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ハリボテ経済政策/日刊ゲンダイ
英紙が酷評…国内メディアが伝えない「アベノミクスの正体」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153029
2014年9月1日 日刊ゲンダイ
日本の大新聞より海外メディアのほうが、よっぽどアベノミクスの正体を見抜いている。英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は8月28日、29日と立て続けにアベノミクスへの疑問を報じた。
28日は、安倍首相は経済政策で掲げた構造改革の約束を果たしていないとし、「未来につながる政策より、軍事的な復活に強い関心があり、真の改革者ではなかった」と断じた。
29日は社説で追い打ちである。「アベノミクスは危うい」と言い切り、「安倍首相は平和憲法の解釈を変更するなど政治的な取り組みではなく、経済政策に集中すべき。大胆な政策に自分の名前を付けた人物に、寄り道している余裕などはないはずだ」と切り捨てた。経済政策に自分の名前を付ける神経を皮肉ったもので、世界が安倍首相をどう見ているかがよくわかる。
海外投資家の動向に詳しい投資顧問会社エフピーネットの松島修代表が言う。
「海外のファンドマネジャーたちは、アベノミクスの本質をとっくに見極めています。3本の矢といっておきながら、放たれたのは1本目の金融緩和策だけです。ここへきて海外メディアもアベノミクスはハリボテだと気づき、報じ始めたのでしょう」
■消費増税延期を提言
FT紙は、日本の経済指標を分析して記事をつくっている。4−6月期のGDPが6・8%のマイナス成長に陥ったことや、鉱工業生産(6月)が前月比3・3%減だったこと、サラリーマン給与総額(5月)の3・8%下落も見逃していない。
こうした落ち込みを踏まえ、FT紙は3つの提言をした。さらなる金融緩和と、労働市場の改革、そして消費税増税(10%への引き上げ)の延期だ。
「遅々として進まない成長戦略に嫌気が差しているのでしょう。本丸の規制改革は進展せず、海外勢の求める市場開放は宙に浮いたままです。FT紙の苦言は的を射ていると思います」(IMSアセットマネジメントの清水秀和代表)
市場や海外メディアがアベノミクスのウソに怒りを爆発させているのに、国内の大メディアは真実を伝えないどころか、「リニア9月中に着工」とか「カジノ解禁」などの官邸リーク情報をタレ流し、株価操作の“共犯者”になっている。
ちなみにFT紙は1面を使って安倍首相批判を展開したことを付け加えておく。
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