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露に執着する安倍と森〜プーチン来日延期(?)、米露対立激化も首脳会談を検討(日本がアブナイ!)
http://www.asyura2.com/14/senkyo171/msg/290.html
投稿者 笑坊 日時 2014 年 9 月 12 日 18:35:27: EaaOcpw/cGfrA
 

http://mewrun7.exblog.jp/22380784/
2014年 09月 12日

 これは『プーチン来日で、安倍を揺さぶるロシア+NATO出陣で新東西冷戦に突入かhttp://mewrun7.exblog.jp/22331273/』のつづきになるのだが・・・。

 安倍首相は、今秋、ロシアのプーチン大統領を国賓待遇で日本に招聘して、平和条約を締結すると共に北方領土返還の道筋をつける(&歴史に名を刻む?)ことを計画。
 新政権が始まってから、ロシアのプーチン大統領との関係を重視。昨年から今年2月まで、わずか1年余りの間に5回も首脳会談を行なうなどして交流を深めると共に、プーチン大統領の来日+αの準備を着々と進めて来た。(・・)

 ところが今年2月に、ロシアのウクライナへの軍事介入の問題が生じたことから、計画が狂うことに。日本はG7の一員として、欧米諸国がロシアに対し強い批判や制裁を行なうのに付き合わざるを得なかったために、ロシアとの外交交渉がストップすることになったからだ。^^;
<米政府も、日本のプーチン招聘に不快感を示していた。>
 
 それでも、安倍首相はギリギリまで、プーチン来日+αの実現にこだわり、今週も、プーチン大統領と会った森元首相に、親書を託していたほどなのであるが。
 しかし、昨日、ロシアの駐日大使が、ついに大統領の来日の延期に関して言及したとのこと。今秋のプーチン大統領の来日を実現するのは、極めて困難な状況になったと言えるだろう。(@@)

 ただし、大使は「プーチン大統領が訪日するかどうか決める」とも発言。
 ロシア政府は、日本政府が欧米諸国に追随して制裁などを行なうことに不快感を示していることから、もし安倍首相が、欧米よりもロシアを重視する姿勢を見せた場合には、考えを変えることを示唆して、またまた安倍首相を揺さぶろうとしているのではないかと察する。^^;

* * * * *

『ロシアのアファナシエフ駐日大使は11日付の政府系紙「ロシア新聞」のインタビューで、プーチン大統領の今秋の訪日について、ウクライナ危機で日本が発動した対露制裁を理由に「計画が狂った」と述べ、延期の可能性に言及した。プーチン氏は10日深夜(日本時間11日未明)、森喜朗元首相との会談で日露間の対話継続に意欲を示しており、安倍政権は米欧との協調を図りつつ、時期を探ることになる。
 大使は「訪日するかどうかを決めるのは大統領自身」としながらも、「首脳レベルの訪問にはしっかりした準備が必要だ」と指摘した。日露間では4月の外相会談と8月の外務次官級協議が相次いで中止になり、準備は進んでいない。(毎日新聞14年9月11日)』

『大使は、「制裁が2国間関係に影響を及ぼしたのは確かだ」とし、「プーチン大統領の訪日を準備するために明確な日程が組まれていたが、残念なことにスケジュールは変更となった」と述べた。
 同氏は、プーチン大統領自身が日本を訪問するかどうか決めることになると明らかにした。(ロイター14年9月11日)』

* * * * * 

 安倍首相が、新政権発足以来、プーチン大統領との関係を重視して来た理由は、大きく言えば2つある。(・・)

 一つは、ロシアと戦後初となる平和条約を締結すると共に、自らの手で北方領土返還実現への道筋をつけたいと考えていること。
 もう一つは、首相が意欲を燃やす中国包囲網構築には、地政学的にも、軍事力的にも、また経済市場拡大や資源確保の面でも、ロシアとの連携が不可欠だと考えていることだ。(**)

<あと「強い日本を取り戻す」をスローガンに富国強兵を進めようとしている安倍首相にとって、「強いロシアを取り戻す」ことを目標に掲げて、強烈なリーダーシップ(&強権?)を発揮し、軍事力&勢力拡大を推進するプーチン大統領には共感やある種の憧れを覚える部分があるのではないかと察する。>

