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“謀反”に首相周辺激怒 「石破氏系」排除加速か 内閣改造・党役員人事
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140826/plt1408261820003-n1.htm
安倍晋三首相が、自民党の石破茂幹事長への不信感を強めている。9月初旬に行う内閣改造・党役員人事をめぐり、ラジオ番組で公然と、安全保障法制担当相の辞退と、幹事長続投を要求したからだ。首相(党総裁)の人事権を収奪するような言動は、政権に対する「謀反」といってもいい。安倍首相周辺は「石破氏は、第1次安倍内閣や麻生太郎内閣でも倒閣運動を仕掛けた前科がある」と激怒し、警戒を強めている。
「安全保障や地方創生など日本を取り戻す第2章が始まるので、人心を一新したい」
安倍首相は26日午前、自民党本部での役員会に出席し、9月3日に内閣改造を実施する考えを正式に伝えた。隣には石破氏が座っていたが、2人の間には微妙な空気が流れていた。
それもそのはず、石破氏は前日、前代未聞の行動に打って出ていた。
石破氏は25日午後、TBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」に出演し、安倍首相から打診された安保担当相について、「首相と考えが100%一緒の人が国会で答弁するのが、一番いい」と述べ、辞退する意向を明言した。さらに、「地方(の選挙)できちんと勝てるようにして初めて政権奪還が完成する」といい、幹事長続投まで希望したのだ。
先週末、新聞2紙が「石破氏、安保担当相を固辞」と報じたとき、安倍首相周辺は「条件闘争の情報戦ではないのか。側近が何度リークしても関係ない。石破氏が安倍首相と会ってどう語るかだ」と語っていた。
ところが、石破氏は安倍首相と会う前に、ラジオで公然と自身の人事について語ったわけだ。安保政策に対する違いから、自身が安保担当相として国会答弁に立てば、政策の違いを野党から追及され「国会が止まる」という懸念も披露していたが、官邸サイドはそう単純には受け止めない。
「石破氏が権力闘争を仕掛けてきた。企業の社長もそうだが、人事権こそが権力の源泉だ。役員や社員が『この仕事はやりたくないが、これはやりたい』などと言い出したら、組織は成り立たない。4〜6月のGDP速報値が悪化したことや、内閣支持率の低下を見て、安倍政権と距離を置くつもりだろう」(官邸周辺)
石破氏の背後には「反安倍」の長老数人がおり、「安保担当相を受けるな」「次の目(=総理総裁)がないぞ」と促していたとされる。長老の数人は「親中派」「親韓派」として知られる。
安倍首相はこのため、安保担当相に、元防衛副大臣の江渡聡徳(えと・あきのり)衆院安全保障委員長を起用することで調整している。防衛相との兼務も検討している。外相については、北朝鮮による拉致被害者らの調査や、年末の「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」再改定をにらみ、岸田文雄氏を留任させる方針だ。
このほかの人事でも、石破氏に近い「石破系」とされる議員を排除するか、数人を一本釣りすることも検討している。
そもそも、石破氏は集団的自衛権の行使容認の閣議決定への道筋を付けた与党協議のメンバーであり、安保政策の違いを持ち出すのはおかしい。また、少し前には石破氏周辺を通じて「どんなポストでも受ける」との意向が内々に伝えられていた。
「謀反」といえる石破氏の言動に、首相周辺では、石破氏の過去についても語られ始めた。
「石破氏は、第1次安倍内閣でも、党内から首相退陣を促した。麻生内閣では、現職の農水相だったのに『麻生降ろし』を念頭に置いた両院議員総会開催を呼び掛ける署名に応じた。安倍首相と麻生氏はこのことを忘れてはいない。自民党を捨てて出ていったこともある。政権復帰から1年8カ月、まだまだ仕事は山積しているのに、また党内混乱を引き起こす気なのか」(首相周辺)
実は、官邸では以前から、石破氏の幹事長としての手腕に不満を感じていた。衆院選や参院選、都知事選には勝ったが、「勝てる」としていた7月の滋賀県知事選を落とし、11月の沖縄県知事選の候補者調整も不調に終わったからだ。
今回の言動で、石破氏の幹事長留任もほぼなくなったといえる。ただ、来年秋の総裁選を考えると、安倍首相としては党内亀裂を放置することは得策ではない。安倍首相は「石破氏の乱」をどう鎮圧し、内閣や自民党を前進させていくのか。
[ZAKZAK(夕刊フジ) 2014/08/26]
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