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自民党“女たちの戦い”最前線、女性登用ノルマ3割の「9月内閣改造」で笑うのは?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140821-00034191-playboyz-pol
週プレNEWS 8月21日(木)6時0分配信
安倍政権が9月第1週に行なう内閣改造・自民党役員人事を控え、自民党女性議員たちの熾烈(しれつ)なレースが繰り広げられている。
彼女たちが色めき立つのは、安倍政権の成長戦略の中に「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を3割にする」という数値目標があるからだ。
内閣に近い、某省のキャリア官僚・S氏がこうささやく。
「霞が関では国家公務員法が改正され、5月30日に内閣人事局が発足。これによって国会よりもひと足先に、霞が関では女性比率を高める人事が吹き荒れています。幹部ポストの3割を女性にするのが目標ですが、そもそも女性が全体の3割もいないから、男性官僚の頭越しに女性官僚がポーンと飛び級することになります。表立ってモメることはありませんが、男たちの心中は穏やかではないです」
実際、7月4日には霞が関の幹部人事が行なわれ、9省庁の女性局長は4人に。女性幹部は従来の8人から一気に15人に増えている。
そして7月31日。安倍首相は訪問先のチリで「女性の活用は大きな課題だ」とあらためて表明。9月の内閣改造では、現在ふたりいる女性閣僚をさらに増やすことが確実視されている。
元大臣秘書官のO氏が解説する。
「国会議員の男女比は9対1くらいなのに、3割は女性を起用するという話ですからモメそうです。大臣ポストは現在18あり、その3割は5.4。だから女性大臣は5人にして党三役にも1人入れるなど、党のポストと併せて考えていくと思われます」
永田町の前例では、衆院なら当選5回以上、参院なら当選3回以上が「大臣適齢期」といわれている。自民党の女性国会議員は現在40人で、1回生を除けば23人。いったい誰がリードしているのだろうか?
前出のキャリア官僚・S氏が言う。
「内閣の内部や周辺を近くで見ていると、現在、特命大臣を務める稲田朋美さんは、大臣、もしかしたら党三役にも起用されそうな気配です。理由は“失点”が特にないことと、総理に好かれていること。歯向かってはいけないのは誰かとか、組織内で生き残る基本的な術(すべ)みたいなものを心得ていて、菅さんや麻生さんにも好かれています。しかも『国会公務員制度改革』という比較的重い法案を通す実績も挙げたので当確でしょう」
■リードしているのは小渕優子氏
もうひとりの現役女性大臣である森まさこ大臣はどうか。
「森さんは脱落しそうな気配です。重量級の法案である『特定秘密保護法』を通した実績はありますが、この法案を通すために必要以上の手間をかけてしまった。彼女は目立ちたがり屋でパフォーマンスが大好きなタイプですが、そういうタイプは周囲から嫌われる。特に彼女は、そのパフォーマンスが原因でマスコミが法案に食いつき、結果的に法案通過に必要以上のエネルギーが必要になった。もともとは地味にすんなり通るだろうといわれていた法案でしたから」(前出・S氏)
森大臣には、野田聖子総務会長も厳しい評価のようだ。
「特定秘密保護法案の際、森さんが党内に事前の根回しをしなかったために、自民党内でも意見が割れていることが世間に露呈したと、野田さんは断罪していた。つまり、『事務処理能力の低い人だ』という評価です」(前出・S氏)
さすがは当選7回、入閣経験3度の野田氏。当選1回(現在は当選2回)で入閣した森大臣とは格が違うって感じ?
それでは野田聖子氏と、政調会長の高市早苗氏はどうか。
「野田聖子さんは50:50の情勢でしょう。おそらく彼女自身もそう感じているようで、総務会長に就任したばかりの頃は尊大なコメントも散見されましたが、今は非常に慎重な物言いをなさっている」(S氏)
高市氏に関しては、自民党関係者・N氏がこう語る。
「高市さん自身、次はダメだと感じているようで、最近は『私は女性枠ではない』と発言している。彼女は、自分と違って重用される稲田さんに対する“ねたみそねみ”の感情がすさまじい。高市さんが国会内でものすごく殺気立った目つきで誰かをにらんでいると思って、視線の先をたどったら稲田さんだったなんてことが複数回ありました」
自民党の女性議員には、ほかにも大臣経験者がいる。例えば現在、自民党広報本部長を務める小池百合子議員(衆院当選7回、参院当選1回)。永田町取材歴の長いフォトジャーナリスト・堀田喬氏はこう語る。
「小池さんは有能だし、クールビズやハイブリッドカー、電気自動車、電柱地中化など目のつけどころはいい。だけど一番のネックは一昨年の自民党総裁選。小池さんは安倍の総裁選前の勉強会で音頭を取り、司会に三原じゅん子も連れていった。安倍さんも喜んでいたんだよ。
ところが、その後で石破茂さんが総裁選に名乗りを上げたら、小池は三原を連れてそっちに行ってしまった。『さすがは政界渡り鳥。機を見るに敏(びん)だ』と思ったけど、結果的に石破は負けちゃった。今は広報本部長として一生懸命やっているけど、政調会長や総務会長よりも格下。入閣したいだろうけど、小池さんは無派閥だし、難しいんじゃないかな。
それにしても、佐藤ゆかりとか片山さつきとか、旬が終わった政治家は話題にもならなくてかわいそうだな。政治家は、世間から気にされなくなったら終わりだよ」(堀田氏)
形勢不利でも、話題に上がるだけマシってことか……。
こうしたなか、争いとは無縁で「女性登用枠」をゲットしそうな議員もいるらしい。
「小渕優子さんは重用される可能性が高いです。安倍さんの大好きなタイプだから。軽くて浅くて、頭も良くはなく、爽やかなイメージで」(前出・O氏)
これには堀田氏も同意する。
「見栄えとしては小渕優子が一番いい。平成研究会(小渕優子の属する自民党内の派閥)の当選回数の多い男連中はやっかむだろうけどね。総理と重要閣僚がしっかりしていれば、官僚が支えるから、ほかの大臣は男だろうが女だろうが、誰がやっても同じなんだ。
そもそも、女性大臣を増やすというのは、単に『わかりやすい』ということだけ。それに今の自民党の総務会長、政調会長なんて重要ポストじゃないんだよ。自民党の総務会長は山中貞則で終わったようなもんだし、政調会長は亀井静香、麻生太郎で終わった。今は、昔の政治家みたいな筋の通った強さがないんだよね」
結局は現内閣が目論む長期政権の「人気取り」に女性たちも国民も一喜一憂、翻弄(ほんろう)されているだけで一番笑うのは安倍首相?という話も……。
(取材/畠山理仁 取材協力/菅沼 慶)
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