 特に北方領土返還は、安倍首相らの超保守派にとって悲願とも言える大目標。
 実は、安倍氏の後見役である森元首相が、ロシアやプーチン大統領と密な関係にあり、首相在任中やその前後に、かなり具体的に返還交渉を進めていたようなのであるが。道半ばで頓挫することに。
 そこで、安倍首相は今政権で、森元首相のパイプも活用する形で、プーチン大統領との交流を深め、改めて平和条約締結&返還交渉を進めようとしていたのである。^^;

<日本は戦後69年、いまだにロシアと平和条約を締結しておらず。それも北方領土返還のネックになっていると見る人が多い。>

* * * * *  

 安倍首相は、上述の目標を実現することを念頭に、新政権発足後、今年2月までの間に、2回ロシアを訪問。他国での国際会議の場も含め、5回もプーチン大統領と首脳会談を行ない、両者の関係強化に努め、閣僚や事務方レベルでもプーチン招聘や諸事の交渉を進めていたのであるが。
 今年2月にロシアのウクライナへの軍事介入が起きたことから、困ったちゃん状態に陥ることになった。(@@)

 欧米諸国がロシアを強く批判し、ロシアで開催予定のG8をボイコットしたり、次々と制裁措置を行なったりすることを決定したからだ。^^; <欧米は、ついにロシアとの戦いに備えてNATO軍を配備することも決めたぐらいで。この新たな東西対立は、ウクライナで停戦合意がなされた後も、そう簡単におさまりそうにないのよね。>

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

 そんな中、安倍首相は、とりあえずG7の一員として、欧米の意向に沿って、G8ボイコットや対ロ制裁に付き合ったものの、内心ではロシアとの良好な関係を何とかキープしたいという思いを抱き続けていて。公の場でロシアを批判することを避け、プーチン大統領との対話を重視するとのメッセージを出し続けていた。^^;

 他方、ロシアは、安倍首相が欧米に追随して制裁などを行なったことを批判。日本周辺に空軍機を何百回も飛ばしたり、北方領土で軍事演習を行なったりもして、安倍首相に「一体、今後、ロシアとの関係をどうするつもりなんだ?」と、明確な姿勢を示すことを促して(強行に迫って?)来たのである。(~_~;)

(関連記事・『安倍の対ロ外交は失敗に?〜ロシアが米追随の日本批判&北方領土で軍事演習http://mewrun7.exblog.jp/22288605/」など) 

* * * * *

 日本とロシアの間では、今年10〜11月にプーチン大統領の来日&平和条約の締結、北方領土返還を実現することを目指して、1年以上にわたり交渉を行なっていたようなのだが。
 9月半ばになろうとしている今日、もしその時期に計画を実行に移すとなれば、もうタイムリミットを迎えていることから、安倍首相は、大きな決断を迫られていたのである。^^;

 そんな折、森元首相がロシアを、国際フォーラムに参加するためロシアを訪問することに。(・・)
 森氏いわくプーチン大統領とは「ウラジミール、ヨシ」と呼び合う親友の仲であることから、何とかロシアとの関係維持に一役買いたいと考え、大統領と会談の機会を設けることを要請。
 安倍首相は森元首相に大統領への親書を託しており、プーチン大統領の考えもきいた上で、今後も対話を継続できるように促すことを期待していたようだ。(++)

* * * * *

 森元首相は、9日のモスクワでの会合で、「プーチン大統領が批判を浴びていることを友人として、残念に思う」と発言。 (・o・)
 ロシア下院議長は、日本が欧米諸国に追随してロシアと関係が悪化していることに不満を示していたという。^^;

『ロシアを訪問中の森元首相は9日、日露協力をテーマにモスクワで開かれた会合に出席し、あいさつの中で「プーチン大統領がウクライナ情勢を巡って世界から批判を浴びている状況を友人として残念に思う」と述べた。
 ロシアのナルイシキン下院議長は、「私も議会の同僚たちも日本がロシアに制裁を行ったことに失望した。制裁は何十年もかけて築かれた国際的な経済協力を壊し、協力の精神に有害だ」と述べ、ウクライナ情勢をめぐり、米国や欧州連合(EU)との連携に傾く日本の対露政策を批判した。(読売新聞14年9月9日)』

