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内閣改造後の安倍政権はどうなるのか(Natsuki Sakai/アフロ)
安倍政権の「地方創生」という、怪しい政策 補助金のばらまきは、ロクな結果を生まない
http://toyokeizai.net/articles/-/46609
2014年08月29日 ぐっちーさん :投資銀行家 東洋経済
前回のコラム「やっぱり、アベノミクスは蜃気楼?」でも書きましたし、著書でも指摘している通り、ワタクシは「消費税の影響がない」なんていうのは、欺瞞以外の何物でもないと考えています。GDPの60%を消費が占めているのに、財務官僚の言うがままに「影響がない」と言い続ける政治家は算数もできないのか、と思わざるを得ません。
■安倍政権は、実は消費増税を深刻視している
前回のお話に加えて、今度は4〜6月期のGDPがついにマイナス6.8%(年率)となり、これも震災のあった2011年1〜3月期に匹敵する数字となり、これにはさすがの官制エコノミストも声を失いました。それでも「7〜9月期は、消費税の反動減で景気は上向く」などとコメントしている人がいるので、言葉を失います。一体なんの根拠があって、そんなことが言えるのでしょう?
白物家電の国内総売り上げは、前年同月比でマイナス15.9%です。天候の影響だとか新聞には書かれているのですが、一体どんな天候が影響したと言うのでしょうか?相変わらず熱中症になるほどの暑さが続いていたわけですから、何を持って天候要因と言っているのか意味不明です。ちなみに、この15%以上の下げ幅は2年8か月ぶりなのです。
年末にかけては、2015年10月の消費税増税が視野に入り、経営者はそれを踏まえて経営戦略を練るので、設備投資など増やすはずがないのです。唯一公共投資だけは相変わらずばらまきが続きそうですが、それにしても効果のほどはこれまでと同様、それほど大きなものにはなりませんし、大体この期に及んで公共投資をばらまいている時点で消費増税の影響が実は大きいことを本人たちは認識している、と考えざるを得ません。
さらにばらまきついでに、来年の統一地方選挙をめがけて、地方創生というお題目で補助金をばらまくことが決定しています。補助金ゼロ、で岩手県紫波町に公民連携のプロジェクトを成功させているワタクシとしては、これは黙っていられません。
■補助金でできているものに、ロクなものはない
地方に補助金をばらまいてできるものはロクなものはありません。最初から採算を度外視して補助金を満額で使うシステムですから、できるだけ節約してよい建物を建てようなどという考えは毛頭ありません。
その建物の運営で黒字になろうが、赤字になろうが関係ない、というスタートをするわけです。民間でそんなものを作ったら赤字になり、会社が倒産してしまいますので、これは補助金システムが生む弊害以外何物でもありません。
そして、実は建物とういものはコストのうち建設費そのものは18%程度を占めるのみで、残りの80%近くは維持管理費となることを忘れてはいけません。その維持管理費は地元の税金で賄う事になり、日本全国の地方自治体の財政が倒産状況になっているのは平成8〜9年に作った大柄なハコモノの維持管理費が賄えないのがその原因になっているのです。
苦しいのでさらに、それに政府資金を追加投資をする、という悪循環が今回の政策で、そんなことをすれば今度こそ地方自治体は財政破綻まっしぐらになってしまいます。
そこにもってきて、さらに筋の悪い話が出てきました。増田寛也元総務相を座長とする「日本創生会議」による提言なのですが、ご著書などを抜粋して紹介しますと・・・。
「2040年に20〜39歳の女性人口が半分以下になる市区町村の割合が青森、岩手、秋田、山形、島根の5県で80%を超える。秋田県は、大潟村以外のすべての市町村が当てはまり、県庁所在地の秋田市も含まれる。さらに消滅する可能性がある523の自治体を「消滅可能性都市」と呼んでいて、人口が1万人を切ると、そこから一気に人口が減っていき、行政として機能の維持が困難になって、全国1800自治体の実に29.1%が、2040年には「消滅」してしまうおそれがある、とおっしゃているのです。
そして、それに対する処方箋と言うのが、東京への一極集中を分散させて、さらに「希望出生率」なる目標数値を設け、それを目指して「産めよ増やせよ」、という話だというのですから、心底呆れてしまいました。こんなくだらない提言に予算が付くという話になれば、それは世界の笑いものでしょうが、これが安倍政権の基本政策になるというのですから、世も末です。
■都市への一極集中は、世界的な現象
そもそも東京に一極集中するような都市化というのは世界的な現象で、日本特有のものではありません。文化の成熟度が高まれば高まるほど、その高い文化水準を求めて集まる者が増えて、それによる消費が社会を支えると言うのが現代経済学におけるABCのAです。だからこそ、財務省は消費税にこだわったわけです。その流れを断ち切って、30年来続いている都市流入と言う現象を、政府が一体どうやって止めると言うのか。強制移住でもすると言うのでしょうか?
現実的に考えていかないと、本当に基本的なインフラさえ提供できない都市だらけになってしまう。そんなことに時間を費やしていたら、地方自治体という行政区画は維持されますが、そこに住んでいる人はすべて見捨てられるという本末転倒なことになってしまうでしょう。
行政区画にとらわれずに、その地域の広域サービスを維持するという発想がなければ、何も解決しないのは明らかです。まして、希望出生率なる目標を掲げるなんて、それを掲げればみんながそれを達成するべく子供を産むと思っているのでしょうか? 出生率が低い原因は、所得が足りないからにすぎません。
十分な所得がないからこそ、子供を作るという選択に迷いがあるわけであって、他に原因はない。しかし、まさに子供を産む可能性のある若年層を直撃する消費税を10%まで増税するということまで決まってしまっているわけで、やっていることは、支離滅裂もいいところです。
もっとおかしいのは地方人口を増やす起爆剤として、様々な技術や知識を有するいわゆる「高度人材」の海外からの受け入れを推進するというのですが、こんな人材は、それこそ世界中で奪い合いになっています。日本の若者でさえ見捨てる地方都市に、一体どうしたらこういう人材が来ると言えるのか?その妙な自信が意味不明です。むしろ日本人の高度人材が更に日本から流出する危機があり、それを引き留めるのかどうかの方が、はるかに優先順位が高い問題のように思えます。
政府の累積赤字が1000兆円を超えるか否か、と言い、「税と社会保障の一体化」といいつつ消費税を上げ、それをこういう意味不明の無駄なばらまきに投入する政府にそろそろ「NO!」を突き付けねばなりません。納税者として行動を起こす時ではないでしょうか。
すでに9月を迎えようとしており、競馬の方も、秋のクラシックに向かってさらなる楽しみが増える時期となりました。
■キーンランドカップは、レッドオーヴァルで
札幌では前哨戦が繰り広げられており、週末は「キーンランドカップ」(8月31日、1200メートル戦、G3)であります。注目は昨年の桜花賞2着のレッドオーヴァル(4歳)。大器の掛け声もあり、どれだけ成長したのか、注目したいと思います。すでに前哨戦では馬なりで「1馬身半差」をつけて、余裕のゴールだったので、これは楽しみです。
7月中京で骨折した武豊ジョッキーの復帰戦もあり、このレースではスマートオリオンに騎乗。やはり、これも注目しておきたいと思います。
一方、24日の札幌記念で見事勝利を収めた桜花賞馬ハープスターは、10月にフランスのロンシャン競馬場で開催される世界最高峰のレース、凱旋門賞に行くようですが、さて悲願達成なるか!
年末に向けて、今年の競馬もかなり盛り上がりを見せそうです。
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