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「自衛隊の防空ミサイル部隊に所属されていた泥氏に、集団的自衛権行使について、お聞きします:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/14855.html
2014/8/1 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasumi
これより7月30日(水)「岩上安身による集団的自衛権に反対する元自衛官・泥憲和氏インタビュー」録画配信の実況を始めます。
自衛隊の防空ミサイル部隊に所属されていた泥氏に、集団的自衛権行使について、お聞きします。
岩上「IWJは鶴橋でのヘイトスピーチへのカウンター活動を取材ししましたが、その時に泥さんにはインタビューさせていただいたことがあります。また集団的自衛権行使容認の動きに対しても行動されています」
岩上「そもそも自衛官になった経緯は?」
泥氏「16歳で『少年工科学校 』に入学しました。衣食住は無料で、高校卒業免状はもらえる。卒業後は下士官としての地位が約束される。こんないいことはないと思いました」
泥氏「入ってみて、1969年で自衛隊への批判が強い時代でした。世間に腰を屈めている状態。自衛隊内にもそいう雰囲気があり、娯楽室で流れてくる音楽は『戦争を知らない子供たち』などの反戦歌でした」
岩上「当時は、憲法の精神に則る専守防衛の自衛隊だと教育されたわけですね」
泥氏「かつての軍隊経験を持つ人が上司におられた。先の陸軍は悪者とされたことから、それを繰り返してはいけないという考えの人が多かった」
泥氏「家は自転車屋でしたが、新しい店の進出で上手くいかなくなった。『高校には行かせられない』と言われていました。父親は旧軍人で二等兵で召集されましたが、中で勉強して軍法会議の事務に採用されるまでになりました」
泥氏「父は司令部にも爆弾が降ってくる経験をして、なんとか内地に戻ろうと努力したようです。初期の日中戦争に参加した人は手柄話しかしないのですが」
泥氏「そういう父に『少年工科学校』を紹介されました」
岩上「15歳の少年泥さんはどう思いました?」
泥氏「高校の予備試験のような感じで受けました。通るとは思わなかったが合格」
岩上「普通の少年だったというわけですね」
岩上「ソ連がやってくる、という煽りがある時代がありましたね」
泥氏「中にいると分かりますが、自衛隊には3つの顏があります。1つは『自衛隊は大したことないよ』という国民向けのもの」
泥氏「もう一つは支持者向けの、こわもての顏。『新国軍』などと言ったりする。最後は教育現場での顏。自衛隊の任務はソ連の進撃を2、3日止めるもの。その後に米軍が助けにくる、そのように教えられました」
岩上「自衛隊は米国やソ連の戦略の中の一つのピースになっていた」
泥氏「その中でも、国を守るという気持ちはありました。警察予備隊からの歴史は学ぶわけですね」
泥氏「69年当時、横須賀ではデモが多かった。自衛隊員も制服での外出は禁止されました。そんな中、世界史を担当した世界史の教官が『国民の一部は自衛隊を否定する。しかし諸君の任務はその否定する国民を守ること』と教えられました。胸に落ちました」
泥氏「憲法が私のベースにあります。一度失敗したことをまた繰り返すなということです。それをなぜ壊そうとするのか疑問です」
岩上「かつては自衛隊の全否定派が強く、今は逆に自衛隊を皇軍に戻せという人が大きいですね」
泥氏「悲しいと感じているのは、港で海外に出て行く自衛隊に対して一方で万歳があり、片方で反対のシュプレヒコールがある。自衛隊員は行きたくないと思いつつ命令には従う。だから、反対の声を挙げるなら、別の場所でやって欲しいと思っていました」
泥氏「言われたら行くしかないのが自衛隊員。そういう苦しいところを知って頂きたい。軍事オタクみたいなのも入隊しますが、あまり役に立たないし、浮きますね」
岩上「集団的自衛権行使の動き。これは突然のことのように世間では見るのでしょうが……」
泥氏「突然のようで、そうではない。今の国際社会は、混乱しています。混乱時でなくとも、正義の所在は国の数だけありますね」
泥氏「必ずしも、領土の取り合いが、熱い戦争になるわけではない。戦争への発展には複雑な背景がある。そんなところに軍隊がポンと行って、丸く収まるのでしょうか。相応の覚悟と装備が必要ですね。今の日本にはそんな覚悟も装備もありません」
泥氏「本体の米軍は誰もが怖いと思います。しかし、その側に何だか弱そうな自衛隊がいる。敵は必ず自衛隊を狙います。こういうことから考えると、集団的自衛権はもっと間違った問題があります」
泥氏「正当防衛には根拠がありますね。しかし集団的自衛権の場合は、自分と関係のない戦争に出かけて『殺し、殺される』関係に入ることを意味する。安倍さんが言っているのは、米軍が助けてくれるために、こちらが先に血を流そうというもの。馬鹿を言うなと」
岩上「これは『作られた危機』だとお考えですか?」
泥氏「尖閣や竹島のことを仰々しく言いますが、国境を接していさかいがない国なんてありません。今の欧州も、それぞれの国が不満を抱えつつ、やはり平和が一番ということでなんとかやっている」
泥氏「隣り合った国で仲がいいためしはありませんね。日本人と韓国人が、個人的に仲が悪いことは仕方がない。問題なのは、政治的にそれを煽ることです。まさに今の自民党がやっていることです」
