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靖国ルポ・落ち着いた雰囲気の中、朝日新聞と河野氏への批判目立つ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140815/plc14081523080043-n1.htm
69回目の「終戦の日」を迎えた15日の靖国神社は、政治家や政権への批判などはほとんど見当たらず、落ち着いた雰囲気だった。その中で例年以上に目立ったのは、根拠がないまま慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話と、慰安婦問題での自社報道の誤りを一部認めた朝日新聞への批判だ。
最寄り駅から靖国神社へ向かう歩道では、さまざまな団体が世相を映したビラを配っていた。例えばこんなものもある。
「『従軍慰安婦』は朝日新聞の捏造(ねつぞう)だ」
「韓国の大嘘宣伝【20万人が性奴隷にされた!】の火元は朝日新聞」
そのすぐそばでは、河野談話撤廃の署名活動も行われていた。
境内で毎年開かれる戦没者追悼中央集会では、司会者が次世代の党の山田宏幹事長について、6月の政府による河野談話作成経緯の検証に道を開いたことを挙げて「英霊の名誉を守った」と紹介した。河野談話によって旧日本軍兵士は、いわれなき罪を背負わされたからだ。
登壇した山田氏は、今月5、6両日に朝日新聞が掲載した自社の慰安婦報道に関する特集記事に関してこう批判した。
「朝日が捏造記事を書き、32年間も放置した。あの程度の記事で罪が償えると思うのか。なぜ今まで黙っていたのか。朝日は明らかにすべきだ」
この言葉は、韓国・済州島で女性を強制連行したと虚偽の証言をした吉田清治氏に関して昭和57年以降、少なくとも16本もの記事を載せておきながら謝罪も訂正もせず、今回ようやく取り消したことを指す。山田氏の指摘には大きな拍手がわき起こっていた。
集会では、安倍政権の安全保障政策に関する次のような声明も採択された。名指しはしていないが、これも朝日新聞をはじめとする左派メディアを念頭に置いていることは明らかだ。
「一部の報道機関から執拗(しつよう)かつ意図的な悪意ある報道が繰り広げられたことは周知の通りだが、その効果は意外なほど小さかった」
集会会場わきの書籍販売所には「〈河野談話〉の虚構」(勝岡寛次著)、「『従軍慰安婦』強制連行はなかった」(松木国俊著)といった本も並んでいた。
正午近くになると、日本武道館で開かれていた政府主催の全国戦没者追悼式での安倍晋三首相の式辞の音声が境内に流された。
「戦没者の皆様の貴い犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります。そのことを片時たりとも忘れません」
「日本の野山を、セミ時雨が包んでいます。69年前もそうだったのでしょう」
正午になると、靖国境内でも1分間の黙とうが行われ、ざわめきが一瞬のうちに静寂へと変わり、セミ時雨だけが残った。
すると、平成18年の追悼式で当時、衆院議長だった河野氏が述べた次の言葉が頭をよぎった。
「戦争を主導した当時の指導者たちの責任をあいまいにしてはならない」
河野談話を主導した河野氏の責任をあいまいにしてはならないと、改めて心に刻んだ。(阿比留瑠比)
[MSN産経ニュース 2014/08/15]
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