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http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/archives/40249915.html
2014年08月08日15:43
(略)
今朝の「読売新聞」の政治面を読んでいたら、連載中の「政治の現場:野党再編」という記事が非常にすごいことを書いていた。この記事を読めば、なぜ日本の野党再編にはことごとく右バネがかかっているのかがわかるというくらいの記事だ。
この記事の内容は、政権交代で下野した民主党の第三世代のグループに自民党的な派閥色が出てきているという趣旨だ。読売は海江田万里率いる民主党執行部にきわめて批判的で、そのことは大畠章宏幹事長が記者会見で言及したほどである。
私の目を引いたのはこの日の記事に書かれていた、以下に示す、民主党のグループの相関図である。
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読売新聞(8月8日朝刊政治面)
これを見ると、民主党は第一世代、第二世代、第三世代と分類できることが分かる。政権交代で大臣を経験したのは主に第二世代までで、第三世代は副大臣や補佐官止まりである。例外は細野豪志で、細野はまだ現在42歳というのに、すでに環境大臣を経験している入閣済みだ。
私が「アッ」と思ったのは、安全保障で勉強会を率いていた、あの長島昭久が、今年の二月に結成したという約10人の「国軸の会」という派閥だ。会のメンバーは具体的には書かれていないが、どうやら長島昭久を会長に鷲尾英一郎はメンバーであるようだ。長島はこれまで維新の会ら野党を含んだ超党派の安保基本法制定に向けての活動や、民主党内でも前原誠司が主宰する安全保障勉強会の主要メンバーであったが、自分の派閥を作っていたことがここで明らかになった。
国軸(こくじく)というのはどういう意味か。読売新聞の記事では「名称には国の軸を定めるという思いを込めた」と書かれている。だがこれだけでは半分しか伝えていない。長島昭久は中曽根康弘を崇敬する改憲主義者で、民主党のアメリカ派の今の頭目である。
ただ、ここでこの新しい会の名前を遅まきながら知ったことで、私は非常に納得がいったのだ。国軸というのは単に「国家の基軸」とか「憲法」という意味ではない。日本古来から、奈良県の吉野山を指す言葉として知られているのだ。「国軸山 金峰山寺」http://www.kitora369.org/img/kakofujiiti/kunijukuyama.pdfなどという使い方をしているのを見つけた。
そこで私は長島昭久ら民主党の保守系議員らが、吉野山の吉水神社の宮司と非常に親しく、菅内閣当時にもわざわざ(意図は分からないが)参詣していたことを思い出した。
吉水神社の宮司は、佐藤素心という人で、「占領憲法と占領典範の「無効確認決議」を都議会に求める6.8決起大会」などの集会で挨拶をしている動画がユーチューブhttps://www.youtube.com/watch?v=Yfg811HoZmU
に ある。かなり強い保守思想を持つ人である。最近はアニメブームに載って「アニメ絵馬」などを流行らせて若者にも人気を集めているようだが、そのソフトな面 と裏腹に安倍晋三につながるかなり強硬な保守思想を持っていることは、彼のブログ『世界遺産の吉水神社から「ニコニコ顔で、命がけ!』http://blogs.yahoo.co.jp/yoshimizushrineを少し読めば分か る。
佐藤宮司は吉水神社の神職を務める傍ら、政治活動にも熱心だ。「錦の御旗けんむの会」http://blogs.yahoo.co.jp/tikugokawa0702/10449828.htmlという団体の会長でもある。「けんむ」とは「占領憲法無効」と後醍醐天皇の建武の新政をかけている語呂合わせだと思われる。この人が2012年に叙勲を受けた時に記念で自費出版した本の帯の推薦は安倍晋三と西村真悟が書いている。救う会や頑張れ日本の奈良県支部メンバーでもあり、田母神俊雄とも親しい。
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本の推薦の帯は安倍晋三と西村眞悟
