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秘密保護法、新聞・出版・放送労連が異例の大規模廃止行動 全国で違憲差し止め訴訟拡大
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140815-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 8月15日(金)3時0分配信
特定秘密保護法が施行された近未来を描くミュージカル『THE SECRET GARDEN〜嘘の中にある真実〜』(ミュージカル・ギルドq.)の制作発表記者会見が7月29日、参議院議員会館で行われた。
「どうやってこのミュージカルの記事を書くのか。あるいはこの記者会見の様子を伝える記事をどのように書くのか。中身は秘密ですから、作品のストーリーはまったく書けない。でも記事にしなければならないから、記者会見に集まった皆さんの技量が問われますね」
ミュージカル上演実行委員会の賛同人、「週刊金曜日」(金曜日)発行人の北村肇氏が、いみじくもこう言った。実際、何が秘密かわからない特定秘密保護法をテーマにしたミュージカルなので、何が秘密かわからない設定になっているはずだ。
昨年12月6日に成立し、今年12月12日までに施行される予定の特定秘密保護法に対しては根強い廃止運動が今でも続いており、演劇界でも大きな話題になっている。
「ある日、突然逮捕されました。容疑は『秘密』だそうです」という宣伝文句が話題にもなった『それは秘密です。』(劇団チャリT企画)の上演が、大好評のうちに8月3日に終わったばかりだ。『THE SECRET GARDEN』は、それに続いて10月22日〜26日に東京の中野区立野方区民ホール「WIZホール」で上演される。
●運用基準の素案で疑惑拡大
特定秘密保護法は、防衛・外交・テロ・スパイ活動などに絞って行政の長が特定秘密を指定し、違反者に重罰を科す法律だ。
特定秘密の定義があいまいで、独立した第三者機関によるチェックはないに等しい。秘密の内容が明らかにされないため、裁判も成立しない可能性が高い。加えて、実際に犯罪を実行しなくても、「相談」「そそのかし」「あおり立て」をするだけで罪に問われる。
そもそも、何をしたら罪になるのか一般の人は知り得ず、したがって逮捕されても、具体的にどのような罪を犯したかわからないまま、事実上の秘密裁判で最高懲役10年を科せられ、社会的に抹殺されることになる。法治国家・民主国家ではあり得ない法律であり、廃止しなければならないものだ。
そのため全国各地で反対運動が拡大し、違憲差し止め訴訟も全国で3件起きている。現在は、有識者の意見を参考にして政府がまとめた「運用基準」素案に対するパブリックコメント(意見公募)を8月24日まで受け付けている。
運用基準素案では、秘密指定があいまいでほぼ100%を行政が決められ、永久秘密に指定でき、指定が解除されたとしても、それを公開せずに政府の意向次第で廃棄できる。行政の独裁を助長することが明らかになり、反対運動の火に油を注ぐ結果となっている。
このような秘密保護法の問題点を、ミュージカルという手法でいかにして表現できるか、実に興味深い。
●ミュージカルの中身は秘密
制作発表記者会見では、制作側、出演者、賛同者など多様な人が集まり発言した。法律監修者の1人である海渡雄一弁護士は、「今日の会見で発言するに当たって、関係者から強く言われたのは、ミュージカルの中身についてしゃべるな、特定秘密なのでしゃべるな、ということです」と秘密であることを強調。法律の危険性は話せても、ミュージカルの見どころ聴きどころは語れないという。
「私の難しい説明より面白い」(田島康彦上智大学教授、憲法・メディア論)
「秘密を守る苦しい立場です」(村井敏邦一橋大学名誉教授)
立て続けに関係者は発言するが、肝心のミュージカルの中身には触れられない。仕方なくチラシをのぞいてみると、こうある。
「20XX年、ついに秘密保護法違反の逮捕者が出た。メディアの取材合戦にもかかわらず、検察・警察は秘密保護法を盾に一切事件の内容を明らかにしない。裁判当日、姿を現した被告人はなんと普通の市民9人。原発に勤務する青年とその幼馴染み、そして長者町町内会の面々だ。無罪を主張する弁護側と、組織的犯行を主張する検察とが真っ向から対立。彼らは一体どんな『秘密」に触れたのか? 裁判官や証人も巻き込み、さまざまな立場の思いが交差する中、果たして裁判の行方は……」
今回の企画は、日本出版労働組合連合会(出版労連)がギルドq.に、特定秘密保護法をミュージカルで演じられないかと依頼したのがきっかけ。ギルドq.は、現代社会を鋭く風刺し、なおかつエンターテインメント性あふれるオリジナル・ミュージカル作品を発表し続けている演劇集団だ。
今回は、多くの個人賛同人を集めたほか、特定秘密保護法に反対する出版労連、日本新聞労働組合連合(新聞労連)、日本民間放送労働組合連合会(民放労連)など、出版・新聞・放送の労働組合なども全面的に協力している。
●普通の人が特定秘密に近づく勇気
作・演出の田中広喜氏は、こう話す。
「法廷を中心とした題材は、普通の演劇ではあり得ても、ミュージカルでは歴史的なことではないかと思っています。しかも、音楽・ダンスすべてオリジナルです」
おまけに上演時には傍聴券30枚を希望者に配布し、傍聴席からの観劇もできるという。どうやら、一般の観客席とは別に、ステージと一体化した傍聴席が用意され、迫力ある法廷ミュージカル劇を目の当たりにできるらしい。
田中氏に、このミュージカルの神髄について聞いてみた。
「『勇気』という言葉がキーワードになるかもしれません。逃げるのではなく、むしろ隠されようとする秘密に近づいていく、しかも普通の人が……そんなイメージなのです。最近問題になっているヘイトスピーチもそうですが、今の時代に必要なのは勇気ではないでしょうか」
林克明/フリージャーナリスト
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