* * * * *

 プーチン大統領は11日に、森元首相との会談に応じ、対話継続に意欲を示したものの、もし報道されていることが事実なら、来日や北方領土の返還交渉などには言及しなかったとのこと。
 また、日本への不満を示すためか、森元首相は会談の場となったホテルで3時間以上待たされ、深夜になってようやく会談が実現したらしい。^^;

『ロシアを訪問中の森喜朗元首相は10日深夜(日本時間11日未明)、クレムリン(露大統領府)でプーチン大統領と会談し、安倍晋三首相の親書を手渡した。森氏によると、プーチン氏は「日本との対話はこれからもぜひ続けていくし、続けなければいけない」と述べ、ウクライナ危機を巡って悪化した日露関係の改善に前向きな姿勢を示した。
 今年2月のウクライナ危機以降、日本の要人がプーチン氏と会談したのは初めて。安倍首相の親書は首脳会談を含めた日露の対話の継続を訴える内容とみられ、プーチン氏はその場で読んで「(安倍氏に)よろしく伝えてほしい」と話したという。森氏が「両首脳の対話は絶やしてはいけない」と述べると、「同じ考えだ」と答えたという。

 午後11時15分ごろから約35分間の会談で、プーチン氏の今秋の訪日や、北方領土問題については話題に上らなかった。ウクライナ危機について森氏が「あなたの主導で平和的に解決してほしい」と訴えると、プーチン氏は「しっかり努力したい」と答えた。日本の対露制裁についてプーチン氏は言及しなかったという。
 また、東京五輪(2020年)の組織委員会会長を務める森氏が、2月のソチ冬季五輪の運営を主導したプーチン氏に「ノウハウを教えてほしい」と話すなど、五輪も話題になった。プーチン氏は「東京五輪の開会式にできれば行きたい」と述べたという。森氏は9、10の両日、モスクワで開かれた「日本・ロシアフォーラム」(毎日新聞社、ロシア新聞社主催)へ参加するため、訪露していた。(毎日新聞14年9月11日)』

* * * * * 

『森喜朗元首相とロシアのプーチン大統領の会談は、当初想定より開始が3時間以上遅れ、10日の大統領日程の最後に組まれた。プーチン氏は笑顔で再会を喜んだが、あえて日本側を待たせることで対ロシア制裁に無言の不満を表明したのではといぶかる見方もある。
 会談は安倍晋三首相の親書を用意するなど水面下で調整され、前日に最終的に指定された日時は10日夜。ところがプーチン氏はその10日夜、統一地方選の期日前投票、閣僚との会議など内政を優先し、30分程度にすぎない会談ながら「だんだん時間が遅れた」(森氏)という。

 結局、会談時間は午後11時15〜50分。森氏がホテルで待つ記者団に姿を見せたのは11日午前1時を回っていた。77歳の森氏は疲れをためつつも、嫌な顔はせず「プーチン大統領は絶えず笑顔だった。久しぶりでうれしかったのではないか」と、2月のソチ五輪以来となる再会を振り返った。
 「引き続き対話をしっかりとやりたい」。森氏がこうした内容の首相親書をプーチン大統領に手渡し、ウクライナ危機の中でも対話継続の必要性を日ロで確認できたのは一定の成果だ。ただ、暗礁に乗り上げる今年秋のプーチン大統領の訪日問題には踏み込めず、北方領土も触れずじまいだった。(時事通信14年9月11日)』

☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

 日本政府も、現状を考えると、プーチン大統領の来日実現は困難だとわかっており、とりあえず、森・プーチン会談の実現によって、両者の関係が亀裂に生じなかったことに安堵したようで。 今は、プーチン来日の代わりに、APECに合わせた首脳会談を検討しているという。(・・)

『日露関係がぎくしゃくする中、森・プーチン会談で対話継続を確認できたことに日本政府は安堵(あんど)している。菅義偉官房長官は11日の記者会見で「訪日日程は現時点で決まっていない」と表明。日本側も大統領の訪日延期は織り込み済みだ。

