http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/596.html
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内実としては“海外派兵要件緩和・日米安保条約実質改定”を意味する「集団的自衛権行使容認」の閣議決定後世論調査を行ったメディアは、軒並み、安倍政権の支持率低下を報じた。
阿修羅でも、安倍政権の支持率が高いときはでっち上げの数字と非難してきたのに、支持率が低下した途端、世論調査の数字を“本当のこと”のように受け止める雰囲気がけっこう溢れた。
自戒しているが、ひとは見たいように見て聞きたいように聞く傾向をもっている。安倍政権支持率の世論調査結果に対する反応もそのような性質の一つと指摘できるだろう。
ここ数日奇妙な投稿をしてきたように、安倍政権は、「非親米・従米」的立場を鮮明にし、米国支配層に対して面従腹背の度合いを深めている。
そうなった要因の一つとして、国賓で訪日したオバマ大統領が、日米関係は米中関係のサブセットと日本国民に向かって語ったことを指摘できる。
「集団的自衛権行使容認」の閣議決定にも、米国から十数年にわたって言われ続けてきたからとりあえずは行うが、身勝手で何をしでかすかわからない米国の武力行使に協力して自衛隊員の命や身体を危険にさらすことはできるだけ抑え込みたいという意図が見える。
そのため、14日・15日の国会審議で質問に立った野党のほとんどが、閣議決定の内容はどういう意味なのかわかりにくいと嘆くことになった。
面従腹背的逃げ方としては、もっといいやり方があり、あまり利口な内容ではないと思っているが、それについては機会があれば説明したい。
安倍政権の支持率が「集団的自衛権行使容認」閣議決定後の世論調査で実際に低下していることは間違いないだろう。
なぜなら、そうなるようにもメディアも動いてきたからである。
歴代の法制局長官が、ちんけな雑誌に寄稿したというのならわかるが、NHKなど主要メディアで、「集団的自衛権行使は違憲」という見解を表明してきた。このような言論活動が、政権の“許諾”なしに行われたとは考えにくい。
何度か投稿もしたが、「集団的自衛権行使容認」に対する世論調査の結果は、いつも、反対が賛成を上回っていた。
3月17日に投稿した「憲法解釈変更先送りで検討 与党に配慮、夏以降か:安倍首相は既に「集団的自衛権の行使は違憲」と答弁:それを無視するメディア」( http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/882.html )で紹介したが、安倍首相自身が、3月14日の国会審議で、「集団的自衛権の行使は違憲」と明確に答弁している。
問題は、昨年2月末の冷遇された訪米まで大成功とウソをつくほど安倍政権の提灯持ちに徹している主要メディアが、なぜ、支持率低下や集団的自衛権行使不支持という世論調査を報じているのかという意図である。
答えは一つしかないだろう。
安倍政権は、日本国民が米国が求める海外派兵を強く忌避していることを米国支配層に示したいのである。そうすることで、今後米国政権から要請される海外派兵をぎりぎりまで拒否する盾にしたいと思っている。
※ NHKの記事については、世論調査のグラフや図表を使いながら説明しているものなので、「くらし☆解説 「集団的自衛権と国民の視線」」のページに移動してお読みになられることをお奨めします。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/193069.html
※ 関連参照投稿
「日本が戦争に巻き込まれるより、自分たちが米国に見捨てられるほうがコワいと思っている安倍首相たち」
http://www.asyura2.com/14/senkyo167/msg/793.html
「リベラル派安倍総理総裁は憲法第十八条を根拠に徴兵制は違憲と断定:石破氏は幹事長職を辞すべき」
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/439.html
「自衛隊員の任務は苦役:GHQの占領政策を今なおありがたがっている日本が「国家の生存権」に固執??」
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/442.html
「集団的自衛権:日本の行使容認を歓迎する米国の意図」
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/538.html
「日本が広げているのは「保護の傘」ではなく野心である:そう言いたいのはわかるが、実相は「米国に対する日本政府のすがりつき」」
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/585.html
「北ミサイル連発の狙いは「日本の“海外派兵要件緩和=集団的自衛権行使容認”政策」に対する援護射撃や祝いの打ち上げ花火」
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/582.html
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くらし☆解説 「集団的自衛権と国民の視線」
2014年07月16日 (水)
島田 敏男 解説委員
(岩渕)
こんにちは10時5分を回りました。岩渕梢です。きょうの「くらし☆解説」の担当は、島田敏男解説委員です。テーマは「集団的自衛権と国民の視線」ということで、政府が閣議決定した憲法解釈の変更を、国民の皆さんがどう見ているかですね?
(島田)
◇はい。集団的自衛権というのは「密接な関係にある他国に対する攻撃を、自分たちへの攻撃とみなし、実力をもって阻止する権利」です。
◇歴代内閣は「それを行使するのは憲法上許されない」としてきたんですが、安倍内閣は今月1日の臨時閣議で、限定的に行使できるという解釈に変更しました。
◇しかし、今月のNHK世論調査を見ますと、国民の受け止めはかなり厳しいです。
Q1)それが安倍内閣の支持率にも影響しているのですね?
◇こちらです。安倍内閣を支持すると答えた人は、先月より5ポイント下がって47%、支持しないは6ポイント上がって38%でした。
◇第2次安倍内閣の発足以後、支持率が50%ラインを割ったのは初めてで、支持すると支持しないは、わずか9ポイント差まで接近しました。
Q2)支持率が低下している原因は、集団的自衛権の問題ということですか?
