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2014年 08月 28日
昨日、朝日新聞がチョットしたスクープ記事を出した。(・・)
安倍首相が、今年4月に行なわれたA,B,C級戦犯の追悼法要に哀悼のメッセージをを送っていたというのである。(@@)
『安倍晋三首相が4月、A級、BC級戦犯として処刑された元日本軍人の追悼法要に自民党総裁名で哀悼メッセージを書面で送っていたことが朝日新聞の調べで分かった。連合国による裁判を「報復」と位置づけ、処刑された全員を「昭和殉難者」として慰霊する法要で、首相は「自らの魂を賭して祖国の礎となられた」と伝えていた。
メッセージを送ったのは高野山真言宗の奥の院(和歌山県高野町)にある「昭和殉難者法務死追悼碑」の法要。元将校らが立ち上げた「追悼碑を守る会」と、陸軍士官学校や防衛大のOBで作る「近畿偕行会」が共催で毎年春に営んでいる。
追悼碑は連合国による戦犯処罰を「歴史上世界に例を見ない過酷で報復的裁判」とし、戦犯の名誉回復と追悼を目的に1994年に建立。戦犯として処刑されたり、収容所内で病死や自殺をしたりした計約1180人の名前が刻まれている。靖国神社に合祀(ごうし)される東条英機元首相らA級戦犯14人も含む。(朝日新聞14年8月27日)』
この文の続きは非公開なので、特に気になった部分だけ載せておきたいのだけど。(他のブログや掲示板に載っていたのを拝借引用させていただくです。m(__)m)
『安倍首相は昨年と2004年の年次法要にも主催者側の依頼に応じ、自民党総裁、幹事長の役職名で書面を送付。昨年は「私たちにはご英霊を奉り、祖国の礎となられたお気持ちに想いを致す義務がある」「ご英霊に恥じることの無い、新しい日本の在り方を定めて参りたい」と伝えていた。
守る会などによると、安倍首相には地元国会議員の事務所を通じてメッセージを依頼した。首相経験者では森喜朗氏が首相退任後に一衆院議員の肩書で送付してきたが、ほかに例がない。今年は岸田文雄外相にも依頼したが、承諾を得られなかったという。
安倍首相の事務所は取材に「お答えするつもりはない」、自民党総裁室は「党としては関与していない」と答えた。(同上)』
<この記事を担当した記者の名が、何と「渡辺周」だったので、一瞬、「えっ?」と驚いてしまったです。(@@) (民主党の超保守系議員に「渡辺周」という名の人がいるので。^^;>
* * * * *
この件は、NHKや他の新聞社も後追い報道をした様子。菅官房長官は、「私人のメッセージだと思っている」との見解を述べたとのこと。「A級戦犯が有罪判決を受けたことは事実だ」「わが国は、東京裁判を受諾した」と政府の立場を説明したという。
『菅義偉官房長官は27日の記者会見で、安倍晋三首相が4月に、A級、BC級戦犯として処刑された元日本軍人の追悼法要に自民党総裁名で哀悼メッセージを書面で送っていたことについて、「自民党総裁名なので、内閣総理大臣ではなく、私人としてのメッセージだ。政府としてのコメントは控えたい」と述べた。
法要は連合国による裁判を「報復」と位置づけていた。これについて菅氏は「A級戦犯については、極東国際軍事裁判所において被告人が平和に対する罪を犯したとして有罪判決を受けたことは事実。我が国はサンフランシスコ平和(講和)条約で同裁判所の裁判を受諾した」と述べた。(朝日新聞14年8月27日)』
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安倍晋三氏が、このようなメッセージを送ること自体、何も驚くべきことではない。(~_~;)
安倍氏をはじめ超保守思想の持ち主の多くは、「東京裁判に正当性はない」「東京裁判は、戦勝国による日本への報復だ」と考えているからだ。(@@)
あの田母神俊雄氏もかねてより「戦勝国が敗戦国を裁く裁判だったから、敗戦国は戦勝国の都合いいように裁かれてしまった」「復讐劇だった」と主張していて。
近時のツイッターにも、「歴史は戦勝国が作ります。戦争に負けた日本は一時戦勝国アメリカの歴史観を強要されます。正義の国民主主義国家アメリカ、極悪非道の独裁国家日本という構図の歴史です。しかしそれは真実ではありません。日本は早く誇りある歴史を取り戻さなければいけません。日本は素晴らしい国なのです。」と書いていたし。
NHK経営委員の百田尚樹氏は、東京都知事選で田母神氏の応援演説を行なった際に「米軍による東京大空襲や原爆投下は大虐殺だ。東京裁判は大虐殺をごまかすための裁判だった」と主張。
これを不快に思った米国は、米大使館の報道官に「非常識だ。米政府は、責任ある地位にある人物が(アジア)地域の緊張をあおるような発言を控えるよう努めることを望む」とコメントを出させたほどだ。^^;
<今回は時間がないので、個々の発言は取り上げないけど。次世代代表の平沼赳夫氏ら、安倍氏と共に活動している超保守系の政治家も、同様の考えを主張しているです。(・・)>
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ただ、mewにとって驚くべきことは、安倍氏が日本の首相という立場であるにもかかわらず、国会などの公の場も含めて、同様の考えを主張してしまうことだろう。(-_-;)
