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2014年08月09日
第二次大戦、大本営発表と何ら変わりない出来事が、ジャガスカ目立ってきているが、これは、何が原因なのだろう?安倍の集団的自衛権行使容認も、世界一厳しい安全基準も、コントロール下にあるフクイチも、景気の好循環等々も、この情報をマスメディアが垂れ流している分には、大本営発表を垂れ流したマスコミと云う批難が成り立つが、21世紀のわが国では、責任者が出てきて記者会見し、自らの顔出しでウソ情報や希望的観測を捲し立てるようになった。間接プロパガンダから、直接プロパガンダに移行している。いつのまにか、事態は、益々悪化している。
黒田は、日銀の一番の仕事は「物価の安定」である。2%の緩やかなインフレは達成可能である、と強調した。しかし、そのことで、景気が好循環するかどうかについては、明確な回答は留保している感じである。まあ、日銀総裁の役目は、異次元の金融緩和を謳うことで、景気のマインドを高める効果を狙ったものであり、実体経済が、その通り動くかどうかは、政府の責任の範疇だと、良い逃れている。たしかに、景気を良くするのは、政府の仕事であり、日銀は物価の番人だが、黒田の登場は、どうみても「俺が景気を好くしてやる」と云うイメージを作り上げていた。多くの国民も、まんまと騙されたに違いない(笑)。
雇用も所得環境も需給ギャップのプラス傾向が出てきたと、白々しいデータを取り上げているが、全体の勤労者の所得、及び可処分所得は、確定的に下がり続けている。そんな中で、黒田は「どうだ、物価が上がっただろう?俺の腕前を見直したか!」と大見得を切り、もし、上手く行かないときは、地政学的リスクによるもので、日銀の守備範囲からは、如何ともし難い、と逃げを打つのを忘れなかった。アベノミクスは、何本矢を追加しようが、虚偽の成長に過ぎず、経常利益赤字国家に落ちぶれ、日本は自慢するものすべてを失いつつある。
「失う」と云う言葉には、受動的、時に能動的意味が両立しているが、現在の日本の経済政策は、菅・野田の経済政策に輪をかけた、能動的「失う」行為に走っていると言えるだろう。最近では、製造業の在庫が積み上がり、夏以降は生産調整の局面に入るのは、ほぼ確実だ。そもそも論からして、考えてみると、奇妙だったのである。20世紀の景気循環のメカニズム、経済理論が殆ど通用しない時代が到来した予感を持たせる。仏経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本論』が世界の知識階級に大旋風を巻き起こしているのも、20世紀金融経済理論が、狂いだした証拠のような部分が存在するからに相違ない。
ピケティのマルクス主義に似た再配分論が正しいかどうか別にしても、21世紀と云うのは、何もかもが違うメカニズムで動き出した「世紀」である可能性を暗示している。つまり、金融緩和が、景気を刺激する効果を一切発揮しない経済状況になっている、と云うことだ。当然、海外製造拠点の積極的企業の動きはとどまる気配すらないのだ。法人税を下げろ!規制緩和の速度を速めろ等々、政府に色々と注文をつけている本人たちが、その要求が意味をなさないことを承知で動いているのだから、始末に負えない。
安倍晋三も気の毒と云えば気の毒。すべての要求を満たしているにも関わらず、そんなこと要求したかな?と云う他人事な顔をして、ドンドン海外に生産拠点を動かしている。どうしてだ?と聞けば、まだまだ足りない、信心が足りないと言い出す、新興宗教の教祖の趣だ(笑)。西側諸国に経済成長力は僅かしか残されていないので、アメリカはシェールガス革命などと云う、将来、国土を破壊するかもしれない採掘方法を編み出し、世界をギョッとさせた。しかし、遺伝子組み換え植物同様、将来のリスクに責任を負うことは、金輪際ないのだ。目の前で、稚拙な不正で不潔な製造工程をバラサレタ中国を笑い者にするのも愉快ではあるが、見えないリスクが潜在的にある、放射能のような、人類への悪影響は、クラウドコンピュータの罠のように、雲の中に隠れていると云うことなのだろう。
市場のパイが細っているのは、西側諸国の共通の課題だが、これは一種先進諸国文明の飽和期が訪れたわけだから、次なる周期が訪れるまで、ジッと待ち続けるしかないのだが、マネーと云うものは、モンスター故に、世界観とか、人生観とかに関係なく、ひたすら強欲の姿勢を崩さない。ここに、金融経済体制に移行した西側諸国のジレンマがある。このジレンマ、或はトラウマなようなものに支配されているのが、アメリカ政府であり、日本政府も追随の傾向をみせてしまった。意外に、ドイツはHATENAな姿勢も堅持、かなりウロチョロしている(笑)。謂わば、国家がマネーに支配された格好になり本末転倒なのだが、人類が自らの生活を豊かにする経済活動のインフラとして誕生させたマネーが、支配者として君臨し始めたのだから、不死身のモンスターを生みだした博士が、モンスターの初めての餌になるようなものである(笑)。
まして、わが国は、異様な速度で少子高齢化が進んでいるわけで、市場のパイは限りなく小さくなっている。デフレが続くから、物が売れない。先行き、もっと下がると思うから需要意欲が湧かない。インフレ傾向が明確になれば、物の値が上がると人は想像し、需要意欲を喚起する。ゆえに、景気の循環も好くなる。これが、インフレターゲットの目論見だった。ところが、物価は生活必需品 中心にハイパーインフレもどき状況になっているが、庶民の購買意欲が刺激されている風もない。兆しすら見えない。日経新聞の目には、大きな兆しが見えるようだが、国民に見えていないのだから、日経と云う新聞社だけに見えている蜃気楼なのだろう(笑)。
かなりの識者でも、この日本の根本的処方箋は、少子高齢化への対応であると語るが、文明の行き着く先を先取りした日本なのであって、いずれ何処でも起きることだ。巷では、フランスの少子化対策がチヤホヤされているが、人口が増えている内容の吟味は、人種差別になるので避けているようだが、周辺の廉価労働力として移民された人々の子供による少子化の歯止めである。残念ながら、文明的国民の少子化対策とは異なる次元によって起きていることだ。やはり、悲観主義ではないが、達観することから見えてくる、老成の成長と云う視点を避けて、楽観主義に傾倒し、戻れない穴に落ちることは、あまりにも愚な事である。悲観と、熟成、孤高から生まれる産業もあるし、夢も見られる。そうなのだ、安倍君的に表現すれば「積極的悲観主義」こそ、東洋の神秘の島国、日本が選択できる権利を有しているのだ。また今夜も、極めて極小支持しか得られない論に拘る(笑)。
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