http://www.asyura2.com/14/senkyo171/msg/315.html
Tweet |
北朝鮮の再調査結果発表がなぜ遅れているのか
http://bylines.news.yahoo.co.jp/pyonjiniru/20140912-00039056/
2014年9月12日 15時51分 辺真一 | コリア・レポート 編集長
北朝鮮による安否不明の拉致被害者再調査結果発表が当初の予定よりも大幅に遅れている。日朝政府間合意では「8月下旬から9月初旬まで」となっていた。多少遅れても「9月の第二週までには」とみられていたが、現状では来週以降に延びそうだ。
遅延理由が北朝鮮側にあるのか、それとも日本側の事情によるものか定かではないが、産経新聞が8月7日付の「拉致報告、来月2週以降 北調査委『もう少し時間』」の見出しの記事で「北朝鮮側は北京の外交ルートを通じ、『もう少し時間がかかる』と伝達してきた」と伝えていたことから北朝鮮が再調査に手間取っているものと当初はみられていた。
ところが、北朝鮮の対日交渉責任者である宋日昊朝日国交正常化担当大使は訪朝(9月8−11日)した共同通信社代表団との会見で「いつでも結果を報告できる状況にあるが、日本側から説明を求める公式要請がない」と発言していた。この発言通りならば、北朝鮮はすでにスタンバイしているのに日本の方がまだ受け入れの準備ができていないということになる。
アントニオ猪木氏が面会(8月28日)した姜錫柱国際担当書記は今回の調査について「しっかり調査をしているので、新しい情報がある」とそれなりの「自信」を仄めかしていた。また、宋日昊大使も今回の調査は「特定分野に限定せず、すべてのことを同時並行的に科学的にかつ客観的調査活動を誠実に行っている」として、今でも日本側に伝達する内容は「充分にある」と語っていた。
極めつけは、金英南最高人民会議常任委員長の金丸康信TV社長との会見(9月8日)で発した「朝日関係は、今年、動きがあるかも知れない」との言葉である。拉致問題が進展しなければ、日朝が動かないことは百も承知の上での発言だろう。
一連の北朝鮮の要人の発言をみる限り、北朝鮮側に再調査結果を遅らせる理由はないようだ。今回はそれなりの「自信」があるのかもしれない。しかし、北朝鮮の再調査結果を採点し、合否を付けるのは、日本側である。
北朝鮮の前回の回答は「ゼロ」で日本からすれば、「不合格」「落第」だった。再調査を受験に例えるならば、今回は言わば、10年ぶりの「再受験」だ。
「安倍内閣で必ず解決する」と公約した日本としては何としてでもパスしてもらわなくては困る。従って、日本からすれば「これが最後だから、もっとよく考えてから答案用紙を出しなさい」ということなのか、あるいは事前に解答用紙を見たいのかもしれない。受験する北朝鮮よりも、採点を付ける日本のほうが心配で仕方がないようだ。
すでに知られていることだが、外務省の伊原局長が8月21日から2日間にわたって、マレーシアのクアラルンプールで北朝鮮の国家安全保衛部の幹部と協議したとの情報がある。宋大使ではなく、再調査を担当している国家安全保衛部の幹部と直接協議をしたとみられる。
さらに、今月9月6日から一泊二日の日程で訪中した伊原局長は北京で再度、北朝鮮側と接触したことが判明している。その結果、第2週に想定されていた報告時期がさらに遅れることになったとの見方が有力だ。
理由は、結果提示の見返りに北朝鮮が貨客船「万景峰」の日本入港再開など第二次制裁解除を要求し、これに日本が難色を示しているためと伝えられている。
北朝鮮が追加制裁を求めていることは宋日昊大使の共同通信との会見で新たな制裁解除への期待を表明したことからも明らかだ。しかし、「これならばよし」と日本が了承しなければ、見返りとしての第二次制裁緩和には踏み切れない。日本側が結果報告の説明を公式に求めないのは、内容を見る前に「見返り」として制裁緩和の拡大を決断できないからだ。
山谷えり子拉致問題相は9月7日のフジテレビ番組で、日本独自の制裁のうち、貨客船「万景峰号」の入港禁止の解除に関しては「まだそこまでには至っていない。全員の一日も早い帰国以外に(解除は)ない」と断言していた。
どこで折り合いを付けるのか定かではないが、北朝鮮は拉致被害者12人の再調査をほぼ終えており、一度結果を出せば修正する可能性はないだろう。
北朝鮮側は今回の調査で何が何でも拉致問題を決着させようとしている構えだが、日本はどこかで腹をくくらなければならず、今まさにその政治判断を迫られる局面に差しかかっているようだ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK171掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。