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2014年09月13日
小沢一郎が野党の統一(オリーブの木構想)を提唱して久しいのだが、いまだ、その芽すら見えてこない。なにも、小沢一郎が悪いわけではないのだが、世間の「空気」が、まったくもってそのようなムードになっていない。日本維新の会と結いの党、そしてみんなの党の動きを見ていると、イスラム勢力の陣取り合戦を見ているようである。それも、その争っている陣地は草木も生えない「不毛地帯」、金鉱が眠っているという話も聞かない。
このような環境下で、「原理原則論」がまったく通用する気配も見せないことは、小沢一郎を個人的に支持している立場でも、歯痒さだけを感じてしまう。最近の異常気象のように、寒気と暖気がぶつかり合い、気圧の不安定化をもたらすような状況すらも永田町では起きていない。与党である安倍自民党勢力は、ライバルになり得る石破勢力を封殺。石原伸晃勢力などは遠島申しつけられる始末である。そういう意味では、菅官房長官以下の垂直統制システムがマスコミに至るまで、一応機能していると観察せざるを得ない。
そのような状況にも関わらず、頼みの民主党でも、自民党と同様の勢力の抱き込み、一蓮托生方式で、今後一年間を乗り切ろうとしている。到底オリーブの木構想の核になり得る状況とは言い難い。毎日新聞が民主党人事を以下のように語っている。
≪ 民主党:幹事長に枝野氏 選対責任者は岡田氏
民主党の 海江田万里代表は、大畠章宏幹事長を交代させ、後任に枝野幸男元官房長官を起用することを決めた。岡田克也元代表を選挙対策責任者に充てる。海江田氏と距離を置いてきた枝野、岡田両氏を執行部に取り込み、「挙党体制」をアピールする。同党は政調会長、国対委員長などを含む新役員人事を16日の両院議員総会で決定する。
海江田氏は12日、枝野氏と東京都内で会談し、人事の調整を行った。枝野氏は11日夜に海江田氏から幹事長就任を求められ、受諾していた。
海江田氏の任期は来年9月までだが、党再生の遅れなどを理由に「海江田降ろし」の動きが強まった。7月末の両院議員懇談会で何とか代表続投にこぎつけたが、海江田氏を支えた大畠氏の辞意は固く、党内の掌握は難しい状況だった。
枝野、岡田両氏は、前原誠司元代表らとともに執行部と距離を置いてきたが、枝野氏は執行部批判を抑制してきた。一方、岡田氏は代表選前倒しを唱えるなど海江田氏の党運営に批判的な立場。海江田氏は、安倍政権の内閣改造、自民党役員人事を踏まえ、枝野、岡田氏というベテランを起用して党内基盤を固めにかかったといえる。
次期衆院選を見すえた布陣でもある。枝野氏は8日のテレビ番組で「11月9日投票、12月投票もある。(衆院解散を)いつやられてもおかしくない」と発言。岡田氏も選挙区調整を「今すぐやらないといけない」と主張しており、選対責任者として早急にほかの野党との協議に着手するとみられる。
このほか、国対委員長には川端達夫副代表の就任を検討。政調会長は桜井充政調会長の続投か、大塚耕平元副厚生労働相の起用が取りざたされている。 ≫(毎日新聞:笈田直樹、光田宗義)
民主党の現在置かれている立場としては、こう云う人事も「空気」として妥当なもののようだが、海江田の次は枝野か岡田と云う線が濃厚になってきている。口先前原から幾分距離を置きたい枝野にしても、渡りに船の部分はあったであろう。もう前原には、ネオコンの臭いがつき過ぎ、悪臭が出る段階に入っているので、その臭いの染みつかないうちに、左翼思想を根本にもつ枝野が、前原グループから距離を置きだした点は評価できる。岡田は、正論には強いが、応用問題の処理は出来ない男なので、顧問的ポジションならこなせるだろう。メディアの論調では、もっぱら挙党体制だとしているが、前原グループを宙に浮かせる当面の戦術は一応評価できるだろう。
安倍官邸は、野党全体の小競合いを尻目に、一気に争点隠しの解散総選挙を打って、衆参W選挙回避を目指す環境は整いつつある。野党勢力の内部調整に、これだけの時間を費やした以上、組織として動けたとして、かなりの時間が必要なのだから、年内解散総選挙は安倍晋三にチャンスを与えた面は否めない。朝日新聞が墓穴を掘り、安倍は天敵の弱体化も伝家の宝刀を抜かせる機運の一つと感じてもおかしくない状況になっている。朝日新聞が、もう少し理性的に振舞い、小沢一郎を奈落の底に落とし込むような報道を避けていれば、小沢一郎の勢力も一定の影響力を残せたのだが、今の状況まで落ち込むと、音頭取りの相談役的ポジションすら与えられそうにもない。
仮に、年内に解散総選挙を打たれたら、どうなるのだろう?自民党には勝たせたくないが、勝てそうな野党の姿も見えてこない。維新の橋下や民主の海江田が急遽連帯するとも思えない。松野、枝野、江田の三人の顔合わせなら、何かが起きる可能性が僅かにありそうだ。しかし、彼らの妥協案に各党の議員らが素直に追随すると云うもの、想像しにくい。そんなことを考えていたら、もう完全にお手上げだ。案外、共産党や社民党が伸びるくらいで、安倍自民の大勝利と云う、ウンザリな答えが出て、10%増税までまっしぐらの絵図が見えてくる。まあ、そうなって、大不況が押し寄せ、七転八倒な国民生活到来で、参議院で与野党逆転というシナリオでも期待するしかないのか。正直、読めない。当たらずとも、予想が出来た時代が懐かしいほど、数年まえが、大昔のように思えてくる。自棄のやん八、小泉純一郎と小沢一郎、細川護煕。小泉進次郎党首で、新党でも立ち上げて欲しい荒唐無稽な願望さえ浮かんでは消える今日この頃の日本の政界だ。
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