても無意味ですよ、と伝えているのです。日本には足枷が、北朝鮮には足踏みを促す、そんな戦略をとってきたように見えます。
米国はイスラム国との戦闘を表明したものの、地上部隊は送らず、空爆のみで周辺国からの参戦を促す、という奇妙な作戦をとっています。いくら武器を供与されても、自軍の兵士を危険にさらすことを、そうそう納得はしないでしょう。特に、イスラム国はイスラム世界の多数派、スンニ派を母体にしており、自国に危険が及ばない限り、イスラム世界としては関わりたくないのです。
しかも米国がイスラム国との戦闘に明け暮れると、当然のように北朝鮮への圧力も減る。ウクライナ問題は、露国への経済圧力だけで、西側諸国も戦争しようとまではしませんが、これも米国の足を引っ張っている。米国が東アジアより、中東、中央アジアに軸足をおけば、中国の影響力が相対的に増してくる。日本はその中国と、北朝鮮問題では連携するのか、距離をおくのか、改めて考えなければなりません。日本への軟化姿勢とは、即ち中国にとっては日本をとりこみ、東アジアの主導権をにぎる、という目的もある。それにどう対応するか? 北朝鮮問題は、改めて東アジアの覇権争いとして、日本は戦略を立て直さなければいけないのかもしれません。
北朝鮮がベットを積み上げるのも、中国の入れ知恵でしょう。金体制としても、これまで疎遠だった中国が、日本への接近を起爆剤として軟化し、懐柔策をとってくれるなら御の字です。あえて拉致問題を解決し、日本との友好関係を築く必要もありませんし、中国から背中を刺される怖れが緩和される、となれば日中の綱引きなど、自ずとどちらにつくかは決まってきます。
安倍政権は北朝鮮問題の解決を喧伝し、政権浮揚に利用しましたが、ここにきてそれが裏目になり始めた、ということなのでしょう。解決に絶好のタイミング、などと語られ、国民の期待値は上がってしまっている。しかししたたかな中国は、日本がそういう状況であることを知り、北朝鮮を取りこみ、日本へと接近する。そうやって中韓の敷いたレールに日本が乗せられてしまうのか? そうなると拉致問題の解決は? 実は今、安倍政権に重大な試練となってきたのが、北朝鮮外交ということになるのでしょうね。
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