 もともと大統領側近は森氏との会談に消極的だったが、プーチン氏が「安倍晋三首相の考えを聞いてみたい」と決断した経緯がある。日本政府は次善の策として、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせた首脳会談を検討している。(毎日新聞14年9月11日)』

* * * * * 

 ただ、mewは日本政府は、当面の間は、ロシアとの関わり方に慎重を期すべきだと考えている。(・・)

 以前から書いているように、ここ1〜2年、オバマ大統領とプーチン大統領の対立が激化しており、新東西冷戦の時代が始まったと言われているほど。(~_~;)

 そんな中、プーチン大統領は、日本を欧米諸国から引き離して、ロシアの味方につけようという思惑を有して、動いている部分もかなりあるわけで。
 mew個人は、新東西冷戦時代などに突入したくはないのであるが。もし日本が今後も西側(欧米諸国)側の一員としてやって行くことを考えるなら、安易にロシアと接近すべきではないと思うからだ。(-"-)

* * * * *

 米国は、ウクライナ問題を機に、G7、EUなどとの関係を利用して欧州諸国と協力して、ロシアに対抗して行く勢力固めに努めていたものの、これまで欧州諸国、とりわけドイツやフランスや旧東欧国はロシアとの経済関係が強いことから、米ロの対立に加わることには慎重な姿勢を示していたのであるが。
 6月末に、親ロ派によるマレーシア機撃墜事件が起きてからは、独仏や旧東欧国も、徐々に欧米連合の体制固めに協力するようになっている、(・・)

 今月5〜6日には、NATOの首脳会議が行なわれ、ロシアを仮想敵国として国境付近に部隊を配備することを決定。
 12日には、EUがロシアに対する追加制裁を発動することに。ロシアの3つの大手石油関連企業と3つの大手軍需企業がヨーロッパの金融市場で資金調達をすることを制限するほか、政府系銀行によるヨーロッパでの資金調達をこれまで以上に制限することなどが盛り込まれており、ロシアにとっては厳しい内容のものになっている。(~_~;)

* * * * *

 また米国は、安倍政権になってから、日本とロシアが接近していることに警戒しながらも、いざとなれば、日本は欧米チームの一員として活動するものと思い込んでいた感じがあるのだが。

 ところが、今年2月、オバマ大統領をはじめとする欧米首脳がソチ五輪の開会式の出席をとりやめたにもかかわらず、安倍首相はギリギリまで迷った末、開会式に出席した上、プーチン大統領の公邸に招かれて首脳会談を実施。
 ロシアのクリミア併合、ウクライナへの軍事介入、さらにはマレーシア機撃墜などが起きて、とりあえずG7の制裁になどには歩調を合わせているものの、ロシアに対して激しい批判を行なうことはせず。今でも、様々な形で何とかロシアとの関係を維持しようとアレコレ動いているのが実情だ。^^;

<今月8〜9日にも、岸田外務大臣がわざわざ、ロシアとの関係悪化を懸念しているドイツを訪問し、ドイツ外相とロシアへの対応について協議。欧米vs.ロシアの対立激化を回避するために連携して行くことで一致したとのこと。
 安倍首相は、日本がロシアとの関係維持を行なったり、プーチン大統領と首脳会談を行なったりした際に、欧米諸国から強い批判を浴びないために、ドイツに日本の立場を理解して欲しかったのではないかと察する。(~_~;)>、

 このような日本政府の行動を見て、米国はいまだにロシアとの関係維持に固執する安倍首相に不信感を抱き始めている様子。
 もし安倍首相が、欧米の意向に沿わずに、APECでプーチン大統領との首脳会談を強行すれば、またまた米国との関係が悪化するおそれがある。^^;

<安倍首相は、米国との約束を果たして、APECで日中首脳会談を行なえば、多少のことは目をつぶってくれると思っているかも知れないけど。
 米国は、ウクライナだけでなく、シリアに関しても昨年来、ロシアと対立している&シリア情勢で大変な思いをしていることから、ロシアに対する不快感(敵対心?)がさらに募っていることも考慮すべきではないかと思うです。>