この佐藤宮司のもとに、2010年夏に長島昭久、吉良州司、北神圭朗といった民主党の保守系の議員らが訪れたという記事を佐藤宮司自身がブログで書いている。菅内閣発足直後である。
このブログによると、参拝したのは、吉良州司、長島昭久、市村浩一郎、北神圭朗、鷲尾英一郎である。http://blogs.yahoo.co.jp/yoshimizushrine/60208321.html
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2010年に参詣した時の写真(佐藤宮司のブログから)
更に震災後の2011年には、佐藤宮司は長島ら民主党の「正統派」たちが菅内閣に即刻退陣を求めたことを高く賞賛している事がわかる。この時のブログは 2010年の写真を使いまわしているので、菅打倒のためにわざわざ参詣しては居ないようだ。佐藤宮司は吉良と長島の強力な支援者のようであることは分かる。(菅首相、即刻退陣を!吉良州司、長島昭久ついに立ち上がる!「1分でも1秒でも早く辞めていただきたい」 http://blogs.yahoo.co.jp/yoshimizushrine/61203608.html )
北神圭朗は長島が「畏友」と呼んでやまない同志的存在だが、京都選挙区から出ていたが参院選で落選し現在浪人中だが長島と行動を共にすることが多い。北神は選挙の際に「自分たちで国を守るのは大前提。国のために死ぬという愛国心をどう教育するかが非常に重要だ」と演説したほどのタカ派である。
佐藤宮司は、今紹介したブログ記事以外に も、色々と長島に強く期待する記事を書いている。例えば、松下政経塾出身の前原誠司に対して不満を抱く佐藤宮司は、「もっと若手の吉良氏や長島氏あたりが総理になれば民主党も見直すのに」と書いていたこともある。奈良県が地 盤の馬淵澄夫・選対委員長についても、馬淵や海江田を揶揄する週刊誌のからかい記事を好意的に紹介したことがあり、必ずしも保守系であると認識しているわけではなさそ うだ。(http://blogs.yahoo.co.jp/yoshimizushrine/61297653.html)
こうして みると、2011年の震災直後に小沢系の議員たちが菅降ろしを策謀している背後では、こういった保守系の民主党議員たちもまた菅おろしを願い、それを彼ら の精神的な支柱?である吉水神社の宮司が応援していた事がわかる。
そんな時に、リベラル系の小沢系が同じリベラル系の菅降ろしをしていたのだ。これは政治闘争のセオリーからすると全くの愚策であると私はずっと思って いたが、ここで意外な形でそれが裏付けられた感がある。政治の世界では本当の敵を見抜き、それ以外とは妥協する知恵が必要である。
ここで注目 したいのは、吉水神社というのが、南朝皇居と言われる日本の歴史上特殊な地位を占めている神社であるという点だ。この神社は陰陽師も修行した神社らしい い。最近はアニメ「咲」で取り上げられたことで聖地巡礼のアニメオタクも増えているが、もともとは、平安末期に源義経をかくまったりしたことで知られる。 曰く因縁のある神社である。同神社の公式サイトには次のようにある。
(引用開始)
吉水神社は元 吉水院と称し今から凡そ千三百年前、白鳳年間(650〜654年)に 役行者 の創立と伝えるきわめて古い吉野修験宗の僧坊であった。
そして明治の初めまで永年の間幾多の歴史を秘めて修験道の勢力と共に発展して来たが明治維新の神仏分離の際(明治八年)神社と改まったものである。元より当社は南朝の元宮でありここに第九十六代 後醍醐天皇を祭神とし当時天皇の忠臣であった楠木正成、吉水院宗信法印を合祀しています。
また、後醍醐天皇、源義経、静御前、豊臣秀吉公ゆかりの地で百二十数点にのぼる重要文化財や秘宝を展覧しており、中でも南朝の資料に関しては全国一多く、一般に重要文化財の宝庫といわれています。
http://www.yoshimizu-shrine.com/
(引用終わり)
(写真;アニメファンと一緒の佐藤宮司)
そういう因縁のある場所で、民主党の保守系議員が、菅直人政権打倒のための祈願(呪詛かもしれない)をし、さらにその吉野を意味する「国軸」という名前を自らの派閥の名前にしてしまう。この感覚、21世紀の感覚ではないと私には思える。