泥氏「民族憎悪は、悪口やジョークなどの形でいつもあります。しかし、戦争にまで発展することはない。本当に深刻な状態になるのは、政治的に煽られた時です。ダムや原発の建設を巡り、同じ町の中でいがみ合いますね。ましてや、国同士では何が起こるのでしょうか」
岩上「ヘイトスピーチの問題が数年前から深刻です」
泥氏「カルデロン・のり子さんが不法滞在とされた時に、彼女を在特会がバッシングをしていました。それを見たのが初めてです。ひどいやつらだと思いました」
泥氏「それから京都での朝鮮学校の襲撃。在特会のことを調べ始めたら、『在日特権』など、主張が出鱈目ばかりだということが分かった。『浄化活動』という言葉も使っていました。これを許してはいけないと強く感じました」
岩上「カウンター活動のような運動は初めてですか?」
泥氏「姫路で平和資料館を作ろうという市民運動を長くやっていました。ただ、下働きのようなもので、演説などはしていませんでした」
岩上「それがヘイトのあまりのひどさにキレて、デビューしてしまった」
泥氏「姫路でどのように組織的に運動するのか模索していました。その頃、私と在特会とのやり取りがネットで中継され、その様子を、C.R.A.Cの野間さんが見ていたそうです」
岩上「組織的な運動のきっかけはどういうものでしょうか」
泥氏「情報としては、在日の問題について左翼の方が運動しているのは知っていましたが、自分は関わることを避けていた。日本人として、ヘイトの連中は情けない。ただ人間として許せないです」
泥氏「その後、野間さんに会い、『男組に入れや!』と言われ『ええよ』ということになりました。カウンターの役割には3つの側面があります。一つは、とんでもないヘイトの暴力から周囲を守る。もう一つは論理的に勝つこと。そして社会的包囲する必要がある」
泥氏「彼らの暴力を物理的に封じ込めるのが、『しばき隊』や『男組』の役割です。また、社会的に包囲するためには、彼らを小さくしなくてはならない。核となる連中がいて、その周辺に面白半分で参加する連中がいる。最初に周辺の連中を強く罵倒し削ぐわけですね」
泥氏「関西で逮捕された事件、世間を騒がせたことに関しては謝罪します。ただ、やったこと以上のことを、あったことにされるのは違うと感じます」
岩上「報道では顏を近づけただけで逮捕されたことになっていますが」
泥氏「私も現場にいませんでしたが、これは暴力事件ではありません。今回の事件は昨年10月に起きた。それが今年5月に被害届けが出され、受理されています。不可解なところがあります」
泥氏「昨年のヘイトスピーチ違法判決の結果、また報道でも、在特会は悪者になりました。こちらが正義となった。ところが警察は、その構図ではやりにくいですね。『どっちもどっち』にしたい意図が反映された、今回の逮捕かもしれません」
岩上「つい最近、国連の自由権規約委員会から日本に対して勧告がありました。日本政府はそれに耳を貸す気配がないですね」
泥氏「警察だけでなく、日本全体が、人権無視の方向に傾いていますね」
泥氏「お役所にもいい所はある。決められたことはきっちりやるから、上が良ければ下まですべて良くなる。自衛隊に関して言えば世界に先駆け少年兵を禁止しました。また日本は劣化ウラン弾のような非人道的兵器は使っていません」
泥氏「これは憲法の精神が上からきているからです」
岩上「しかし、こと人権に関しては駄目ですね」
泥氏「どうも民族差別的な伝統があるのではないでしょうか。在日朝鮮人の無年金問題がありますね。政府の責任を問う裁判でも、判決は冷たいものでした」
泥氏「サンフランシスコ講和の時に、在日の方は国籍を失いました。ということは朝鮮戦争は、大日本帝国に臣民化されていたままの日本人同士の戦いということになりますね。そのことに対して、日本人は責任を感じなくてはいけないですね」
岩上「在日の方々も、自分の意志でそうなったわけではない。それに対してあのようなヘイトが横行する。こんな時に政府がそれを制する程度の理性を発揮しなくてどうするのか」
泥氏「国が率先してあのようなヘイトを止めなくてはいけないのに、それをしない」
岩上「集団的自衛権の行使を主張する時に、韓国や中国といった身近な敵が必要となりますね。ヘイトを放置する政府の意図も、同じ一点へとつながっていきますね。その挙げ句に、中東や、ウクライナや、地球の裏側に飛ばされることになるかもしれない」
泥氏「問題の根っこは同じですね。ただ、出所は全て自民党ですね。あの政党は腐っています」
岩上「たいへんお元気ですが、実はガンの闘病中だとか」
泥氏「お陰さまでガン細胞がどんどん減っています」
岩上「余命一年ということを耳にしていました。泥さんのここ最近の活動がすごく活発でしたので、『大丈夫だろうか』と心配していました」
泥氏「ストレスが溜まらなくなった面はありますね。好き勝手やっていますから。お母ちゃん、すいません」
岩上「自分の信じる道を進むという覚悟を感じさせます」
泥氏「私は浄土真宗のスチャラカな信徒です。不思議ですが、『南無阿弥陀仏』を唱え、いつお迎えが来てもいいなと、いつの頃からか思うようになりました」
以上で「集団的自衛権に反対する元自衛官・泥憲和氏インタビュー」の実況を終了します。
動画記事は、準備が整い次第IWJのトップページにアップいたします。(http://iwj.co.jp/ )
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