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2014年09月12日
古村治彦です。
日本経団連が5年ぶりに自民党への政治献金を呼びかけることになりました。以前は、経団連総務部次長、事務総長、副会長を歴任した花村仁八郎(はなむらにはちろう 1908〜1997年)が「財界政治部長」として、加盟各企業に対して献金のあっせん(金額まで決めてのほぼ命令)をしていました。それから何度か、献金のあっせんは停止されたり、再開されたりを繰り返してきました。
下に貼り付けた記事では、経団連は安倍氏の経済政策を評価し、全面的に支持するということで、政治献金「呼びかけ」を再開したということです。呼びかけですから、従う義務はありませが、名だたる大企業が何も出さないということはこれからのこともありますから、ある程度の金額が決まっている事実上の「あっせん」なのだと思います。
経団連は、昔は輸出大企業ばかりでしたから円安にしてもらうことが環境を整えるということで、支持しやすい政策でした。資源高や輸入品が割高になるというデメリットはありましたが、それを凌駕するほどの経済成長をしているうちはそれでも良かったのです。
しかし、現在は小売りや流通、資源輸入といった部門では円高が望ましいし、人々の生活は多く輸入に頼る中で、円安が日本全体の利益になるという単純な構図ではありません。
更に、経団連は安倍首相を全面支持と言っていますが、それでは彼の対外政策はどうでしょうか。これからきちんと付き合っていかねばならない中韓に対する姿勢まで支持するということでしょうか。頭の悪いネット右翼まがいの元幹部自衛官が外務大臣政務官になっていますが、彼のSNSでの発言は驚くばかりです。また、早速、アメリカのユダヤ系団体が高市早苗氏や稲田朋美氏が、ネオナチ思想を喧伝する団体の長と親しげに写真を撮って、それが掲載されているという事実を掴み、懸念を表明しました。
国民生活が良くなっているような、良くなっていないような、そんな状況、結局、消費税と物価だけ上がって、可処分所得が増えていない現状があります。そうした中で、企業に属している人が個人で、自分のお金の中から政治献金をするのはどうぞご自由に、ということになりますが、企業が自民党だけに政治献金をするというのは如何なものか、政治献金の金額などは大企業にしてみれば鼻くそくらいのものでしょうが、それでも、「あれは自分たちが懐を痛めて買った商品の利益から回っている、そんなことをするのなら、もっと別の使い方があるんじゃないのか」という気持ちを人々に持たせてしまうのではないかと思います。
今の経団連、というか大企業経営者も考えてみれば、民僚として育てられてきた人々で、官僚たちと同じです。事なかれ主義で、減点主義、大過なく勤め上げれば主義の人々ですから、自分は民間で、政府や政治家に対して自立する、自分たちの利益と顧客の利益を体を張って守るという感じではなくて、お仲間さんとして従っているだけのことでしょう。しかし、そんな経団連、財界に未来があるのでしょうか?まぁ潰れてしまっても問題があるのだろうかと思ってしまいますが。
(新聞記事転載貼り付けはじめ)
献金呼び掛けを決定=政治と連携強化、5年ぶり−経団連
時事通信 2014年9月8日
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201409/2014090800513
経団連は8日開いた会長・副会長会議で、会員企業・団体に対し政治献金の実施を呼び掛ける方針を正式に決めた。経団連による献金への関与は5年ぶり。榊原定征会長は同日の記者会見で「今は徹底的に政治と経済が手をつないで、日本経済を立て直さないといけない」と表明。事実上、安倍政権を全面的に支持する姿勢を鮮明にした。
榊原会長は会見の冒頭、「政策本位の政治の実現、民主主義の健全な発展を図る上でクリーンな民間寄付(献金)拡大は重要課題」と強調。2003年の奥田碩会長時代の考え方を基本的に踏襲し、経団連自らはあっせんせず、あくまで企業の自主判断に基づく献金を促す。その一方で、献金対象に関し「日本経済再生のため成長戦略を推進する健全な政党」とし、自民党を念頭に置いていることを示唆した。(2014/09/08-18:01)
(新聞記事転載貼り付け終わり)
(終わり)
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