http://www.asyura2.com/14/senkyo171/msg/179.html
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「問題は「そういう人」から「一緒に写真に写りたい人」だと思われているという点にある:内田樹氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/15221.html
2014/9/10 晴耕雨読
https://twitter.com/levinassien
ネオナチとの関連性が暴露された閣僚たちは自分たちの政治的ポーズが国際世論にどのようなリアクションをもたらすかについてはまったく何も考えていなかったようです。
自分たちの言動を国際的な文脈において吟味する習慣のない人間はとりあえず「グローバル」なんとかについては語る資格ないです。
任命責任として、これから安倍政権は政府発表の文章中の「グローバル」をぜんぶ「ドメスティック」に書き換えることを要求します。
いや、ぜひお願いしたい。
「ドメスティック人材育成戦略」とか「経済の急激なドメスティック化」というような文章を読むと、妙に説得力ありますよ。
安倍側近のふたりとネオナチとのツーショットについてAERAのエッセイを書きました。
「頼まれれば誰とでも写真を撮る」ので迷惑しているというのが事務所の釈明でした。
いや、問題は「そういう人」から「一緒に写真に写りたい人」だと思われているという点にあるわけでしょ。
政治家の力というのは「正味のところどういう人物であるか」によってではなく、「どういう人だとまわりから思われているか」によって決定される。
だから「李下に冠を正さず」という古諺があるわけです。
公人がすももの木の下で冠をいじると、自動的に「すもも泥棒」だと思われる。
「私はすももなんか盗ってない」と言ってもダメなんです。
古代から「政治家はどのような行為も『最悪の意味で解釈されるリスク』を勘定に入れて行動を律せよ」という教えがあって、そんなことは彼らだって中学生のときに国語の時間に習っているはずなんですから。
ある夕刊紙から「安保理の非常任理事国入りのためにバングラディシュに6000億円送って、立候補を見合わせてもらったのって、どうですか?」という電話コメントのお求めがあったので、「浅ましいことです」とお答えしました。
なぜ日本が常任理事国になれないのか。
それは去年の広島講演でオリバー・ストーンが言ったように、「日本の政治家には世界に向けて発信するメッセージが何もない」からです。
国際社会において日本以外のどの国も代替し得ない役割といったら、それは「平和憲法を護って、70年どことも戦争をしていない」という事実以外にない。
現に、平和憲法のおかげで「テロのリスクがほとんどない」からこそ、福島原発が「コントロールされていない」にもかかわらず、マドリード、イスタンブールより東京が五輪開催都市に選ばれたわけです。
でも、そのことを日本政府は言わない。
言いたくない。
でも、その「最大のメッセージ」を捨てて、アメリカの世界戦略に追随するだけなら、どんな国も「日本が国際社会の未来についてどんなヴィジョンを持っているのか知りたい、日本の指南力に期待しよう」なんて思いませんよ。
前に常任理事国枠を増やして日本も入れて欲しいと懇願したときに拒絶された理由を覚えているはずです。
「アメリカの票が一つ増えるだけだから無意味」と言われたのです。
これだけ国力があって、国内統治に成功していながら日本が選ばれないのは「世界に向けて語る言葉」がないからです。
「グローバル化する経済に最適化すること」を国是にするような国に「国際社会の行く道を照らし、領導してもらおう」と思う国なんかありません。
「僕の理想は『みんながしていること』の真似することだよ!」という人をリーダーに頂く集団がないのといっしょです。
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