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シングルマザーの貧困率と少子化問題
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2014.09.13 きっこのブログ
7月に厚生労働省が発表した2013年度の「国民生活基礎調査
(PDF資料 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/dl/03.pdf )によると、最新の国民の「相対的貧困率」は16.1%で、これは前年の16.0%と大きくは変わらなかったんだけど、子どもの貧困率が16.3%になり、調査以来、初めて全体の貧困率を子どもの貧困率が追い抜いてしまった。厚生労働省が発表した次の表には、30年前の昭和60年(1985年)からの「貧困率」の推移が記してあるんだけど、これを見ると、全体の貧困率も子どもの貧困率もジョジョに奇妙に悪化し続けてきたことが分かる。
そして、30年前も現在も、両親がそろってる世帯と比べると、「大人が一人」のシングルマザーやシングルファザーの世帯のほうが、何倍も貧困率が高いことが分かる。たとえば、最新のデータで見ると、子どもの貧困率は16.3%だから、ザックリと言えば「6人に1人の子ともが貧困」ということになるけど、「大人が一人」のシングルマザーやシングルファザーの世帯になると、これが一気に54.6%に跳ね上がる。つまり、「2人に1人以上の子どもが貧困」ということになるのだ。
これは、30年前からまったく改善されてなくて、多少の上下はあっても、「大人が一人」の世帯は常に50%以上が「貧困」だ。一方、両親がそろってる世帯のほうは、30年前には9.6%だったものが、現在は12.4%に悪化したんだから、両親がそろっていても「貧困」と判断される子どもが増えた、と言うことになる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、日本で「少子化」が問題になって久しいけど、2013年度の出生率(1人の女性が生涯に生むとされる子供の人数)は、1.43人となり、前年の1.41人から、ホンの少しだけ改善した。でも、カンジンの「子どもを産む女性」の数が減ってるから、実際に生まれてきた子どもの数は過去最低の102万9800人、前年より7400人も減ってしまった。つまり、この出生率の微妙な改善は、日本の「子どもを産む環境」が良くなったワケじゃなくて、単に分母が減ったことによる数字上の変化ってワケだ。
そして、1年間で生まれてきた子どもの数が102万9800人なのに対して、1年間で亡くなった人の数は126万8400人、これは前年度から1万2000人も増えてる。ま、高齢化が進んでるんだから、亡くなる人の数が増えるのは自然の摂理だけど、今の状況が続けば、日本の人口は着実に減り続けることウケアイだ。このまま減り続けると、2050年には9500万人に、2100年には4700万人にまで減ってしまうと試算されてる。
あたしは、日本て人口が多すぎると思うから、少しは減って1億人くらいになるのがいいと思ってる。だけど、それは、子どもからお年寄りまで平均してて、20代から40代までが多いという理想的な人口バランスでの話であって、子どもがいなくなって高齢者ばかりになったら、国家として成り立たなくなっちゃうから困る。このまま減り続けると、2050年には9500万人になるって書いたけど、これにしたって、全年齢層が平均的に減るワケじゃない。0歳から64歳までが3000万人減り、65歳以上の高齢者は逆に増えるのだ。
‥‥そんなワケで、世界各国の出生率を見てみると、最高がニジェールの7.0人で、以下、ソマリアの6.3人、ザンビアの6.3人、アフガニスタンの6.2人、マリの6.2人、東ティモールの6.1人‥‥って感じで、上位50位くらいまでは、アフリカの国々と中東の国々、あとは東南アジアの国々が占めてる。一方、日本を始めとした先進国は軒並み100位以下で、その中でも高いのが、103位のニュージーランドの2.2人、114位のアイスランド、アイルランド、アメリカの2.1人、122位のオーストラリア、フランスの2.0人、130位のデンマーク、フィンランド、スウェーデン、イギリスの1.9人で、日本は最下位から3番目の179位だ。
ちなみに、その国の人口を維持するために必要な出生率は「2.08人」て言われてる。だから、今挙げた先進国の数々は、人口が極端には減らずに何とか横ばいしてる国ってことになる‥‥ってなワケで、これらの先進国の中で、現在2.0人のフランスは、かつては1.6人まで減少してた。現在1.9人のスウェーデンも、かつては1.5人まで減少してた。今の日本と変わらないほど低い出生率だったフランスやスウェーデンは、どうやってここまで回復させたのだろうか?
