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第2次安倍改造内閣と自民党役員の面々/(C)日刊ゲンダイ
「お友達内閣」先鋭化 安倍改造内閣党三役の惨憺たる顔ぶれ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153078
2014年9月3日 日刊ゲンダイ
安倍首相が3日、内閣改造と自民党の役員人事を行った。安倍首相は「日本を取り戻す戦いの第2章」と大仰な言い回しを繰り返したが、一体、何のための改造なのか。閣僚や党三役の顔ぶれを眺めると、あらためてそれを問いたくなる。
まず、留任大臣の多さだ。官房長官、財務、外務、文科、国交、経済再生と主要閣僚が軒並み続投。経済や外交がメタメタなのに、麻生太郎財務相(73)や甘利明経済再生相(65)ら無能な経済閣僚や外交オンチの岸田文雄外務相(57)をなぜ交代させないのか。
アベノミクスのメッキが剥がれたうえ、4月の消費税増税で経済指標はボロボロ。景気後退がハッキリしてきた。2日に発表された8月の国内新車販売台数は、前年同月比9.1%減という大幅マイナスだった。こうした経済悪化の兆候はもうずっと前から出ていたのに、「緩やかな景気回復が進む」と能天気に言い続けてきたのが甘利経済再生相だ。麻生財務相は麻生財務相で、来年10月からの消費税10%を「予定通り」と繰り返し、財務官僚の代弁者をやっている。この2人が留任では、この国の景気が上向くことはない。
「アベノミクスの取り巻きの内閣参与・本田悦朗静岡県立大教授や、指南役とされた山本幸三衆院議員までもが、<消費税増税10%は17年4月まで延ばした方がいい>と言い始めました。彼らが変心せざるを得ないほど、経済状況は悪い。アベノミクスの本質が問われている大事な時期に、いままでと同じメンバーを選ぶとは、何のための改造なのですか。無策としか言いようがありません」(経済評論家・斎藤満氏)
■お飾りと安倍シンパがズラリ
岸田外務相も最悪だ。安倍首相の“圧力外交”のせいで冷え込んだ中韓との関係を修復する力量もなく、漫然と外相のイスに座っている。外務省は早々と安倍首相に岸田外務相留任を求めたとされるが、「何でも言いなりで使い勝手がいいから」(外務省関係者)というのが理由だ。揺れるウクライナ情勢など、米露のはざまでますますタフな外交交渉が求められるのに、お飾りみたいな大臣ではどうしようもない。
その一方で、新任閣僚や新任党幹部には、お友達がズラリだ。それも、政調会長の稲田朋美氏(55)を筆頭に、戦後レジーム修正主義のウルトラ右翼を中枢に起用し、これまで以上にその路線を突き進む。
安倍首相ベッタリの高市早苗氏(53)は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の主要メンバーとして毎年8月15日に靖国で拝んでいる。そのうえ、政府がすでに見直さないと決めている河野談話について「来年(戦後70年)、安倍晋三首相が何らかの談話を出す。その内容に大いに期待している」と修正を求めるような発言をテレビでした。
拉致担当に起用される山谷えり子氏(63)は最近、安倍首相の母親・洋子さんと一緒にモンゴルへ行き、安倍家の覚えがめでたい。稲田氏や高市氏と同じく靖国参拝を是とし、尖閣や竹島問題に取り組む領土議連の会長を務めるタカ派だ。
英エコノミスト誌は<右派が入閣すれば、近隣諸国との関係が悪化する>と警告したが、その懸念がズバリ的中という陣容なのである。
「安倍首相は自分に忠実な人間ばかりを集めた。政調会長だった高市氏を閣僚にし、大臣だった稲田氏を政調会長にすることで2人を残したわけですが、彼女らに加え、山谷氏は自民党の中でも群を抜く極右ですよ。中韓をますます挑発することになるのは間違いないし、彼女たちは安倍首相を喜ばせるためなら、何でもするでしょう」(政治評論家・森田実氏)
松島みどり氏(58)と有村治子氏(43)にしても、安倍シンパの“操り人形”だ。女性の積極活用の数合わせで起用された。小泉内閣と同数の「女性大臣5人」を華々しくPRしたいだけである。
「8年前の第1次安倍内閣であれだけ批判されたにもかかわらず、今回はさらに『お友達内閣』が先鋭化しました。女性の登用にしても、優秀な人材がいるわけでもなく、結局、“好き嫌い”で選んだ印象です。安倍首相のやりたい放題がさらに加速しそうです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
お友達といえば、第1次内閣で官房長官だった塩崎恭久氏(63)も再入閣する。これまで党の政調会長代理として政策面で首相を支えてきた“ご褒美”らしいが、前回、官僚と敵対するなど官邸崩壊を招いたA級戦犯を再び起用するとは…。
安倍首相も懲りない男である。
論功行賞と派閥推薦ばかり…新味ゼロで右傾化進む改造人事
その他の顔ぶれも新味ゼロというか、ひどいのばかりだ。というのも、残りは派閥のボスを味方につけるための人選がほとんどなのだ。
山口俊一氏(64)は当選8回なのにこれまで一度も入閣できなかった待機組の代表格。当選5回が適齢期といわれるのに、8回を数えるまで大臣になれなかったのは、それだけ能力が低いのか、身体検査に難アリということだ。安倍首相の後見役の麻生財務相の猛プッシュが効いたのは間違いない。
防衛・安保相に起用される江渡聡徳氏(58)は大島派の、農相の西川公也氏(71)は二階派のナンバー2の事務総長だ。そのうえ江渡氏は、第1次と第2次の両安倍内閣で防衛副大臣を務め、その後は衆院の安保委員長として安倍首相のタカ派路線を支えてきた。西川氏も安倍首相の意をくんで、TPP交渉で党内の反対派を強引に押し切った。いずれも論功行賞人事である。
■竹下復興相は小渕経産相とセット入閣
復興相の竹下亘氏(67)は額賀派の推薦一番手だった。派閥は安倍首相が起用にこだわった小渕優子氏(40)と“セット入閣”を要求。安倍首相がそれに従ったことになるが、つくづく被災地も軽んじられたものだ。
「派閥をバカにしながら、そのくせ<爺さんたちがうるさいから>とばかりに推薦や要望をのむ。その目的は、祖父・岸信介の遺志を継いで右傾化を進めるために、<好きなことをやらせて下さい>というバーターです。改造は国民のためでも何でもない。ここまで心沈むような人事も珍しい」(山田厚俊氏=前出)
結局、安倍首相の改造の理由はハッキリしている。派閥領袖の谷垣禎一氏(69)や二階俊博氏(75)を党三役にしたのもそうだが、支持率が低下するなかで、自分の求心力を維持したいだけなのだ。
「そして、来年の総裁選で再選されるために、ライバルの石破氏を幹事長から外し、排除するための改造でもあります。一度は拳を振り上げた石破氏がコケ、入閣したことは<もう弓は引きません>という敗北宣言ですよ。派閥領袖も取り込み、これで安倍首相は怖いものなし。これまで以上に思い通りやるでしょうね」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
こうして安倍首相は長期政権を目指す。そこには、国民のため、経済のため、外交のためという発想はどこにもない。無意味な改造でハシャいでいるのは安倍首相のお友達だけである。
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