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石破茂氏、閣外へ (古村治彦の酔生夢死日記)
http://www.asyura2.com/14/senkyo170/msg/538.html
投稿者 五月晴郎 日時 2014 年 8 月 29 日 03:42:52: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://suinikki.blog.jp/archives/11918666.html

2014年08月28日

 古村治彦です。今回は現在の政治状況について書きます。

 2014年9月3日に、第二次安倍内閣の内閣改造が予定されています。これに合わせて、自由民主党執行部の顔触れの変更も予定されています。夕刊紙などでは、60名の入閣適齢期の人々(大体5回当選以上の政治家)がいるが、大臣は18名分しかないので、悲喜こもごもの人間劇が展開されるだろうという予想を立てています。自民党は2009年から2012年まで野党でしたので、この期間に大臣になるべき人々が無役で過ごすことになり、2012年の総選挙で当選回数が1回ずつ加えられたことで、適齢期者が増えました。大臣適齢期という考え方が、いわゆる年功序列を基礎にしており、賛否両論ありますが、党の安定性(不満を抑える)を維持する上では重要な役割を果たしてきたと思います。

 今回の内閣改造で注目されているのは、現在、自民党幹事長を務めている石破茂氏の去就です。石破氏が幹事長を辞任し、新設される安全保障法制担当大臣に就任するのではないかと言われていましたが、石破氏は正式に辞退を安倍首相に伝えたようです。これによって、石破氏は幹事長を辞任し、主要な役職に就く可能性がかなり低くなりました。

 安倍首相と石破氏は、2012年の自民党総裁選で総裁の座を争った間柄です。共にタカ派的ですが、石破氏の方が論理的でかつ理性的である印象があります。元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、石破氏について、「靖国神社に参拝しないので総理大臣にふさわしくない」という発言をしていますが、このことだけでも、彼が安倍晋三氏などよりもずっと総理大臣にふさわしい人物だということが分かります。

 以下の新聞記事にあるように、石破氏は、唖然保障法制に関して、安倍首相とは考えの違いがあり、自分が安保法制担当相に就任すると、内閣不統一から安倍内閣に迷惑をかける可能性があると述べています。安倍首相は安保関連の各法を改定するという方式を採り、一方、石破氏はもっと包括的な法案通過を目指すという点で違いがあるようです。

 戦後政治史を見ていくと、重要人物が閣外に去ることは、反主流派に回り、倒閣運動を起こすということを意味してきました。ある派閥の領袖級が政権に参画しないとなると、その派閥の政治家たちは冷や飯食いとなって、大臣や当の重要役職に就けなくなります。こうしたことが自民党の内部闘争を生み出し、自民党にエネルギーを注入することになっていました。しかし、現在は派閥の力は弱まっています。石破氏が特定の派閥を率いているということはありません。

 石破氏は、2012年の自民党総裁選で、安倍氏と決選投票まで争い敗れました。1回目の投開票では、石破氏が199票(議員票:34、地方票:165票)、安倍氏が141票(議員票:54、地方票:87)でした。過半数が250票でしたので、国会議員による決選投票になり、安倍氏が108票、石破氏が89票で、安倍氏が自民党総裁になり、総選挙でも勝利し、第二次安倍晋三内閣を組織した訳です。この時の総裁選には、石原伸晃(父親の石原慎太郎に頼まれて森喜朗が支援)、町村信孝(安倍氏も所属する町村派の領袖)、林芳正(参議院議員初の総裁選立候補者で安倍氏と同じ山口県を地盤)といった人々も出馬し、石橋包囲網を形成していましたから、石破氏は不利な状況であったと言えます。

