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2014-08-02 07:56:37
ノーベル経済学賞受賞のジョセフ・スティグリッツさんが、「健全な社会を維持するためには、新たな貧困との闘いだけでなく、中間層を守る闘いにも私たちは取り組まなければならない」と、強調しています。
「不平等(格差)の拡大と深化をもたらしたのは不変の経済法則ではなく、私たち自らが作った法律なのである」と述べ、政治が手を打つことによって、格差は解消できると強調しています。
これは、朝日新聞が本日8月2日の朝刊に掲載したステイグリッツ氏の寄稿、「分断された米国 不平等は必然ではない」での主張です。
「ここ数十年にわたり、よからぬ傾向がじわじわと進行してきた」と書き出し、「現代の資本主義は、まがい物の資本主義である」と断定しています。その証拠は、「利益は(大企業や富裕層に)私物化されたにもかかわらず、損失は社会が負担した」を挙げました。
サッチャー・レーガン時代からのグローバル経済の進行の中で、「企業の助成は増え、貧困層の福祉は削られる」と政府の政策が不平等を助長してきたと指摘しました。
「(こうした)著しい不公正の代償を払ってきたのは米国の経済であり、民主主義であり、社会である」と断定、「(富める者が富めば貧しい者も豊かになるという)トリクルダウン効果を生むはずだったお金は、ケイマン諸島の穏やかな気候の中に消えてしまった」と、”消えたお金”の行き先も特定しています。
特筆すべきは、「正義は、ごく一部の人にしか手の届かない商品になった」と喝破している点です。「ウォール街の重役連中は、08年の危機で明らかになった悪行の責任を取らされないよう報酬の高い弁護士を雇う。銀行家たちは法制度を悪用して抵当権を行使し、人々を強制退去させた」と指摘。
不公正な米国経済に対する処方箋としては、「不平等の問題は、経済学のテクニカルな問題というより現実の政治の問題である。投機家や企業、富裕層の特権をなくし、上位層に相応の税金を納めてもらうことは、現実的で公平なことだ。教育や医療、インフラにもっとお金をかければ、米国経済は今も、そして将来も力強さを増すだろう」としています。
たしかに政治が適切な手を打つことができれば、格差社会を解消できる見通しは立つでしょう。しかし、米国の最大の問題は、政治が富裕層のロビー活動によって、つまりカネですでに買収されてしまっていることです。政治は富裕層の手で、庶民は手も足も出ないところに隔離されています。民主主義と社会の公正は死んでしまっているという実態です。
政治が富裕層のものになり、見せかけだけの民主主義の体裁にだまされている限り、社会は公正さを取り戻すことは不可能ではないでしょうか。
この米国の姿は、近未来の日本の姿です。アベノミクスは、アメリカ型経済に急速に体制変革しようとするものです。ありていにいえば、民主主義の手法をとりつつ、その実は「革命」を遂行しているといえます。
私たちは、それを手をこまぬいて見過ごすのか、それとも次代への責任を果たすべく立ち上がるのか。自分の生き方が問われているといえそうです。
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