◇それを言う前に、安倍内閣の高い支持率を支えてきた経済政策に対する期待感に変化が出ていまして、「経済政策を評価する」が先月より4ポイント下がっています。
Q3)これはどうしてなんでしょう?
◇やはり背景には、景気回復の実感が国民の間に広がっていないという現実があります。
◇消費税率は引き上げられたが、賃金引き上げの恩恵が自分には回って来ていない。
株価も横ばいで先行きが楽観できないといった声が期待感に陰りを生んでいるようです。
Q4)それに加えて集団的自衛権の問題ということですか?
◇そうなんです。こちらにあるように、安倍内閣はこれまでの政府の憲法解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしました。これを評価するか、しないか。
◇評価する38%に対し、評価しないが56%に上りました。
◇これを詳しく見ると、与党支持者では評価するが6割台だったのに対し、野党支持者と無党派層では7割が評価しないと答えています。
Q5)これをどう見たらいいんでしょう?
◇与党支持者でも評価する人が圧倒的に多いわけではなく、一方で野党には集団的自衛権行使に賛成する政党もあるのに評価しないが高い割合を占めているということです。
Q6)その結果、全体では、評価しないと答える人が半数を超えているんですね?
◇はい。そしてその傾向を生みだしているのが女性です。男女の別に見ますと、男性では評価するが半数に達していますが、女性では6割以上が評価しないという答えです。
◇今も昔も、軍事力を使って何とかという勇ましい話には、女性は強い警戒心を抱くものですよね。その女性に理解してもらうには説明の努力がまだまだ足りないということです。
Q7)今月の世論調査では、議論や説明が十分かどうかも聞いていましたよね?
◇こちらです。集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行うにあたって、十分な議論が行われたと思いますか。行われなかったと思いますか。どちらともいえませんか。
◇結果は、十分な議論が行われなかったが59%に上りました。
◇閣議決定に至る自民党と公明党の協議では、突っ込んだ議論が交わされたようですが、非公開の場での議論でしたから、国民の側には十分な議論と映らないのは当然です。
Q8)閣議決定ですから、基本的には政府の責任で行ったということですよね?
◇そうです。そしてその責任には、当然、国民への説明責任も含まれます。
◇安倍内閣の「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているため、集団的自衛権を限定的に行使できるようにする必要がある」という説明に納得できるは42%でした。
◇納得できない51%が納得できるを上回っていて、どうも政府の説明にリアリティーを感じないという受け止めの人が少なくないようです。
Q9)政府は「歯止めはかけられている」と強調しますが、この点はどうでしょう?
◇ こちら。安倍内閣は「憲法で許される武力行使は自衛のための必要最小限度のもので、その歯止めはかけられている」と説明しています。
◇しかし、納得できるは36%で、納得できないが58%に上っています。
◇先ほど、今回の閣議決定に対し女性の受け止め方が厳しいとお伝えしましたけれども、この歯止めの説明に対しても、女性では納得できないが64%に上っているんです。
Q10)集団的自衛権の行使に関して、政府の説明が浸透しているとは言えないですね?
◇おとといきのうと、この問題での国会中継がありましたが、まだまだこうした国会での論戦が足りないということです。
◇22年前に今のPKO協力法が成立した時も、ほぼ1年近くにわたって政府と与野党が国会で論戦を交わし、修正も加えて初めての自衛隊海外派遣の法律を作りました。
◇今回の集団的自衛権の問題は、あの時以上に日本にとっての大転換を図るものですから、政府が関連法案を提出する前も後も、さらに深く掘り下げた議論が必要だと思います。
Q11)それともう一つ、きょうは原子力発電所の運転再開に向けた動きがあるようですね?
◇鹿児島県の九州電力川内原子力発電所に関する原子力規制委員会の審査が終了します。
◇政府は安全を確認した原発の運転を再開する方針ですが、国民の受け止めは厳しいです。
◇数か月おきの調査結果を見ると反対が4割前後で最も多く、どちらともいえないが3割、賛成が大きく伸びていないのが現状です。
◇経済界は原発再稼働を急ぐべきだと言いますが、あまり急ぎ過ぎると国民の反発を買うことになります。安倍総理にとって、要注意の課題と言えます。
Q12)最後になりますが、各政党の支持率はどうだったんですか?
◇自民党が34・3%で一強は変わらず、これに各党が続いています。ただ、自民党にも陰りが見えていて、内閣支持率同様に2か月続きで低下しています。
◇滋賀県知事選挙で自民党と公明党が推した候補者が元民主党衆議院議員に敗れ、集団的自衛権や原発再稼働について、国民に丁寧に説明する必要があるという反省が出ています。
◇そうした反省をどこまで実行に結びつけることができるかが注目点です。
Q13)一方で野党側に国民から期待されるものは何でしょう?
◇やはり日本の将来に深く関わる集団的自衛権の問題や原発問題で議論を深め、どこまで明確な主張を展開できるかです。数集めの離合集散の駆け引きよりも、こちらが重要です。
◇こうした国の基本に関わる問題で今の野党各党は考え方がまちまちですが、野党であるならば政府・与党に対してどう向き合うのか、その姿を明確に見せてもらいたいですね。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/193069.html
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