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茨城県鹿嶋市の旧大日本帝国海軍基地のそばの公園に展示されている旧日本軍の特攻機「桜花」のレプリカ(2014年8月7日撮影)。
「特攻を美化してはだめ」 元隊員ら、戦争知らない若者に警鐘
http://www.afpbb.com/articles/-/3023084
2014年08月15日 11:28 発信地:東京
【8月15日 AFP】神風特攻隊の元パイロット、カンベ・ユタカさん(91)は、70年近く前に死んでいるはずだった。
第2次世界大戦(World War II)末期、勝利への執ようなねばりをみせる日本を特徴付けた自殺攻撃。死んでいった数千人の隊員と同じ運命からカンベさんを救ったのは、1945年8月15日の日本の降伏だった。
だが歳を重ね、再び死を身近に感じるようになったカンベさんは、安倍晋三(Shinzo Abe)政権下での政治の右傾化や、神風特攻隊を美化する最近の映画が、日本の若い世代から戦争の恐ろしさが失われたことを示しているのではないかと不安を感じている。
「あれはやっぱり正気の沙汰ではない。美化することなんて賛成できない」と元海軍パイロットのカンベさんは、連合国軍の艦艇に航空機を墜落させるよう命じられた若者たちについて語った。
「安倍首相みたいなのばっかりになれば日本は戦争になる。正直言って、俺は死んでいくけど、日本の将来は心配だ」
神風パイロットは、戦時下の日本で英雄だった。昭和天皇(Emperor Hirohito)と国の名の下で行われる彼らの自己犠牲は新聞の一面を飾った。
神風特攻隊は戦争末期、連合国の勝利を阻止しようとする絶望的な努力の中で結成された。およそ4000人が死亡した作戦は、特攻隊の大半が標的に達する前に撃墜されたとはいえ、敵国の兵士を震え上がらせた。
■「国や家族のために命をなげうった」
神風特攻隊の生存者数については公的な統計はない。特攻隊は現代の教科書にもほとんど記述されていなく、人々の記憶の中から薄れて行った。
だが、同名のベストセラー小説を映画化した『永遠の0(The Eternal Zero)』は今年の初めにヒットを記録し、特攻隊の記憶を人々によみがえらせた。
映画のストーリーは、妻に生きて帰ると約束したことから特攻を拒否していた海軍パイロットが、最終的に戦友に家族の面倒を託し特攻を選ぶというもの。
都内の大学に通うナカムラ・ツルギさん(18)は映画鑑賞後に「僕は特攻隊員を尊敬します。彼らは国や家族のために命をなげうった」と語った。「特攻隊は格好いい。かれらのミッションを非難することはまちがっていると思う」
元神風パイロットのカガワ・コウゾウさん(89)はこうした議論にはほとんど関心を示さない。
カガワさんは、特攻の善悪に審判を下すことは拒否するが、いたずらに命を落としていった仲間のパイロットたちの光景が、今もまだ頭を離れないという。カガワさんの番はついに来なかった。
「われわれ生き残った特攻隊員はそれが正しかったとか悪かったとか判断できない。でも連中の顔を思い出しながら『悪かったな、貴様だけ殺してしまって』と今でも御霊に声をかける」
鹿児島県南九州市は今年、神風特攻隊の遺書を国連の記憶遺産に登録申請し、中国と韓国から反発を買った。また安倍首相は7月に集団的自衛権行使を認める憲法解釈の変更を強行し、国内で激しい抗議の声を巻き起こした。
カガワさんにとって、特攻が間違いだったことは疑いようがない。だが日本の軍事力を純粋に自衛だけの役割に制限しておくべきかどうかについては、そこまで確信が持てない。
「特攻は二度とあってはならない。でも、平和はタダじゃない」「防衛なしに平和はまもれない。安倍総理は少し急ぎすぎているような気もするが、やっていることは理解できる」とカガワさんは語った。
■「これは映画じゃない」
終戦69年の節目となった15日、日本の政治家らは毎年恒例の靖国神社参拝を行った。靖国神社には約200万人の戦没者が祭られている。その中には神風パイロットたちも含まれているが、戦争犯罪者として有罪になった大日本帝国の最高幹部たちも祭られていることが中国と韓国の怒りを買っている。
安倍首相は昨年12月に靖国神社を参拝し、周辺国から非難され、米政府からも警告を受けた。支持者にとって安倍首相の靖国参拝は愛国心を意味するが、批判者は安倍首相が修正主義的な歴史観をもてあそんでいるさらなる証拠だと言う。
日本が戦争を行った過去を美化しようとする行為は見当外れだと、元特攻隊のアサノ・アキノリさん(85)は語る。終戦記念日は自宅で一人で過ごし、帰還しなかった人々を追悼する予定だ。
アサノさんは、「桜花」と名付けられた悪名高い航空特攻兵器の部隊に所属していた。全長6メートルの桜花は航空機というよりは空飛ぶ爆弾だった。敵艦に到達するのに十分な、短い時間だけもつロケットエンジンを搭載した機体だった。
「『特攻に志願してなぜ死ななければならなかったのか』という質問はナンセンス。われわれには『できません』という選択肢はなかった。これは映画じゃない。今の若い人には理解できないと思う。今はただ平和を祈るだけ」とアサノさんは語った。(c)AFP/Shingo ITO
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