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田原総一朗:ジリ貧になる前に「衆院解散」も、その真の狙いは何か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140903-00000000-fukkou-bus_all
nikkei BPnet 9月3日(水)0時19分配信
日本経済新聞8月31日付の朝刊に、編集委員の滝田洋一さんが「景気に『まさか』の下振れ 政策の出番、いま一度」という記事を書いている。景気には上り坂、下り坂、そして「まさか」の3つの坂があるという。消費増税後の日本経済は「まさか」の下振れを起こしていて、まさかこうなるとは思わなかった状況というのだ。
■それでも政府は「想定内」と言う
8月29日金曜(25時25分〜)に放映した「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系)では、「激論! アベノミクスと日本人の幸せ」と題して日本経済の問題を議論したが、慶応義塾大学教授の竹中平蔵さんが「消費増税による影響は想定以上に深刻。消費増税は失敗だった」とはっきり述べていた。
今年4〜6月期の国内総生産(GDP)は実質でマイナス6.8%(年率換算)となった。かなり大きなマイナスなのだが、それでも甘利明経済再生担当相は9月1日の閣議後会見で、「今のところは想定内で推移している。7〜9月にしっかりした回復基調に乗ることが大事」と述べた。この「想定内」という言葉に納得できる人はどれだけいるだろうか。
すでに7〜9月期も7、8月が過ぎ、9月に入ったにも関わらず、状況はよくない。7月の鉱工業生産指数速報は前月比0.2%の上昇にとどまり、事前予測の2.5%を大きく下回った。消費増税の影響が響いていると思われる自動車など耐久消費財の生産はいまだに上向かない。
■今と似たような状況がかつてあった
広島の大規模な土砂災害に象徴されるように集中豪雨や台風による今夏の天候不順も、消費の回復を遅らせ、日本経済を下振れさせる原因になっている。今夏は週末になると雨の降ることが多かった。
これと似たような状況が以前にもあった。橋本龍太郎さんが総理大臣だった1997年4月、財政再建が必要だとして村山内閣で内定していた消費増税を実施し、税率を3%から5%に引き上げた。ところが、その夏も天候不順に見舞われ週末になると雨が降り、消費が落ち込んだ。
当時、金融不安がくすぶるなか、消費増税後に景気が低迷し、失業率も悪化した。大幅な恒久減税を要求する野党に対して、橋本首相ら政府の発言は迷走し、98年7月の参院選で自民党は当初予想の70議席獲得を大きく下回る44議席で惨敗した。橋本さんは参院選後の7月末に首相を辞任した。
のちに橋本さんは消費増税についてこう語っている。
「財政の健全化を急ぐあまりに、財政再建のタイミングを早まったことが原因となって経済低迷をもたらしたことは、心からお詫びいたします」
今回の消費増税前、その是非をめぐって1997年の増税がよく引き合いに出された。当時はバブル崩壊後の不良債権が積み上がったままで企業も家計もバランスシートが痛んでいた。その問題がない今回は大丈夫、そういう意見が少なくなかった。しかし、やはり景気は大幅に下振れしてしまったのである。
■身動きがとれなくなる前に「衆院解散」
おそらく政府は景気対策として相当規模の補正予算を考えているだろう。しかし、補正予算を組んだとしても人手不足が深刻で肝心の事業を実行に移せない恐れがある。これも「まさか」の事態である。
7〜9月期のGDPが大幅に改善するとは思われない状況で、2015年10月に予定されている消費税率10%への引き上げはどうなるのか。今の“空気”ではおそらく引き上げ反対や先延ばしの意見がこれから増えるだろう。
今年12月に安倍晋三首相が引き上げの是非を最終判断する方針だが、消費税率10%への引き上げは既定路線と言ってもいい。もし引き上げを凍結するのであれば新たな法案を国会で成立させる必要があるが、これには大変なエネルギーが必要になり現実的には不可能に近い。
では、安倍首相はどうするか。ここに来て事情通の間で言われ始めているのが「衆院解散」説である。
第2次安倍内閣が発足してから、内閣支持率は日経平均株価に連動するかのような動きを見せてきた。もし今後、景気後退がはっきりとしてくれば内閣支持率は大幅に下がるだろう。ジリ貧になって身動きがとれなくなる前に衆院解散に打って出て、態勢を立て直し、長期政権を目指すというのは一つの手だ。
■「集団的自衛権隠し、沖縄問題隠し、原発再稼動隠し」
9月2日午前の日経平均株価は円安を受けて1万5676円まで伸びた。しかし、このところの株価は1万5400円前後を行ったり来たりで、この水準を来年まで維持できる自信は実は安倍内閣にはないだろう。
政府は来年度から法人税減税を実施したり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用改革で日本株買い増しの意向を示したりして、なんとか株価上昇への期待を寄せている。もし株価が1万6000円を突破することになれば、アベノミクスの成果を問う衆院解散はありえる。
もう一つ、北朝鮮による拉致問題。拉致被害者ら日本人の安否をめぐる再調査結果について9月第2週をめどに第1弾の報告を北朝鮮側から受ける方向で政府は調整しているとされる。日本に帰国させる生存者のリストが再び提示されるのか。それが何人になるのか。その内容次第では安倍首相が訪朝する可能性もある。
株価が1万6000円を上回り、拉致被害者問題でサプライズを起こせれば、安倍首相はタイミングを見て衆院を解散するだろう。今解散すれば選挙対策がまったくできていない野党は負け、自民党が議席を増やす可能性がある。
自民党の議席が増えれば、来年の通常国会での集団的自衛権関連法案の審議、沖縄の米軍普天間基地移設問題、原発再稼動を進めるのに有利になる。言ってみれば、「集団的自衛権隠し、沖縄問題隠し、原発再稼動隠し」の衆院解散である。9月3日の内閣改造・党役員人事に、安倍首相の狙いがどう込められるか、注目される。
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