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安倍首相があえて起用した“増税派”谷垣幹事長。その狙いは =3日午後、首相官邸
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140904/plt1409041821004-n1.htm
2014.09.04
安倍晋三首相が、内閣改造と自民党役員人事を終えて、直面する重要課題が消費税の再増税問題だ。年内にも、予定通りに2015年10月に現行の8%から10%に引き上げるかどうかの判断を迫られるが、ここにきて安倍首相の周辺から増税凍結論が急浮上している。財務相経験者で増税論者でもある谷垣禎一幹事長の起用についても、巷間報じられている「再増税シフト」ではなく、「対財務省シフト」が真の狙いだというのだ。
「(景気動向に)目を光らせなければいけない」
谷垣氏は3日の幹事長就任会見で、再増税問題について、こう語った。基本的には予定通り実施すべきだとしながらも、大雨被害や消費の落ち込みに触れ、慎重に見極める必要性を指摘した。
谷垣氏は、自民党総裁だった12年に「社会保障と税の一体改革」について民主、公明両党と3党合意を結び、消費増税を実現させた張本人だが、会見では含みを持たせる発言に終始した。
安倍首相と同郷で旧知の仲という政治ジャーナリストの末延吉正氏は「今回の人事を『増税シフト』というのは間違いだ」といい、続けた。
「安倍官邸は、アベノミクスを成功させ、デフレ脱却し、日本経済を復活させるのが最大の目標。安倍首相も菅義偉官房長官も、経済成長を推し進めて税収増を図り、財政再建を成し遂げる『改革派=上げ潮派』であり、財務省や自民党税調のような増税優先の『増税派』ではない」
現実の経済情勢も、消費再増税の余裕はなくなりつつある。4月に税率を5%から8%に引き上げたことを受け、4〜6月期の実質国内総生産(GDP)が年率換算で前期比6・8%減と大幅に悪化し、7月以降も低迷が続く「L字型回復」となっている。このまま10%に上げれば、個人消費や企業の投資はさらに落ち込み、景気は腰折れしてしまいかねない。
こうした状況を受けて、安倍首相の経済ブレーンからも増税延期を求める声が相次いでいる。
アベノミクス誕生にも関わりが深いとされる自民党の山本幸三衆院議員は2日、米ウォールストリート・ジャーナル紙のインタビューで、「(経済は)回復しているが、ちょっと遅いので、ここであまりマイナス要因を作らない方がいい」「消費税(増税)を延ばした方がいいと思い始めた」と語った。山本氏は旧大蔵省出身だけに消費再増税にも前向きだったが、意見を変えたことが話題になった。
財務省出身の本田悦朗内閣官房参与も「今の日本経済に再増税はリスクが大きい。現時点では上げるべきではない」と慎重姿勢を示している。
前出の末延氏は、次のように指摘する。
「秋の政局の焦点は、景気動向を見ながら再増税するか、凍結するかになる。7〜9月のGDPを見ての最終判断となるが、天候不順などもあり芳しくない。安倍首相の腹の中は『財務省の思い通りにはさせない』だろう。当然、増税凍結もあり得る。増税凍結法案も念頭に置いているはずだ」
そして意外にも、谷垣氏の起用は増税凍結への布石とみる。
「谷垣氏を幹事長に起用することで『議論の土俵』ができた。谷垣氏は『増税派』だが、泥を被ることをいとわず“大人の相撲”が取れる人物。財務相経験者だけに、官邸が矢面に立つことなく財務省などとの緩衝的役割も果たせる。幹事長交代はそういう意味もあったのだろう」
末延氏は、安倍人事についてもこう評した。
「安倍首相は一度地獄を見て帰ってきてから、老かいになった。人事も情に流されず、クールにやっている。一部メディアが『谷垣幹事長=増税シフト』と報じているが、ためにする報道ではないか」
これに対し、元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏は「今回の人事には『増税について政治課題にはしない』という意図もうかがえる」と、違った分析をする。
高橋氏自身は「経済に悪影響を与える10%への増税をやるべきではない」という持論だが、安倍首相が政治判断として“次善の策”も選択肢に入れているとみている。
つまり、「法律で決まっている増税を凍結するには、党内や財務省の猛反発も予想され、大きなエネルギーを要する。そこで、3党合意に基づく消費税や社会保障改革の議論は幹事長の谷垣氏に任せて、政府は増税の悪影響を打ち消す大規模な景気対策を打ち出すことで、文句を言わせないという手もあり得る」という見立てだ。
具体策として、高橋氏は「柱の1つが10兆円規模の財政政策。現金給付に加え、地方の公共事業もやれば、(国土強靱化を推進する)総務会長の二階俊博氏の顔も立つ。もう1つの柱は、日銀の追加金融緩和だ」と語る。
いずれにせよ、再増税問題のキーマンとなる谷垣氏は「大事なことは、党内議論はするが、安倍首相の下、最後は一致結束する体制をつくることだ」と強調している。
その動向が日本経済の今後を大きく左右することになりそうだ。
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