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安倍氏の地球儀外交
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52624779.html
2014年07月28日 在野のアナリスト
最近、朝日新聞が原発関連でスクープを連発しています。吉田元福島第一原発所長の証言から、関電元副社長による歴代総理への裏金献金を報じました。朝日る、という言葉があるぐらい大手紙としては特異な傾向をもつ新聞社ですが、政府や原発に否定的だからこそ、こうしたスクープが集まってくる。極端に右、左のメディアであっても、存在意義があるのはこうした点なのでしょう。政府べったりのメディアばかりだと、暴露記事をもちこんでも、もみ消される懸念がある。政府に批判的なメディアのあることが、その国の健全性をはかる指標なのかもしれません。
安倍首相がカリブ共同体(カリコム)加盟国との首脳会談を行って、ODA対象国以外にも財政支援を拡大する意向を示しています。安倍首相の外遊を、地球儀外交などともち上げるメディアもありますが、今はただ海外旅行が趣味の人が、公費で海外にでかけているだけに過ぎません。さらに相手国に受け入れてもらうため、多額の援助という、お土産まで準備する。ODAはあくまで貸付で、返済義務もありますが、今回の財政支援の仕組みが分かりませんが、下手をすればただのバラマキに終わる可能性もある。ムダ遣いにもなりかねませんが、今は外務省もそれを後押しします。
外務省悲願である、非常任理事国入りに各国の同意が必要であり、安倍氏を海外に連れていって支援を約束する、という形が都合いいからです。しかし金で票を買う、ということにもなり、しかも実際に投票してくれるかも分からない。お金より、親密度をあげる外交が必要なはずですが、外務省がそれを怠っていれば、これが本当にムダ金になりかねません。すべては外交です。
昨日のコメントにも書きましたが、安倍政権が集団的自衛権を解釈変更で行使できるようにするのは、外交力のなさを軍事力でカバーしよう、というものに過ぎません。日本のヘイトスピーチが国際的に問題とされ、中韓の反日行動が問題視されないのも、外交力の差です。それを、中韓への批判や攻撃にすり替えるメディアもありますが、すべては日本の外交が力不足で、国際世論をまとめる力がないために起こります。逆に、中韓はそれができているからこそ、ヘイトスピーチや慰安婦でも、国際的な非難の発言をとりつけることができている、ということなのです。
安倍政権の支持率が、日経の世論調査でも50%割れしてきました。今日の株価上昇も、支持率の低下で株価対策を期待したものでは? との話もありますし、法人税減税までは企業も協力せざるを得ず、業績見通しを悪くだすはずがない、として思惑買いとの見方もあります。いずれにしろ、安倍政権の力が衰えれば衰えるほど、様々な思惑が交錯する。それが、安倍政権の情報発信力の限界であり、ネガポジという奇妙な状況が、この日本に現出しつつあるのです。
外務省がめざす国連の非常任理事国入り、安保理改革も、シリアやウクライナ、ガザ侵攻とこれだけ国連の無力さを見せつけられ、今さらの感があります。それより国連のもつ、日本を適性国とする条項を見直させ、大戦前の国際連盟化しつつある、今の国連との距離感を考えるべきかもしれません。何より国連で力をもっても、外交力がない中で、米国の追認国となるだけなら入らない方が、国際的な非難も浴び難いといえるのでしょう。
安倍氏のめざす地球儀外交、地球儀が初めて登場したのは、紀元前のキリキア人クラテスの作と伝わります。クラテスはストア派、ストア派は「憤怒、羨望、嫉妬から解放されること」を解き、道徳的、倫理的幸福をめざす学派です。安倍氏の地球儀外交、安倍政権のめざす方向性は、ストア派のものと真逆、ということは記憶しておいてよいのかもしれませんね。
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