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2014年09月05日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三首相が9月3日に行った内閣改造・自民党役員人事について、米国オバマ政権が、表向き「歓迎する。地域・世界の幅広い課題をめぐる日米の緊密な協力がさらに深まることを期待している」「日米間の強力で建設的な関係は(アジア太平洋地域の)平和と安定にとって重要だ」と一応評価し、期待をかけている。
時事通信jijicomは9月4日午前7時30分、「内閣改造・党役員人事を歓迎=『協力深化に期待』―米」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「【ワシントン時事】米国務省のサキ報道官は3日、安倍晋三首相が同日行った内閣改造・自民党役員人事について『歓迎する。地域・世界の幅広い課題をめぐる日米の緊密な協力がさらに深まることを期待している』と語った。『日米間の強力で建設的な関係は(アジア太平洋地域の)平和と安定にとって重要だ』と指摘した。マイケル・グリーン元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長も3日、ワシントン市内で記者団の質問に答え『内閣と党の顔触れを見れば、政治的・イデオロギー的なバランスが取れている』と分析。『短期的な人気取りのための内閣ではなく、長期的な統治のための内閣だ』と述べ、安定政権が続くことに期待を表明した」
ただし、マイケル・グリーン元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長のコメントは、安倍晋三首相への単なるリップサービスにすぎないことを忘れてはならない。
◆これに対して、マスメディアのなかで、有力紙であるウォールストリートジャーナルが、社説で酷評している。詳細は【参考引用】を参照されたい。
これは、「ジャパンハンドラーズ」(日本操縦者)であるリチャード・アーミテージ(アーミテージ・インターナショナル会長、元米国務副長官=ブッシュ政権1期目)▽マイケル・グリーン(戦略国際問題研究所=CSIS=上級副所長〔アジア〕兼ジャパンチェア)▽ジョセフ・ナイ(ハーバード大学ケネディ・スクール教授)▽ジョン・ハムレ(戦略国際問題研究所=CSIS=所長)▽アーロン・フリードバーグ(プリンストン大学教授)▽デニス・ブレア(笹川平和財団米国会長)が、予告していた通り、「安倍晋三首相イジメ」が、本当に始まったことを意味している。
◆ウォールストリートジャーナルの「社説」の要点は、次の通りである。
@約束された「第3の矢」、つまり構造改革が近く果敢に実施されると示唆するには十分ではない。
A内閣改造そのものは遅きに失した感がある。安倍氏の経済政策が看板通りの成果を発揮できず、同氏への支持率が低下し続けていたからだ。
B安倍氏が谷垣禎一氏を与党・自民党幹事長に起用したのは悪い兆候だ。谷垣氏の起用は、来年の消費税再引き上げを安倍首相が意図していることを示唆している。
C主要な経済閣僚が留任しており、破局回避に必要な最低限度の改革を進めるだけという安倍政権の傾向がそのまま続くだろう。
D日本経済が停滞し続けている中で、安倍氏に緊急感が欠落しているかにみえるのは、困ったことなのだ。
このウォールストリートジャーナルが社説で「安倍氏に緊急感が欠落しているかにみえるのは、困ったことなのだ」と言っているのは、「ジャパンハンドラーズ」が、「日本のロイヤルファンドの産む富の分配を安倍晋三首相が邪魔しているのではないか」という苛立っているのを代弁していることを暗示している。要するに「早くカネを配れ」というメッセージである。分配を遅らせていると、「安倍晋三首相イジメ」はいつまでも続く。最後には、潰される。
【参考引用】ウォールストリートジャーナルが9月4日午後0時3分、「【社説】安倍首相のささやかな内閣改造―改革は依然として限定」という見出しをつけて、以下のように配信した。
安倍晋三首相が3日発表した内閣改造は、一般国民や市場から前向きの反応を受けた。主要ポストに幾人かの改革論者の起用を決定した首相の決定は、確かに前向きだ。しかし、これらの変更は、約束された「第3の矢」、つまり構造改革が近く果敢に実施されると示唆するには十分ではない。
朗報は、塩崎恭久氏が厚生労働相になることだ。塩崎氏は既に、現在進められている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の再編に向けて一定の役割を発揮してきた。また、日本の持続不可能なエンタイトルメントプログラム(社会保障制度など既得権益プログラム)の一層広範な改革を支持し、給付削減や拠出金引き上げを提唱している。同氏は、労働市場の柔軟化のための規制撤廃を強く支持するかもしれない。
西川公也氏の農林水産相就任も、環太平洋連携協定(TPP)の自由貿易交渉にとって良いニュースのはずだ。西川氏はTPPの党対策委員長として活躍してきた。このため農水相就任によって、TPP交渉の最終段階を指揮できるかもしれない。
内閣改造そのものは遅きに失した感がある。安倍氏の経済政策が看板通りの成果を発揮できず、同氏への支持率が低下し続けていたからだ。先月発表の統計によると、第2四半期(4−6月)の経済成長率は年率で6.8%マイナスとなった。4月に実施された消費税引き上げに伴う予想された打撃を上回る落ち込みだった。実質賃金は毎年約3%低下しており、可処分所得は6%低下している。
日銀による量的緩和の拡大は、安倍氏が期待していたほどに経済的な救いをもたらさなかった。物価はわずかに上昇したが、2015年に2%にするとの目標到達軌道に乗るには不十分だ。円安になっても、日本の製造業界は競争力が低下し続けており、生産拠点を海外に移している。
安倍氏が谷垣禎一氏を与党・自民党幹事長に起用したのは悪い兆候だ。谷垣氏は、消費税率の2段階引き上げの構築者(野党時代に自民党総裁として民主、公明両党と3党合意した)である。このため谷垣氏の起用は、来年の消費税再引き上げを安倍首相が意図していることを示唆している。
今回の内閣改造は、安倍氏に悪いニュースから一息つかせ、一般国民のムードを押し上げる効果があるかもしれない。しかし、主要な経済閣僚が留任しており、破局回避に必要な最低限度の改革を進めるだけという安倍政権の傾向がそのまま続くだろう。日本経済が停滞し続けている中で、安倍氏に緊急感が欠落しているかにみえるのは、困ったことなのだ。
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