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安倍改造内閣はプロ好みだというが、長くはないか photo Getty Images
安倍首相の改造内閣、党内人事は「優れモノ」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40363
2014年09月06日(土) 歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
9月3日の内閣改造・自民党役員人事直後に実施されたマスコミ各社の世論調査は興味深い。『毎日新聞』(9月3〜4日実施)の内閣支持率は前回比プラスマイナス0の47%、共同通信(同)が前回比プラス5.1ポイントの54.9%、『読売新聞』(同)は前回比13ポイント増の64%、そして『日本経済新聞』(同)が前回比11ポイント増の60%である。
■それなりに好感をもって迎えられた新内閣
内閣支持率の世論調査では、安倍晋三政権発足以降の傾向として『朝日新聞』、『毎日新聞』、時事通信は低めの数字が出て、『読売新聞』、『日本経済新聞』、『産経新聞』が高めの数字が出る。安倍政権へのスタンスの違いと言えよう。
8日に発表されるNHKの調査結果は恐らく共同通信調査に近いものになり、『朝日』のそれは『毎日』調査のように50%をクリアしないのではないか。
長年、永田町ウォッチングをしてきた筆者の相場観で言えば、内閣支持率の実相は50%台半ばから後半というところだろう。谷垣禎一前法相を自民党幹事長に起用したサプライズ人事、石破茂前幹事長が地方創生相で入閣、そして小渕優子経済産業相ら過去最多の女性閣僚5人ーーなどが国民にそれなりに好感を持って迎えられたということではないか。
だが、プロ筋の見方は少し違う。自民党の新執行部は高村正彦副総裁(当選11回・無派閥)、谷垣幹事長(11回・谷垣グループ)、二階俊博総務会長(10回・二階派)、稲田朋美政調会長(3回・町村派)、茂木敏充選対委員長(7回・額賀派)といった陣立てである。
自民党内ではリベラルで知られ、消費税再増税論者である谷垣氏を、総裁を支える幹事長に起用したことは安倍氏のウィングが左に広がったということだ。これによって安倍政権が「中道保守」に転じたとは言わないが、少なくとも欧米のメディアが安倍政権を「超保守」とか「極右」と批判してきたことをかわすことができる。
加えて、可能性は低いが、仮に安倍首相が12月の消費税再増税決断を見送るにしても、谷垣幹事長は従わざるを得ない。
二階総務会長人事も巧妙である。安倍首相と麻生太郎副総理・財務相は旧経世会(竹下派)の流れを汲む二階氏とは肌合が違うとされたが、敢えて党三役に起用したのは、同氏が山口那津男代表や北側一雄ら公明党幹部と太いパイプを有していることと、中国共産党指導部へのアクセスを持っていることを配慮したためだ。
一方、安倍首相の保守思想に共鳴する稲田政調会長については、党内に不満と妬みを巻き起こしたが、「保守の星」として小渕経済産業相と競わせて育てていくという意向の現われである。
■自民党内人事も含めて、プロから見れば「優れモノ」
一言でいえば、2期6年の長期政権を意識した自民党執行部人事であり、内閣改造であった。安倍官邸の最優先課題は、来年9月の自民党総裁選で無投票・再選されることである。そのために、石破茂前幹事長を地方創生相として閣内に封じ込め、谷垣前法相を幹事長に取り込んだのだ。たとえ反安倍勢力が石破、谷垣両氏を「ポスト安倍」の受け皿に据えようとしても、来年9月までは身動きできない。
党内第2派閥の額賀派(平成研究会)に今なお影響力を持つ青木幹雄元官房長官にとって、同派から小渕経済産業相と竹下亘復興相、そして茂木選対委員長が誕生したのは「満額回答」と言えるだろう。
だが、ここにも巧妙な罠が隠されている。原発再稼働である。10日にも原子力規制委員会は九州電力川内原発に対し「再稼働合格」を通知する。小渕経産相は来年1月頃の再稼働を前に、今後全国の電力各社の原発所在地を訪ね、地元自治体首長や住民に再稼働を説得しなければならない。しんどい仕事を負わされたのだ。
このようにプロの目から見ると、今回の内閣改造と自民党役員人事は“優れモノ”なのだ。安倍首相を侮ってはならない。新聞各紙(4日付朝刊)の解説を読むと、衆院解散・総選挙の可能性は遠のいたという点で一致していた。が、筆者は依然として年内の、しかも早期の衆院解散はあり得るとの見方を変えていない。
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