実際、安倍氏は首相として出席した国会でも、前政権の06年10月には「国内法的にいわゆる戦争犯罪人ではない。遺族援護法等の給付の対象になっているし、いわゆるA級戦犯と言われた重光葵氏はその後勲一等を授与されている。犯罪人であればそうしたことは起こり得ない」と答弁。
また今政権では、13年2月に「先の大戦においての総括というのは、日本人自身の手によることではなくて、東京裁判という、言わば連合国側が勝者の判断によって、その断罪がなされたということなんだろうと思う」と。「国際情勢の中で開戦に至る過程ということにおいて、おそらく連合国に対して、ある種都合の悪い考え方についても議論がなされるのではないかということにおいて、そうした議論を封殺されたということではなかったのか」と主張している。(発言部分は、J−CASTニュース13年3月13日より)
(関連記事『図に乗る安倍が言いたい放題〜中国だけでなく、米国とも関係悪化のおそれhttp://mewrun7.exblog.jp/19935328/』)
それに、靖国神社への玉串料もそうだけど。自民党総裁という肩書きを使ったとしても、安倍氏が日本の首相であることに変わりはないし。一般的に、国内外の多くの人々は、今は首相としての発言、今は党総裁、今は私人としての発言として区別して見てはいないことを認識すべきだと思う。(・・)
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以前も少し書いたように、mewも東京裁判が公正な形で行なわれたとは決して思ってはいないし。特に海外でBC級戦犯を決めた裁判の中には、あまりに一方的でヒドイものがあったことを考えると、戦勝国の傲慢さや敗戦国の悲哀を感じずにはいられない部分もある。(-"-)
<つい最近でも、イラクでフセイン元大統領を被告として行なわれた特別法廷(04〜6年)も一方的な部分があったと言われていて。フセイン氏も「戦勝国による茶番劇だ」と非難していたのだけど。^^;
結局、戦争というのは、戦闘中はもちろん、事後の裁判や戦後の生活などなども含めて、人命や人権を軽んじる不正義で野蛮かつ残虐なものゆえ、決して行なってはいけないと思うです。(**)>
とはいえ、mewは、あの戦争が正当なものだったとも、当時の政府や軍のTOPに戦争責任がなかったとは思っていないし。
また、菅官房長官も語っていたように、日本は東京裁判を受諾し、刑執行を行なうことを明記したサンフランシスコ講和条約(11条)を締結していることから、日本の政府はその立場を踏襲する必要があるわけで。
安倍氏が首相として、東京裁判自体やその判決などに疑問や批判を呈することは、国内だけでなく米国や中韓、その他の国々から問題視される可能性が大きいのである。(-"-)
* * * * *
ちなみに超保守派の多くは、東京裁判に参加したインドのパール判事が、戦勝国主導の裁判を批判し、罪刑法定主義の観点から被告人全員の無罪を主張した意見書を出したことを高く評価しているのであるが・・・。
安倍首相は、昨年8月にインドを訪問した際に、わざわざそのパール判事の長男と面会する機会を設け、その業績を称えたとのこと。
産経新聞は、「首相には今回の面会を通じ、A級戦犯の合祀を理由に首相の靖国神社参拝を批判する中国とはまったく異なるインドの対応を際立たせることで、アジアには多様な歴史認識が存在することを浮き彫りにする狙いもあった」と記している。^^;
『インド訪問中の安倍晋三首相は23日午前(日本時間同日午後)、コルカタ市内のホテルで、極東国際軍事裁判(東京裁判)で判事を務めた故パール判事の長男、プロシャント・パール氏と面会し、東京裁判で被告全員の無罪を主張したパール判事の業績をたたえた。
パール判事は東京裁判に対する意見書で、戦勝国が事後法により敗戦国を裁くことに疑問を提起し、原爆投下を批判した人物。首相は冒頭、「お父さまは今でも多くの日本人の尊敬を集めている。日印関係の基礎を築かれた一人だ。パール判事のご遺志は日印関係を発展させることだったと思う。今日、日印関係は大変強化されている」と語りかけた。
プロシャント氏は、昭和41年に父親とともに日本を訪れ、安倍首相の祖父である岸信介元首相と面会したことに触れ「岸氏に会う機会を得てから長い期間が過ぎた」と振り返り、岸氏と一緒に収まったモノクロ写真を贈った。「安倍首相が、岸氏と同様に日印関係の発展に尽くされると確信している」と伝えると、首相も「関係発展に全力を尽くしたい」と応じた。
安倍首相は、東京裁判で有罪判決を受けたいわゆる「A級戦犯」について、国会答弁で「国内法的に、戦争犯罪人ではない」と明言している。首相には今回の面会を通じ、A級戦犯の合祀(ごうし)を理由に首相の靖国神社参拝を批判する中国とはまったく異なるインドの対応を際立たせることで、アジアには多様な歴史認識が存在することを浮き彫りにする狙いもあった。
首相は、先の大戦で日本とともに戦った「インド独立の英雄」であるチャンドラ・ボースの記念館なども視察した。(産経新聞13年8月23日)』
