戦後復興した日本は，後世にのこしうる価値のある，企業や個人には大切な仕事があった。それは社会保障で福祉国家づくりであった。欧米の人々は日本の企業の社会保障と福祉国家づくりへの事業に絶賛していた。これは社会主義共産国に対抗するための厚生福祉で，共産国の滅亡で低迷してしまった。

ところが二つの勢力が急速に変容し，一つのグループは社会保障と福祉の社会病理をデッチ上げ，社会保障や福祉は悪で近ずくなと説いた。従属主義者と既存の資本主義体制を墨守しようとする保守的・反動的なグルーブで，彼らは歴史の進展の針を止める時代錯誤の考えが社会を攪乱させた。北欧はフリーセックスの国家で社会保障を発展させると経済は低迷すると説いた。

もう一つは，革命を待望したグループである。日本を混乱させ，弱肉強食による混乱と貧困と恐怖とを自らの手で作り出そうと，すべての社会保障や福祉政策に反対し，社会保障は，国家独占資本主義であって，悪の権化であると非難した。金持ち優遇，弱者切り捨て政策である。米従属主義だが，モノづくりは排除してもよろしい，モノづくりは後進国にやらせ，ねずみ講金融工学によってサービス業中心の米国のようになることだと説いた。

これら二つのグループが，アベック競争で，日本の天下国家の足を引っ張ったいえる。そして彼らは，従属主義でない者は排除してきた。しかも日本経済を大きく発展させるためには，補助金・ばら撒きと説いた。そのためにあぐらをかく企業が多数派となり，現状維持が多数派となった。二番煎じで何が悪いという政治家まで現れた。

こうして国民はデタラメな政治家と役人を造り上げてきた。指導者の多くは，大衆とは愚かなもので，悪法であることに気づかない，だから，自分たち政治家が抵抗して悪法を役人に押しつける。大衆に我々政治家が教えているのだとうそぶく。

大衆は愚かで，自分たち政治家や役人は，特別に聡明であるというのは，最も愚かなことの証拠になる。人生の経験がゆたかで，聡明な人ほど，人生において「正しい」と判断することの感じるものである。

独断と独裁を排し，民主的な少数意見の尊重と多数決原理を，心からねがうものである。