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タマゴかけご飯が好きな安倍総理の地方創生策が成功しそうにない理由
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20140721-00037575/
2014年7月21日 11時22分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト
自分はドリルの歯となって規制という岩盤を切り崩しているという安倍総理。
昨日、神奈川県で開催されたサマーコンファレンス2014「たくましい国」日本創造フォーラムに参加した安倍総理は、またそんなことを述べたのだとか。
どう思いますか?
私は、規制や旧体制が打破されているどころか、むしろその逆だと思うのです。つまり、既得権を保護するように進んでいる、と。
例えば、タクシー営業の自由化にしても...或いは、タバコの販売許可制度にしても...天下りだって、もう以前と同じ。
違いますか?
安倍総理がドリルの歯となって切り崩しているのは、憲法の解釈だけなのです。もう跡形もなく切り崩された憲法!
しかし、本日指摘したいのはそれだけではないのです。
安倍総理は、地方の創生こそが今後の経済発展のカギであると言いたいようですが...そして、多くの国民も自分たちの住んでいる町がまた以前のように活気を取り戻すことを望んでいると思うのですが...しかし、安倍総理の言うことは全然説得力がないのです。
では、先ず安倍総理が話したことを紹介したいと思います。
「中でも、最も大きな可能性を秘めているのが、個性あふれる地方の創生です。本日、参加されている皆さんの中にも、景気回復の波は自分のところには届いていないという方が、たくさんおられると思います。加えて地方は、人口急減、超高齢化という深刻な課題に直面をしています。各々の地域で、若者が将来に夢や希望を持って元気に働き、子供を育て、次世代へと豊かな暮らしをつないでいく、そんな魅力あふれる地方を創造していかなければなりません。金太郎飴みたいなまちを作っても、本物の東京や大阪に太刀打ちすることはできません。それぞれの地域に本物の地域があるはずであります。この課題に政府一丸となって本腰を入れて取り組むため、私はその司令塔となって、全閣僚が参加をする「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げ、地方の創生に取り組んでいきます」
安倍総理は、地方創生のために、「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げるなんて言っていますが...なんとセンスのないネーミングでしょうか。
まち・ひと・しごとだなんて...
もう少し、語呂がよくならないものなのでしょうか。
それに、そもそも地方の創生などという発想がおかしいのです。なぜかと言えば、「地方」というのは中央からのものの見方でしかないからです。おらが町、おらが村を発展させたいと思う住民からすれば、そこは地方ではないのです。
「 先日訪れました鳥取では、私の最初の政権の時に使った「ふるさと納税制度」をうまく使って、地元のビールや大山ハムを納税者にプレゼントしたところ、多くの人に知ってもらうきっかけとなり、売上を大きく伸ばすことができたそうであります。地方にとっては何でもないものが、全国区の特産品に化けるということになります。そんなふるさと名物を全国中の人に知ってもらいたい、国も地方の取組を積極的に応援する法律を用意しようと思います」
安倍総理は、ふるさと納税制度がさも成功しているかの如く語りますが...しかし、マクロ的にみれば全く非効率な税の徴収方法にしか過ぎないのです。
確かに一部、ふるさと納税制度を利用して税収を大きく増加させ、そして、故郷の物産の売り込みに成功している自治体があります。しかし、日本の自治体の全てを一つとして考えると、ふるさと納税を選択する人々に地方の名物などをプレゼントしたりするので、その分が余計な出費になっているのです。
ですから、個々の自治体の立場で、このふるさと納税の制度を巧く活用したいという首長がいたとしても、全国を大きな目で眺める必要がある総理や閣僚たちが、このふるさと納税の制度を極めて優れた制度のように言うことは、全く理解ができません。
