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2014年07月17日 「ジャーナリスト同盟」通信
<宇都宮徳馬の目の覚めるような35年前の主張>
平和・軍縮派の宇都宮徳馬が、いま生きて永田町を見聞したと仮定すると、どうだろうか。衝撃で卒倒、戦争遺児・影山友子のように大動脈が切れて命を落とすかも知れない。集団的自衛権は、他国の戦争に自衛隊が参戦することである。戦争放棄の日本国憲法が断じて許さない政府への縛りだ。それを、あろうことか憲法と法律より下位の閣議決定で強行したのだから。しかも、立党以来、平和を公約してきた公明党が、事実上、それを決断したことで強行された。まともな日本人なら、動転して血圧が上昇して倒れても不思議ではない。7月15日、埴生の宿の本棚を40年ぶりに整理していると、1枚の黄色くなった新聞の切り抜きを見つけた。それは35年前の宇都宮衆院議員の鋭い、目の覚めるような主張である。
<いち早く言論の腐敗を射ぬく>
1979年5月28日付の毎日新聞「新聞を読んで」に宇都宮が寄稿したものだ。「厳しく自由な言論を」「権勢の悪業に目を据えて」と日本のジャーナリストを叱咤激励している内容である。
冒頭から日本の新聞にうんちくのある表現を用いて警鐘を鳴らす。
「私は新聞用紙や、印刷用インクについての知識を全く持たないから、その理由がどこにあるか分からないが、私の目には読売は青黒く、毎日は黄色っぽく、朝日はその中間色にみえる」
読売は戦時中、彼が軍部批判の論陣を張った新聞である。戦後、読売への彼の影響力によって、当時、共産党に所属していた渡辺恒雄の保証人になって入社させた。彼はその後、宇都宮事務所のO秘書の姉を結婚相手に選んだが、振られてしまった。其の代わり、渡辺の仲人を宇都宮が引き受けた。
宇都宮が支援した読売は、既に70年代から右へ、右へと傾斜していた。そのことを、ズバリ指摘している。渡辺を「忘恩の徒」だと筆者に言い放って当然だった。
いま毎日は信濃町へと傾斜して久しい。朝日も精彩を欠いてしまっている。79年の宇都宮の鋭い指摘は今も生きている。
「私は戦時中、毎朝、まずその黄色っぽい紙面を手に取った。空虚な大本営発表記事や東條演説がごてごてと載っている1面中段以上には目も触れず、最下段の小さなコラムに目を向けた」とも。
<甘いロッキード・グラマン事件追及の新聞>
「政治の客観性」を強調するあまり「権勢におもねるような記事ばかりになる」と決めつける。東條内閣と対決してきた本物の言論人は、既に70年代に今日の現状を予想していたのである。
戦争責任者の旧内務官僚が主導した読売である。そのころから、いっぱしの言論人に送り込んだはずの渡辺が、右翼に転向し、頭角を現していた内部事情をえぐり出している。
彼が戦犯容疑者で国粋主義者の岸信介を決して容認したことはなかったことは有名である。筆者が同じく国家主義者の中曽根康弘に批判の矛先を向けたのも、宇都宮の遺言だったからだ。彼はまた、政治の腐敗に言及しながら、しかし、新聞の追及の甘さを指摘していた。
「ロッキード事件、これに続くグラマン事件を各新聞は取り上げているが、徹底的に追及する態度は、ウォーターゲート事件におけるアメリカのジャーナリストとは質的な違いがある。それは金大中事件等韓国との癒着の追及にもいえる」
ロッキード事件は、田中角栄事件に矮小化・すり替えられたが、本丸は中曽根康弘と児玉誉士夫、そして岸である。共に渡辺の盟友たちだ。当時の読売社内で「渡辺疑惑に社会部が燃えた」と彼の前任政治部長だった多田実が、筆者に証言している。
岸内閣時代に「岸氏等によるグラマン・ロッキード等の戦闘機汚職は密かに始まっていた」と断罪した宇都宮は「小悪は罰せられ、巨悪は逃れる」とも今でいう国策捜査を厳しく批判した。
<国家主義・国粋主義の日本にしてはならない>
戦前の政治制度を国家主義・国粋主義、国民の人権・自由を否定する反民主的な政治制度である。人類史における最悪の政治制度である。
天皇制をからめた天皇制国家主義が正しい。これが軍国主義の日本、侵略国家を可能にしたのだが、その基盤が国家神道である。安倍が靖国参拝に執念を燃やすのも、文字通り戦前回帰を意図しているからだ。
これを地底で操作する財閥を日本の文化人・識者は見逃している。財閥が動かす安倍政治なのだ。国家主義の復権を許してはならない。
<自公一体の改憲軍拡政策>
最近の事例でも4月1日に武器輸出3原則をぶち壊し、5月30日のシンガポールでのアジア安全保障会議で安倍の初参加、6月16日のパリでの国際武器展示会に三菱重工・東芝など日本の武器弾薬メーカーがそろって参戦した。その速度は早すぎる。自公体制の悪しき華々しい戦果である。
6月26日のNHK番組で公明代表の山口が、集団的自衛権行使容認を表明した。自公一体の改憲軍拡政策を読み取れる。SOSを発しない新聞に、泉下の宇都宮の衝撃も理解できるだろう。
2014年7月17日記
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