http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/604.html
Tweet |
森ゆうこ前参議院議員の誤算
http://www.sakurafinancialnews.com/news/9999/20140713_5
2014年07月14日 00:33 JST さくらフィナンシャルニュース
●政治家がいち市民を訴える謎
森ゆうこ前参院議員にとっては、予期せぬ展開だったに違いない。
本サイトで既報したように、森氏が「一市民」を訴えた名誉毀損裁判は、本人尋問が実施されることなく、早々と結審して、7月18日に判決が下される運びとなった。
こうした流れからすると、勝敗の行方が見えている。森氏の敗戦色が濃くなった。
そもそもマスコミがタブー視しているこの裁判の背景には、何があるのだろうか。
森氏が500万円の損害賠償と、被告に対する執筆活動の制限を求めて、提訴したのは昨年の10月2日。一方、?辣腕?政治家により、法廷に立たされることになったのは、元旭化成の役員で、『最高裁の罠』(K&Kプレス)の著者、ブロガーの志岐武彦(72歳)氏である。
影響力がある元国会議員がひとりの市民を提訴するのは異例だ。
繰り返しになるが、マスコミは一切、この提訴を報じなかった。最高裁事務総局の裏面を暴露するプロセスをはらんだ裁判であるにもかかわらず、報道を避けたのである。
裁判の発端は、小沢一郎議員が2010年に東京第5検察審査会の議決で起訴され、最終的に無罪になった事件である。起訴直後から、小沢氏の支持者の間で起訴に対する疑問の声が広がった。起訴が決った日と、小沢氏と菅直人氏が争った民主党の代表選の日がぴたりと重なったからだ。偶然にしては、あまりにも不自然だという声が上がったのだ。
その結果、小沢起訴に持ち込んだ第5検察審査会を調査する動き始まった。その先鋒に立ったのが森氏と志岐氏(市民グループ)だったのだ。
ちなみに検察審査会とは、「検察」の名前を付しているが、最高裁事務総局に属し、検察が不起訴にした事件を「審査」する機関である。
ある時期まで森氏と志岐氏は共同歩調を取っていた。志岐氏が最高裁や検察などに対する情報公開請求で入手した資料を森氏に提供し、森氏がそれを使って国会質問を展開する流れがあったのだ。
こうした中で重大な疑惑が浮上する。第5検察審査会は架空だったのではないかという疑惑である。当然、小沢氏に対する起訴議決が、でっち上げだった可能性が輪郭を現してきたのだ。
●ロシアのサーバを通じて届いた捏造報告書
推論の客観的根拠のひとつは、森氏が議員の職権を使って、検察審査会の審査員を選ぶPC上のクジ引きソフトを検証したところ、まったくのイカサマである事実が判明したことだ。手動で審査員候補の名前を入力したり、削除することができ、しかも、「クジ引」の終了後は、入力や削除の跡が消える仕組みになっていたのだ。この点に関しては、森氏の著書『検察の罠』に詳しい。
また、検察審査会が議決を下す前に実施が義務付けられている検察官による事情説明が行われていなかったと推測される証拠が明らかになったのだ。志岐氏らが情報公開制度を利用して、検察に対し担当検察官の出張記録を調査したところ、この人物が議決前に第5検察審査会に出張した形跡がないことが分かったのだ。
他にも数々の根拠が明らかになり、最高裁事務総局の信頼が失墜し始めたのである。が、事態は突然に一変する。最高裁事務総局を追求する流れとは、別の動きが新たに現れたのである。
それが『週刊朝日』のスクープだった。検察が第5検察審査会に「小沢は黒」と印象ずける捏造報告書を送った事を、同誌がスクープしたのだ。最高裁事務総局による工作説を否定し、検察による工作説が登場したのである。
さらに捏造報告書は、検察問題を追及している八木啓代氏(歌手・作家)にも、ロシアのサーバーを通じていた。
これを機に森氏は、八木氏と共同で検察の責任を追及するようになったのだ。そして、第5検察審査会に審査員は存在したが、捏造報告書に誘導されて、小沢氏に対する起訴議決が下されたとする「検察による誘導説」が、巷に広がり始めたのである。
志岐氏には、それが問題の本質をすり替える行為に感じられた。最高裁事務総局の不正は、国家の大スキャンダルになるので、いわくつきの小沢起訴の責任を検察に転嫁させる世論誘導と感じたらしい。
こうして両者の論争が始まり、森氏が志岐氏を提訴するに至ったのだ。志岐氏にとって、それは最高裁事務総局の責任を追及する勢力に対する口封じに感じられたことは言うまでもない。
判決は7月18日の13時10分に、東京地裁705号法廷で言い渡されるに言い渡される。【了】
黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)/フリーランス・ライター、ジャーナリスト
1958年兵庫県生まれ。会社勤務を経て1997年からフリーランス・ライター。「海外進出」で第7回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞・「旅・異文化テーマ賞」を受賞。「ある新聞奨学生の死」で第3回週刊金曜日ルポ大賞「報告文学賞」を受賞。『新聞ジャーナリズムの正義を問う』(リム出版新社)で、JLNAブロンズ賞受賞。取材分野は、メディア、電磁波公害、ラテンアメリカの社会変革、教育問題など。著書多数。個人サイトに「MEDIA KOKUSYO」(http://www.kokusyo.jp)
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK168掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。