 この投票結果から分かることは、石破氏は自民党の国会議員たちには人気がないのかもしれませんが、党を支える地方組織の間では圧倒的な人気があることが証明されました。これは、地方組織という、有権者と直接対峙し、国民の生活をじかに目にする最前線では、安倍氏よりも石破氏の方が首相にふさわしいと判断されたということです。しかし、はっきり言って、劣化が著しい自民党議員たちからすれば、勇ましい掛け声の安倍氏の方が自分たちが担ぐのにふさわしいということになりました。結果として、総選挙は自民党が勝利したのですから、その判断は正しかったと言えますが、あの時の総選挙は誰が総裁でも勝利は確実でありました。

 安倍氏は首相に就任以来、日本の右傾化をそのまま象徴するような政策を次々と実行してきました。それに対して、懸念の声も上がっていますが、彼を止めるだけの力を持つ政治家や野党勢力は存在しないのが現状です。野党においても、安倍氏支援別働隊が過半を占めているのが現状であり、米政翼賛会体制が続いています。ここで、石破氏が閣外に去るということは、大変重要であると思います。

 戦時中の政治史に目を向けると、東条英機内閣瓦解の引き金を引いたのは、当時、小康大臣として入閣していた岸信介、そう、安倍晋三首相の祖父です。彼は反東条の立場を鮮明にしたことで、東条内閣は総辞職しました。また、岸は後に戦犯として逮捕されますが、この時の反東条の動きによって、彼は戦後においても政治的生命を保ったと言えます。

 石破氏が安倍内閣瓦解の引き金を引くのかどうか、大変に注目されるところですが、まさに「因果は巡る糸車、巡り巡って風車」ということが言えましょう。

(転載貼り付けはじめ)

●「石破茂幹事長「安倍さん、私にいい感情ないかも」 25日のラジオ番組から」

2014年8月27日 MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140827/stt14082706000002-n1.htm

 国の命運を担う政府や最大与党の自民党の人事異動はすごく大事だ。(安倍晋三首相から安全保障法制担当相の就任について)正式な依頼も受けていないのに、ああだのこうだのと無責任なことは言えない。

 首相と百パーセント考え方が一緒の人が(国会で)答弁するのが一番いい。(安保担当相が)「(首相と考え方が)違う」と言ったら国会は止まってしまう。憲法や外交の絡む安全保障については(首相との一致が)極めて大事だ。私も自分の考えを全部言っていたら(安保法制の)与党協議もまとまらなかった。自分の考えを全部抑えてやってきた。「安倍氏が総理総裁をやる以上支える」と言ってきたことに嘘はないし、これからも嘘は言わない。

 自民党が政権にあるのは野党だった時も歯を食いしばって支えてくれた地方組織のおかげだ。「地方(の選挙)できちんと勝てるようにして初めて政権奪還は完成する」と言ってきた。厳しいといわれる(福島、沖縄両県の)知事選も勝てるようにすることは私としてはやりたいことだ。

 総理総裁になることは手段であって目的ではない。自分よりふさわしい人がいたらその人を応援するのが当然だ。(来年の党総裁選への出馬は)その時の状況による。

 (首相との不仲説は、安倍第1次政権のときに)安倍さんは一回辞めたほうがいいと言ったりした。自分が一番苦しいときにそんなことを言った人間にはいい感情を持ってもらえないかもしれない。私は国会議員になってゴルフをしないようにしている。してもいいが(首相との間柄は)会って顔も見たくないというようなことはない。歴史上の人物で好きなのは(元外相の)小村寿太郎。明智光秀、石田三成も嫌いじゃない。

●「なぜ江渡氏? 首相、「石破系」排除を決断」

2014年8月26日 MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140826/plc14082605000004-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140826/plc14082605000004-n2.htm

 安倍晋三首相は、9月の内閣改造で新設する安全保障法制担当相に関し、自民党の石破茂幹事長が就任辞退の意向を明言したことから、「石破系」を排除する方針を決めた。その結果、浮上してきたのが江渡聡徳(えと・あきのり)衆院安全保障委員長だった。

