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日経平均株価と安倍内閣の支持率の推移
安倍政権、株価浮揚に必死 「干渉しすぎ」の声も
http://www.asahi.com/articles/ASG890GY5G88ULFA034.html
2014年8月15日01時17分 朝日新聞
安倍政権が株式市場にお金を誘導する政策を次々に打ち出している。力強さを失った株価と内閣支持率をつなぎとめ、反転させたい思惑が重なる。政権は消費税率の10%への引き上げを12月にも判断するとしており、株価が政権運営の自由度を左右する構図が一段と強まっている。
「例えば200万円」。甘利明経済再生相が6月末の講演で口火を切ると、麻生太郎財務相が3日後に「240(万円)の方がより現場にあった感覚だ」と注文。菅義偉官房長官も先月末、「対象者の拡充を前向きに検討したい」と言明した。
閣僚が拡大案を競い合うのは、株式などへの投資のもうけに税金がかからない少額投資非課税制度(NISA)。1月からの3カ月間で約1兆円の個人資金が市場に流れた。政権は「劇的な効果」(甘利氏)と目をつけた。年100万円の非課税枠を倍増させたり、対象年齢を子どもまで広げたりする検討に入った。
6月に改訂した成長戦略では、年金の積立金約130兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産配分の見直しを掲げた。今は12%を基本とする国内株を増やす方向で、1%高めるごとに1兆円近い資金が市場に流れ込む計算だ。企業のもうけが増える法人減税も来年度から実施と明記した。
市場受けする政策の連発には、アベノミクスの第3の矢の「成長戦略」が経済の底上げにつながるまで、市場にお金をつなぎとめたいという計算が透ける。
市場は昨年、「第1の矢」の金融緩和と「第2の矢」の財政出動に沸いた。外国人投資家から過去最高の約15兆円ものマネーが流れ込み、円安で輸出企業などの業績も改善し、日経平均株価は6割近く上昇。「株高・円安」が企業の投資意欲と富裕層の消費意欲を刺激する好循環が生まれた。
だが今年1月、外国人は一転して1兆円超の売り越しに。取引量を示す出来高は昨年5月の半分の水準に低迷し、株価は昨年末から1割ほど低い水準を漂う。
政権は成長戦略でデフレを脱却するシナリオを描くが、昨年6月の第1弾は「力不足」とされ株価が暴落。今年の改訂版はGPIFや法人減税を盛ったことで暴落の再来は避けられたものの、依然、株価浮揚にはつながっていない。
規制緩和や構造改革が効果をあらわすには時間がかかり、「即効性で劣る」(甘利氏)。そうしているうちに投資家が離れれば株価は下落し、投資や消費が冷え込む「悪循環」に戻ってしまう。政権にとっては「時間との戦い」の様相が強まっている。
■「誰がなぜ買っているの?」
市場には政府による「過干渉」との受け止めも出始めた。
「誰がなぜ買っているのか」。成長戦略の改訂作業が大詰めを迎えていた5〜6月、市場関係者の話題を集めたのは、株を売買した人や団体を分類した東京証券取引所の統計だった。昨年1年間で約4兆円も売り越した「信託銀行」が4月下旬から突然、大幅な買い越しを8週間も続けたためだ。その額は1兆円近くに達した。
信託銀の売買は、各種年金基金の委託がほとんどで、運用はGPIFを手本としてきた。GPIFが成長戦略の一環として国内株を大幅に買い増すことを踏まえ、ほかの公的年金マネーまで株買い増しを急いだ、との見方が広がった。
突然の大口の買い手の登場に、閣僚から相次いで飛び出すGPIFやNISAの改革案。日本銀行も金融緩和策として、株価指標に連動する上場投資信託(ETF)を買い増してきた。
政権や「公的マネー」の影がちらつく状況に、「株価維持活動(PKO)が解禁されたかのようだ。政権は市場に関与しすぎだ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)、「いわば株価連動型内閣。政府の巧妙な作戦が展開されている」(みずほ証券の上野泰也氏)と危ぶむ声が上がる。
■増税決断の重しに
「株価が日々動くことと政権とは独立した関係だ」
株価が急落して約1カ月半ぶりに1万5千円を割り込んだ8日、加藤勝信官房副長官は会見で株価が政権に与える影響を否定した。
だが、年末には消費税率を10%に上げるかどうかの首相の判断が迫る。景気の先行指標とされる株価が大きく下がれば、「景気が腰折れする」との増税反対論が勢いを増すのは確実だ。だが、増税を先送りして法人減税だけが先行すれば、財政再建が疑問視されて「外国人が失望売りに走る可能性がある」(みずほ証券の上野泰也氏)。株価が下がるほど判断は政権に重くのしかかる。
集団的自衛権の行使を認める閣議決定などで内閣支持率が第2次政権で最低水準に落ち込むなか、政権が経済対策を訴えたい福島、沖縄の両知事選が、来春には統一地方選も控える。景気回復ムードを高めて支持率を支えてきた株価は今後、政権の足元を脅かす可能性もある。(寺西和男、蔭西晴子)
◇
〈年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)〉 厚生労働省からの寄託を受けた厚生年金や国民年金の積立金約130兆円を運用する世界最大級の機関投資家で、2006年に設立された。基本的な資産構成は国内債券が60%、国内株は12%などと定められているが、国内株の割合を増やす方向で、すでに運用比率の上下限を定めたルールを停止した。公務員らが入る三つの共済年金と来年10月に運用目標を共通化する。
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