<ちなみに安倍首相の祖父である岸信介氏は、開戦時に東条英機内閣の重要閣僚だったことから、A級戦犯の容疑で3年半、拘束されていたのだが。即時停戦講和を求めて東条内閣を倒閣した功労者だったこと+αにより、不起訴のまま保釈されることに。公職追放となったものの、サンフランシスコ講和条約発効とともに解除され、政界に復帰し、首相になったです。>
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mewはいつも書くように、人それぞれ、色々な考え方があっていいと思っているし。(むしろみんなが同じ考えの方がアブナイと思うです。)
別にmewと考え方が異なるからと言って、安倍氏らのような超保守思想の持ち主を政界や社会から排除するつもりもないのだ。(~_~;)
<ただ、特に国政選挙においては、有権者には自分が投票する候補者が、どのような思想の持ち主なのかは知っておいて欲しいと思う。
mew周辺には、単に「XX党の人だから」とか、「景気回復や福祉のことを主張していたから」「若くて元気がありそうだから」などの理由で投票して、当選後に思想や主張を知り、「あんな極端な考えの人だと思わなかった」と嘆くケースが少なからずあるです。^^;>
それゆえ安倍氏が、ひとりの国民として、またひとりの議員として、個人的に何をどう考えようと、言おうと構わないのであるが・・・。
でも、これが一国の首相となると、話が違って来る。(・・)
ここ2日間の記事でも、首相の言動には国民や他国に対するメッセージ性があるという話を書いたのだけど。
現に日本の首相である安倍氏が、東京裁判を否定する言動を行なえば、他の国々の人からは、「日本の政府や国民全体も、東京裁判を否定している」「あの戦争を正当なものだと考えている」と受け取られるおそれがあるからだ。(-"-)
<日本は民主主義の国(のはず)なので、もし国内でこの発言が問題視されたり、批判されなかった場合には、他国から「日本の国民は、安倍氏が首相としてそのような言動をすることを認めて、支持をしているんだな」と思われても仕方ないんだよね。(>_<)>
* * * * *
安倍首相らの歴史認識に関してもそうだと思うし。安倍首相が海外でやたらアピールしまくっている「積極平和主義」や「集団的自衛権の行使」「中国脅威論」などなどもしかりで。
私たち国民は、もう少し首相や重要閣僚の思想や言動について関心を持つ必要があるのではないかと。そうしないと、国民の多数とは異なる考え、メッセージを他国の人々に与えてしまうことになりかねないのである。(-_-)
たとえば、安倍首相は終戦記念日の追悼式典の式辞で、歴代首相が語って来た「不戦の誓い」や「アジア諸国への加害責任、反省」などに触れずにいるのであるが。
それも、国民や他国の人々に「日本はもう不戦は考えていないのか」「加害責任はないと思っているのか」というメッセージを与えることになるし。
いわゆる慰安婦問題にしても、今月5日に朝日新聞が訂正記事を出したのをきっかけに、超保守派の政治家から、河野談話を撤回すべきだという主張が強まっているとのこと。<安倍氏が仲間たちと創設した「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」とかもね。(~_~;)>
昨日は、自民党の高市政調会長が菅官房長官に会い、党の要請として、新談話を発表するように求めたという記事も出ていたりして。^^;
菅官房長官は、新談話発表を否定したようなのだが。国連の人権委員会や米中韓などは、日本政府がこの件に関してどのような対応を行なうのか、注視していることだろう。(~_~;)
『菅義偉官房長官は26日、従軍慰安婦をめぐる1993年の「河野洋平官房長官談話」に代わる新たな長官談話を出すことについて「考えていない」と否定的な考えを示した。戦後70年を迎える来年に向け、新談話を出すよう申し入れた自民党の高市早苗政調会長に対し答えた。
高市氏は26日、首相官邸で菅氏に会い、河野談話に関する政府の検証結果や朝日新聞が従軍慰安婦問題に関する過去の記事を一部取り消したことを踏まえ、新談話を出すよう文書で求めた。菅氏は検証結果を公表した6月の記者会見で「河野談話を継承する政府の立場は変わらない」と述べている。(毎日新聞14年8月26日)』
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繰り返しになるが、もしこのまま安倍政権が続けば、日本国民の多数とは異なるメッセージがどんどんと発信されて行く可能性があるし。
また、もし安倍内閣が高い支持率を維持していれば、日本国民の多くは安倍首相の考えを支持しているのだと思われる(誤解される?)おそれが大きいわけで。
日本の国民は、自分の国の首相の思想や言動にもう少し関心を持って、もしそれが自分と異なるのであれば、しかるべき対応をして行くようにしないと、ふと気づいた時には、日本はとんでもアブナイ国になってしまう(orされてしまう?)のではないかと危惧しているmewなのだった。(@@)
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