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日中首脳会談実現に向けた根拠なき楽観論の見苦しさ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/amakinaoto/20140907-00038897/
2014年9月7日 10時38分 天木 直人 | 外交評論家
ここにきてAPEC首脳会議の際に日中首脳会談が実現されるという楽観論が盛んにふりまかれるようになった。
安倍・菅政権と外務省がそれを垂れ流し、メディアがそれを記事にする。
根拠があるのか。
あるはずがない。
改造内閣のぶれを見ればいい。
稲田朋美が政調会長になり、高市早苗が総務大臣になって靖国参拝をすると公言している。
安倍改造内閣は日本会議メンバーでますます固められたと報道されている。
中国がそれを知らないはずがない。
これでもし、習近平が安倍との首脳会談に応じるなら、それは習近平の完敗だ。
しかし習近平が安倍に頭を下げる理由などどこにもない。
それではなぜ安倍・菅政権はここにきて日中首脳会談の実現可能性をやたらにふりまくのか。
それはあせりだ。
もし今度日中首脳会談が出来なければ、当分その機会はない。
首脳会談なきままに来年の対日勝利70周年記念を迎え、日中首脳はますます歴史認識で衝突する。
そうなれば安倍外交の責任が問われる。
だから立ち話でもいいから首脳会談の形をつくりたいのだ。
中国は面子を重んじる国だ。だからAPEC開催をホストする習近平が賓客の一人である日本の首相と会談をしない非礼を行えば非難されるのは中国だ。それは出来ないだろうと、中国に圧力をかけているのだ。
しかし、それさえも、習近平に見透かされている。
習近平はおそらく儀礼的な首脳会談に応じるだろう。
そうして安倍首相に貸しを作った上で、その首脳会談で安倍首相の歴史認識に釘をさすだろう。
そして、首脳会談の後でも安倍首相が歴史認識を改めないなら、それまで以上に強く安倍批判を行うだろう。
安倍は習近平に外交力で負けている。
ドアは開かれている。
会わないならそれでいい。
悪いのは習近平だ。
なぜそう堂々と出来ないのか。なさけない(了)
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