それは、婚外子を認める社会、シングルマザーが普通に暮らせる社会、同性婚を認める社会を作ったことだった。日本では、婚外子は全体の2%しかいなくて、結婚してない女性が子どもを産むということは、周りから特別な目で見られてしまう。その上、社会的な保障なども完備されていないため、女性が1人で子どもを産み、働きながら育てるということはとても難しい。だから、結婚して出産したあとに離婚してシングルマザーになってしまった女性はたくさんいるけど、最初から「結婚はしたくないが子どもは欲しい」という考え方で子どもを産む女性はほとんどいない。
でも、フランスやスウェーデンでは、結婚していないカップルやシングル女性が子どもを産んでも、同性婚のカップルが人工授精や養子縁組で子どもをもうけても、男女の夫婦に準ずる社会保障が受けられるようにした。シングルマザーが働きながら子どもを育てられる環境作りを行なった。その結果、「結婚はしたくないが子どもは欲しい」という女性たちが次々と子どもを産むようになり、結婚していない男女のカップルが次々と子どもを作るようになり、同性婚のカップルが次々と子どもをもうけるようになり、20年弱で出生率が2.0人にまで回復したってワケだ。
現在の婚外子の割合は、スウェーデンが55%、フランスが53%、つまり、2人に1人以上の子どもが婚外子なのだ。だから、婚外子だからって特別な目で見られないし、両親が結婚してる家庭よりも、両親が結婚してない家庭やシングルマザーの家庭のほうが普通みたいなもんなのだ。ちなみに、他の国を見てみると、デンマークが46%、イギリスが44%、オランダが41%、アメリカが40%、アイルランドが33%、ドイツが32%、スペインが31%、カナダが27%と続いてる。これを見れば、日本の「2%」が、いかに低いのかが分かると思う。
‥‥そんなワケで、もちろん、あたしは、男性と女性が結婚して、子どもを産み、家庭を築くことを否定してるワケじゃない。それで、男性も女性も子どももみんな幸せなら、それに越したことはないと思ってる。でも、恋愛にはいろんな形があるワケだし、人生にもいろんな人生があるワケで、男性同士や女性同士で愛し合って結婚したいと思う人たちがいて、そのカップルが子どもを欲しいと願うことも、1人の女性が結婚をせずに出産をして自分1人で子どもを育てる道を選択することも、すべては自由だと思ってる。
でも、日本の場合は、最初に挙げた厚生労働省の表を見れば分かるように、「大人が一人」の世帯では、54.6%もの家庭が「貧困」だ。この「大人が一人」の世帯には、便宜上はシングルマザーもシングルファザーも含まれてるけど、現実的には大半がシングルマザーの家庭だろう。あたしは、この54.6%という「貧困率」をゼロにしろとは言わないけど、せめて両親がそろってる世帯の12.4%と同じにして欲しいと思ってる。シングルマザーの家庭の「貧困率」が両親のそろってる家庭と同じ水準まで下がれば、女性が1人で働きながら子どもを育てていくという生活スタイルを選択肢の1つとして選べるようになる。「仕方なくシングルマザーになった」のではなく、自分の理想の生き方としてシングルマザーを選択できるようになる。
女は結婚するものだ。結婚して子どもを産むものだ。結婚もしていないのに子どもを産むなんて言語道断だ‥‥って、こんな「生きた化石」のような考え方の男が未だにウヨウヨと生息してる精神的後進国の日本だから、フィギュアスケートの安藤美姫さんが赤ちゃんをお披露目してシングルマザー宣言をした時には、「おめでとう!」じゃなくて罵声と好奇の目ばかりが集まった。「相手の男は誰だ?」と最低な記者たちが嗅ぎまわった。こんな時代遅れの男性社会なのに、形だけの女性大臣を並べて「女性の活躍」って、バッカじゃないの?
‥‥そんなワケで、マジで今の日本の少子化はヤバイと思うから、あたしがもしも総理大臣なら、国民との約束をちゃんと守って、消費税の引き上げぶんはすべて社会保障に回す。そして、シングルマザーの「貧困率」を下げるための政策を行なう。もちろん、福島第一原発の放射能汚染によって被曝し続けている子どもたちの救済や、放射能汚染食品による内部被曝から子どもたちを守るための政策も並行してやってくけど、これは今回の問題とは別の話だし、財源も別になる。今回の少子化の問題については、現実に成功したフランスやスウェーデンにならって、婚外子を認める社会、シングルマザーが普通に暮らせる社会、同性婚を認める社会を作ることこそが、あたしは、唯一の解決策だと考える今日この頃なのだ。
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