 時間がなくなってしまったので、中途ハンパながら、ここでこの記事は終わりにしたいのだけど。

 個人的には、安倍首相には外交オンチの失敗の責任をとって、とっととやめて欲しいと思っているのだが。ただ、ひとりの国民としては、わが日本が外交で誤った方向に進んで、国際社会から孤立することは避けたいという思いがあるわけで。
 「欧米vs.ロシア」の対立状況が大きな岐路を迎えている中、日本政府にはくれぐれもロシアとの関係には冷静かつ慎重に対処して欲しいと切に願っているmewなのだった。(@@)
 
                          THANKS


 

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コメント
 
01. 日高見連邦共和国 2014年9月12日 21:29:45 : ZtjAE5Qu8buIw : AMkKUy9Ccg

まあ、対露ルートが現政権に残された唯一有望な“オプション”だからね〜!
ま、無理だけどー!!(笑)

02. 2014年9月13日 19:56:16 : P0Tg2gikXs
国益を考えるのに反安倍も親安倍もない。
俺はもちろん反安倍だが同時に反米でもある。けれど米国文化にはいまも一定の親近感を持っている。
親露ではないが、とくに反露でもない。とみにロシアの情報も入ってくる昨今、ステロタイプのロシア観であの国と政治家を見ることは正しいのだろうか?
プーチンの独裁云々を持ち出す前に、欧米発の情報の真贋を本当にそうなのか、またそうであっても言われていることすべてそのとおりであるのかを問うことをせず、情報を真に受けて自国政府の交渉ごとの利害の是非を判断するのは、情報ブログを書き発信する者としては稚拙ではないのか。
自由と民主主義という価値は、冷戦崩壊後相対した社会主義思想がステージから降りた今、唯一至高のごとく残されたものになった。
しかし自由と民主主義の価値を決めるのがどうして欧米にだけ許されるのか、今ほどこの問いを巡って世界が揺れている時代はない。
ロシアはロシアの価値観を持つ、それが欧米の尺度の自由と民主主義に合わないからといって日本が近づくのはよくないのでは?というが元来、外交やそれに基づく利益利害というものは尺度の良し悪しで決めるものではないはずだろう。
まして、価値観が合う国と付き合えばいいなど子供の仲良こよしごっこみたいなことを言う保守言論もあるが、俺に言わせればこのような幼稚な考えを持つ者が安倍の周りに居ることのほうが危険であると思う。
外交とは戦争を避けるための保険でもある。
一番近い国に日本などものの数分で塵にできる核大国があることを念頭に措いて、その国がかつては鉄のカーテンで阻まれ行き来もままならなかった頑迷で狡知な大国であった過去を遠いものとし、周辺国と新たな外交戦略で戦争を避ける提案を示そうとしているとき、日本の首相が誰であれそれに耳を傾けるなら俺はそれには反対しない。
もちろんその首相が一方では、もうひとつの馴染み深い自由と民主主義の大国の戦略に乗ることで、かつての鉄のカーテンの国の下にあるもうひとつの大国の影響から逃れたいと計算する姑息で幼稚な思考には十二分に危機感を持っている。
かつての鉄のカーテンの国の指導者は、下にある人口十億人を超える大市場大国の暴走を防ぐためにルール作りの構築に挑んでいる。
ユーラシア構想とプーチンが呼んで東に視点を移そうとするのは、大国中国を戦略的パートナーとして組み込んでいく、いくつもの条約を結ぶことで保険を幾重にもかけ、互いの信頼を醸成していくためのものである。
要するに東アジアでは戦争はしない、させない、できないようにするための。
このブロガーは西側のロシア観に引っ張られて、アメリカが東アジアの緊張を高めて中露と周辺国とを分断し、対立を呼び込んでその後ろでやくざの親分が交渉するかのごとく大国同士で利益配分だけ分け合う旧冷戦の思考そのままを追認していることに気づいていないようだ。
世界情勢の判断はブロガーの古い頭を飛び越し、自由と民主主義の大国は老いさらばえ第一線から落ちていくのは不可避というものである。
現に今そうなってきつつあるのだ。
ウクライナ情勢など、旧来のモノの見方で測っていたらなにも見えてこないだろう。
世界の組み換えは嫌といおうが、起こるし起こっている。
なにが善でなにが悪かを判断する基準がぐらぐら揺れているのである。
当然のこと、自由と民主主義の価値も、その基準を欧米だけが決めるものでないことも。


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