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<石破氏>安保相辞退へ 首相と一蓮托生回避
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140823-00000003-mai-pol
毎日新聞 8月23日(土)2時31分配信
◇来秋、自民党総裁選への一歩に
自民党の石破茂幹事長が22日、安倍晋三首相の打診した安全保障法制担当相を辞退する意向を固めた。来年9月の自民党総裁選をにらみ、首相には「ポスト安倍」と目される石破氏を閣内に取り込む狙いもあっただけに、総裁再選の戦略も見直しを余儀なくされる。石破氏は無役になった場合、首相と距離を置き、党内や地方で足場固めを図るとみられ、9月の人事がそのまま党総裁選へ向けた「号砲」となりそうだ。【高橋恵子、村尾哲】
首相は2012年秋の総裁選で決選投票までもつれこんだ石破氏を、政権発足時にも幹事長として留任させた。党総裁の座をうかがう岸田文雄外相、林芳正農相、野田聖子総務会長らも政権幹部に起用。対抗勢力を事実上封じ込め、約1年半にわたり「首相に表立って逆らう人がいない」(自民党幹部)という「安倍1強」の党内基盤を保ってきた。
しかし、7月に閣議決定した集団的自衛権の行使容認後、内閣支持率は低下。滋賀県知事選で与党が敗北するなど、政権の勢いは変調の兆しがある。来春以降の安保法整備を巡る国会論戦も難航が予想され、首相は石破氏に担当相を打診。国会審議を乗り切るだけでなく、石破氏を野党や世論の批判の矢面に立たせ、改めて動きを封じる狙いも込められていた。
一方、石破氏は先の総裁選では、高い知名度を生かして地方票で1位を獲得。派閥に所属せず、首相に国会議員票の差で敗れたことを教訓に、自身に近い議員でつくる「無派閥連絡会」の派閥化を進める。石破氏側近は「首相と一蓮托生(いちれんたくしょう)になる安保担当相は絶対受けるべきでない」と強く反対している。
安倍政権は今秋以降、集団的自衛権以外にも▽消費税率10%への再引き上げの判断▽国内原発の再稼働▽米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設−−など、賛否が割れる懸案が山積する。石破氏側近は、あらかじめ首相と距離を取り、内閣支持率がさらに下がれば、石破氏が「ポスト安倍」の最右翼として浮上するとのシナリオを描く。
しかし、首相が今後、石破氏以外の各派閥と連携を強め、堅調な政権運営を続ける可能性はある。自民党幹部は「打診を断って首相の体面を傷つければ、石破氏の幹事長続投もあり得ない」と指摘。首相周辺は「無役になればメディアの露出も減る。『知名度が命』の石破氏は忘れられ、先細りするだけだ」と冷ややかだ。
ただ、石破氏が政権内から離れ、首相のライバルとしての姿勢を再び強めれば、首相官邸に与党が押さえ込まれる「政高党低」に一石を投じるのは間違いない。9月の内閣改造・党役員人事は首相と石破氏双方にとって、大きな賭けとなりそうだ。
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