かつて、小沢一郎の側近であった平野貞夫が北極星信仰にかこつけて小沢グループの名前を北辰会と名づけたことがあった。北辰とは北極星、すなわち天皇陛下 のことである。だから、その時も私は唖然としたが、今回の「国軸」という発想にも驚かされる。なぜ日本の政治ではそういう「まじない信仰」がどこかに残っ ているようである。
(写真)
民主党きっての親米派の長島の中では「南朝信仰」と「アメリカ信仰」はどうも矛盾しないようだ。南北朝問題はもう少し研究したい。民主党の中には現在の執行部である海江田系以外に、第2、第3世代 のアメリカ派ともいうべき、前原誠司の凌雲会、野田佳彦の花斉会、細野豪志の自誓会、そして、長島昭久の国軸の会が登場し、党内のリベラル勢力が弱くなっ ている。
かつて90年台に「保保連合」という自民党と新進党の連立構想があった。自社さ政権の次に模索された構想だが、自民党と社会党 の左派が反対し実現しなかった。日本はリベラルが頑張ろうとすると与野党の保守が頑張って潰そうとする。連立政権の中でリベラルと保守が協調するのであれ ばまだ救いがあるが、今の民主党の若手は軒並み自民党と同じような保守派であり、長島のような政治家は次世代の党の山田宏のような右翼とも気脈を通じてい る部分がある。
そこに目をつけてリベラル抜きの政界再編、二大政党制をつくろうというのがマイケル・グリーンの目論見であり、長島らはその忠実な駒となって動いているという風にしか見えない。
私は二大政党制には必ずしも肯定的ではないが、それでも保守とリベラルの二大政党制ならまだバランスがとれている。しかし、今残っている政治勢力は保守勢力ばかりである。これは巧妙に仕組まれた結果であり、健全な議会制民主主義の発展につながらない。
今考えてみると野田佳彦がなぜ2012年の11月に突如党首討論で解散を宣言したのか分かる。リベラルを抹殺するために安倍晋三と気脈を通じていたわけだ。
マイケル・グリーンは村山内閣が発足した94年夏にはすでにジョンズ・ホプキンス大学の助教授であったhttps://vine.co/v/MVm237mhMuU。そして今や日本の影の総理大臣として君臨している。
本来は反米だったはずの根本保守思想も恐ろしいまでの複雑骨折を起こして、アメリカのために中国を封じ込めるという思想になっており、これが長島らの言う「リアリズム」というわけである。
第三世代が世代代表として馬淵澄夫を代表戦で担ぎ出すのかどうかはわからない。しかし、馬淵はすでに代表戦を経験している。代表の資格はある。細野豪志に狙いを定めていた民主党保守系グループは、「細野はまだ若すぎる」という判断をした可能性もある。
マイケル・グリーンの狙うのは「リベラルつぶしの政界再編」。手駒たちはその目標に従って動いているだけだ、ともいえる。
長島昭久と前原誠司を比較してみると、長島は尖閣建白書を菅直人に提出したりするなど、明治時代の政治家と思えるような保守的な行動を取ることが近年見られるようになった。単なるアメリカ留学組ということで片付けるのは難しい。もともと長島は自民党の石原伸晃の秘書をしていたわけで、その意味で言えば「本籍自民党」のような政治家だ。
日経新聞がすっぱ抜いたように、安倍晋三や百田尚樹が顔を見せる台湾独立派の金美齢のサロンにも顔を出していることや、日頃の集団的自衛権がらみでの安倍首相への揺ぎない支持コメントを見ればわかるが、長島というのは親米派の頭目であると同時に、強力な右派政治家でもある。ここで今回、吉水神社の宮司がよく使う「国軸」という特殊な言葉を冠した派閥を立ち上げたことが何を意味するかをよく考えなければならない。
昨今、安倍晋三の支持母体として生長の家系の日本会議を批判する記事を見かけるようになったが、この吉水神社の佐藤素心宮司らが関わっている「けんむの会」とか「國體護持塾」まで言及する記事はないと思う。反共の宗教カルトと南朝系の保守団体のようなものが分かちがたく結びついて、形だけは反米を言う実際は親米反中国のネットワークが出来上がっているのだろう。
吉水神社を拠点にする政治結社が民主党を更に「根本保守」に寄せるのだろうか。注目しなければならない。
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