 安保担当相をめぐり、石破氏は首相に対し、安保法制の与党協議で司会を務めた中谷元(げん)元防衛庁長官を内々に推薦していた。石破氏は周囲に、与党協議メンバーだった岩屋毅党安全保障調査会長も「有力候補」と語っていた。

 ただ中谷氏は、集団的自衛権の行使容認に関し、包括的な「国家安全保障基本法案」の制定を最優先すべきだとの立場で、石破氏と同じだ。

 首相は、基本法案については「国会審議に時間がかかりすぎる」として、自衛隊法の改正など個別法の整備を最優先に取り組むことにしている。

 石破氏は25日のTBSラジオの番組で、与党協議では「自分の考えを抑えてやってきた」と発言した。さらに、自らが安保担当相として答弁すると首相との見解の相違が表面化することを指摘した。

 このため首相は、中谷氏を安保担当相に起用しても「閣内不一致」が生じる危険を懸念したといえる。

 岩屋氏は、平成24年9月の自民党総裁選で、安倍首相の支援を決めた麻生派に所属しながら石破氏を支援した。首相とは当時の「見えざるしこり」(閣僚経験者)があり、首相は当初から岩屋氏の起用に慎重だったという。

 江渡氏は当選5回と中谷(8回)、岩屋(6回)両氏よりも当選回数では劣り、「党防衛族の中でもまだ若手」(自民党幹部)とされる。しかし、安倍政権で2度も防衛副大臣を務め、首相の安全保障政策を理解している。

 さらに、江渡氏は大島派に所属し、初当選直後から同派の前会長、高村正彦副総裁から安保政策の薫陶を受けてきた。高村氏は与党協議の座長を務め、首相の意をくむ形で公明党との調整にあたった。首相は、江渡氏であれば、公明党との調整に引き続きあたる高村氏と意思疎通が図りやすいとの判断もあったようだ。

(転載貼り付け終わり)


(終わり)

 

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コメント
 
01. 2014年8月29日 03:49:07 : r2hkpE6I9E
>しかし、はっきり言って、劣化が著しい自民党議員たちからすれば、勇ましい掛け声の安倍氏の方が自分たちが担ぐのにふさわしいということになりました。


『>アベノミクスとは「円の価値を自ら毀損する政策」 (記事)

 政治の本質は如何に民を食わせるかであり、「アベノミクス」が安倍政権の本質です。
 靖国は政治のプロトコールと民に思わせているものに過ぎず、上記本質を進行させるために使われているにすぎません。』
http://www.asyura2.com/14/senkyo170/msg/537.html#c1



02. 2014年8月29日 06:34:49 : mwFdAsX9cC
靖国は、国民を戦争に行かすため創設されたといっても過言でない。

お国のため、命を捧げた人を神として祀る。
安倍は、国は私だ!と言っているような政治家に命などあずけたくないわ。

国民は、買っても負けても戦争して良いことは何一つとしてない。
戦争屋は、勝てば喜ぶのだろうが負けれが、根こそぎはがされる。
太平洋戦争、いい経験をしたのに、またか、といった安倍ちゃんだ。
歴史の真実を知っていない代議士のように見える。

安倍が戦争するのだから、最前線で先頭に立って死になさい。
靖国に祀ってあげますよ、安倍ちゃん。

安倍に命を預ける国民はいない。
自衛隊員も然り。


03. 2014年8月29日 09:44:57 : ivOh1mHsOY
02 "靖国は、国民を戦争に行かすため創設されたといっても過言でない。"に同意。
"大村益次郎は、過去の戦いと共に将来の戦いを考慮して、東京招魂社をつくった"と書かれている。

04. 2014年8月29日 14:06:18 : l2u3Hf01aA
イシバは胆力が無いな。この戦い負けだよ。ボンボン。

[32削除理由]:多重投稿
05. 2014年8月29日 21:28:58 : RgzvCTPQ3c
続き。↑のサイトの8/29分の記事。

幹事長人事が焦点のようだ
http://suinikki.blog.jp/archives/2014-08-29.html



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