「国家戦略特区として、創業支援に力を挙げている福岡市のベンチャー企業の方々の熱い思いと悩みを伺いました。各々の地域が若者を引きつけるためには、次々と新しい企業が誕生し、また中小・小規模事業者が積極的に新しい事業にチャレンジできるようにしなければなりません。ほとんどの中小・小規模事業者の借入には、個人保証がついています。一度失敗すると全てを失ってしまう、これが日本において、新しい起業に取り組もうとする人々の意志をくじいていると言ってもいいと思います。そして、再チャレンジ自身を防いできた大きな原因は、この個人保証制度と言ってもいいと思います。一回事業に失敗したら、生活の根底から崩され、もう一回挑戦することは難しくなっていきます。一回失敗した経営者の方が、その経験を生かして次の事業に挑戦しますから、例えばアメリカでは、一回失敗した経営者のほうがお金を借りやすくなる。一回失敗した人のほうがいいんですね。これは一回総理大臣を失敗した私が言うんですから、間違いありません。今年2月に、個人と会社の資産を区分してしっかり管理していれば、個人保証がなくても融資が受けられるよう、新たなガイドラインを作りました。既に、政策金融公庫と商工中金では、このガイドラインのもと、個人保証なしの融資を実行しています。個人保証の慣習を断ち切ることが、元気な地方を作ることになると、そう確信しております。そして、地方のベンチャー企業の最大の悩みの種は、ファンドが広がらないことであります。創業10年以内の中小ベンチャー企業の商品サービスについては、競争入札ではなく、随意契約による優先調達を活用して、優先的に調達する仕組みを作っていきます。早速この秋の臨時国会には、地方創生に関連する第一弾の法案を提出をし、スピード感を持って支援に全力を入れてまいります」
個人保証を求められることがベンチャー企業の育成にとって大きな障害になっていると言いたそうな安倍総理。
確かに、お金を借りる側からすれば、個人保証を求められることがなければどんなに楽であるでしょう。では、お金を貸す金融機関の側からすればどうなのでしょうか? 例えば、不動産担保などが十分であれば敢えて個人保証を求めるまでもないでしょうが...しかし、めぼしい担保もないなかで、個人保証も拒否するような借入希望者にお金を貸すことなどできるでしょうか?
普通、それは無理というものではないのでしょうか?
もし、個人の保証もなしにお金を貸していいという金融機関があり得るとすれば、どの金融機関から見ても、その企業の将来性に関して確たる証拠がある場合だけでしょう。
結局、安倍総理の言いたいこと、或いはしたいことは、過去、石原都知事時代に東京都が銀行を作ることによって実験したことと同じようなものではないですか!
民間金融機関が企業に対する新規融資に積極的でないのであれば、東京都が銀行を作って景気をよくするなんて大見得切った訳ですが...結局、買い倒れが続出しただけでした。
「地方と並んで日本で生かしきれていない大きな潜在力は、女性の力であります。今日の盛大なコンファレンスにも、これだけ大きな会場であるにも関わらず、女性の皆さんの姿はちらほら程度であります。飯塚市で先般お会いした養鶏場の女性経営者は、消費者との交流を通じ、卵のみならず、女性の目線からインターネットを活用して、とても美味しい特産プリンやアイスクリームといった卵製品の販売・流通にまで事業を拡大し、農業の6次産業化のモデルケースとなっていました。私は卵かけご飯が大好物なんですが、ここも女性経営者の目線から、ネギをトッピングするというアイデアを出しました。そこでネギをトッピングして、私が卵かけご飯を試食したら、とっても美味しかったんですね。これも大変な人気だそうであります。私の目指す地方の創生にも、女性の力が大切だ、このように実感しました。女性の皆さんには、何歳からでも是非チャレンジしてほしいと思います。女性が働きやすい環境を作るため、保育所を抜本的に拡充して、この国から待機児童という言葉をなくしていきます。小学校を学童保育の場として活用することによって、「小一の壁」も突き破ります。日本青年会議所が先頭に立って、女性が輝く社会を実現してもらいたいと思います」
女性の能力について言及するのであれば、もっと良い例はなかったのでしょうか?
ネギをトッピングしたタマゴかけご飯、だなんて。
この程度のアイデアしか出ない現政権!
私は、地域の活性化にしても、ベンチャー企業の活躍にしても、或いは女性の社会進出にしても、政治家がごちゃごちゃ口出しするのが、一番問題であると思うのです。
政治家は黙っていろ、と。
あなた方がやるべきことは様々な規制のしがらみをなくすことなのです。にも係らず、実際にやっていることは、規制を強化するようなことばかり。早い話、民間企業の女性の幹部の比率を政府が決めること自体が一つの規制でもあるのです。
以上
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