29. 2014年7月17日 03:20:26
: Pllplt15Tg
国会論戦の詳報 2014年7月14日の衆院予算委から閣議決定 拙速ではない 首相 集団的自衛権行使を限定容認する新たな政府見解の閣議決定などを巡る、14日の衆院予算委員会での主なやりとりは次の通り。質問者は高村正彦(自民)、北川一雄(公明)、海江田万里、岡田克也(以上民主)、松野頼久、今井雅人、山田宏、桜内文城(以上維新)、浅尾慶一郎(みんな)、柿沢未途(結い)、笠井亮(共産)、村上史好(生活)の各氏。()内は所属政党。 ■閣議決定 海江田氏:今回の閣議決定は国民の声を無視している。国会で議論していない。 安倍首相:「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を作ったのは第一次安倍政権の時だ。足かけ7年、2年半にわたって議論した。提言をもらったのは5月。検討の方向性を示して以降、与党で11回、濃密な議論を重ねてきた。国会でも、5月中旬以降だけでも70人の議員から質問があった。閣議決定そのものが拙速だったという指摘はあたらない。 高村氏:「最初から国会で審議すればいい。なぜ閣議決定を最初にするのか」と質問する人もいる。 首相:これまでの憲法解釈のままでは国民の命と平和な暮らしを守り抜く上で必ずしも十分な対応が出来ないおそれががある。政府としては今までの解釈と違った法律をいきなり出すわけにはいかない。閣議決定を行い、その後に法律を整備していく。 高村氏:6月中ぐらいには結論を出す必要があると首相も思っていた。なぜ6月中なのか。 首相:日米防衛協力の指針(ガイドライン)の見直し作業を本年末までに行う。それに十分に間に合うように基本方針が固まっていることが望ましいと考えていた。 桜内氏:今回の閣議決定は解釈改憲ではなく、解釈の一部変更だ。立憲主義違反には当たらない。 首相:今回の閣議決定は憲法の規範性を何ら変更するものではない。これまでの政府見解の基本的な論理の枠内における合理的な当てはめの結果だ。従って、ご指摘の通り今回の閣議決定は何ら立憲主義に違反するものではない。 柿沢氏:他国を守るのが集団的自衛権なのに首相は記者会見で「外国の防衛それ自体を目的とする武力行使は行わない」と話した。今回の閣議決定は他国を守る集団的自衛権の行使容認ではなくなるのか。 首相:日本の存立や国民の権利を守るために、外形的に国際法上の集団的自衛権の行使を行い得ると考えている。単純に他国を守ることを目的としていないことは明確だ。 憲法解釈変更の限界 海江田氏 ■新3要件 海江田氏:他国への武力攻撃の発生と、我が国の国民の権利が根底から覆される明白な危険があることが、どうつながるのか。 首相:個別、具体的に判断する必要がある。判断にあたっては、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮して、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることになる犠牲の深刻性、重大性などから判断することになる。 北川氏:我が国と密接な他国への武力攻撃で、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるとはどんな状況か。 横畠祐介内閣法制局長官:他国に対する武力行使が発生した場合において、武力を用いた対処をしなければ、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であることをいう。 海江田氏:閣議決定は解釈変更の限界で、これ以上は憲法改正をせざるを得ないか。 首相:武力行使について(集団的自衛権などが認められるための)新3要件を超えるものは当然、憲法改正の必要がある。 今井氏:いかなる状況でも多国籍軍への参加はしないのか。 首相:他国の軍隊と共同のオペレーションで、どこかの都市を攻撃したり、その国の軍隊と戦うということはしない。 山田氏:(邦人輸送中の米艦防護など与党協議で議論された)集団的自衛権の8事例はクリアできているのか。 首相:あくまでも3要件に当てはまるかどうかであり、当てはまれば、武力行使が出来る。 浅尾氏:新3要件の「密接な関係にある他国」とは米国以外も含まれるか。 首相:一般に外部からの武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国を指すと考える。米国は基本的にこれにあたる。米国以外の外国がこれに該当する可能性は現実には相当限定されると考えている。 浅尾氏:米同時テロは新3要件に該当するか。 首相:あてはまらないと考える。 浅尾氏:米同時テロの時と対応が変わらないなら、日米同盟の抑止力向上にならないのではないか。 首相:新3要件で集団的自衛権が行使できることになる。例えば、近隣諸国の有事における邦人のみならず難民の避難で、日米が協力できるようになるということは、日米で共同して日本人、米国人も含め地域の人々の安全を守る行為を一緒にやることだ。あるいは平時から米軍と自衛隊が共同訓練や共同演習を進めていくことになる。当然、同盟関係の絆が強くなり、抑止力は向上する。 シーレーン掃海 どこまで 高村氏 ホルムズ海峡の紛争 死活的 首相 ■集団安全保障 高村氏:日本有事の際、日本が個別的自衛権を行使し、その時に国連安保理決議が出た場合、武力行使はそのまま続けて良いか。 横畠長官:新3要件を満たす武力行使であれば、国際法上の根拠が国連安保理決議になったとしても、武力の行使をやめなければならないということにはならない。 ■シーレーン 高村氏:シーレーンでの掃海活動はどこまで出来るのか。 首相:ホルムズ海峡は我が国が輸入する原油の8割、天然ガスの2割強が通過して日本にやってくる。仮にこの海峡で紛争が発生し、機雷が敷設された場合、相当な経済危機が発生したと言える。機雷が除去されなければ危機として存在し続ける。石油供給が回復しなければ、我が国の国民生活に死活的な影響が生じ、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されることになる事態が生じ得る。 岡田氏:ペルシャ湾に機雷が設置されて日本に石油が入ってこないことと、我が国が直接の攻撃を受けた場合は同等の被害か。 首相:ホルムズ海峡が機雷封鎖される中において、国際経済状況、原油価格の状況、原油の供給状況、ガスの供給状況、日本経済に与える打撃を考慮しながら総合的に判断する。 ■武力行使の一体化 笹井氏:自衛隊が支援活動をしないのは、現に戦闘行為を行っている現場を想定しているのか。 首相:非戦闘地域という所は活動を行っている期間を通じて、そこが戦闘地域になることはないという考え方ではなく、現に戦闘現場となっていないという概念に変えた。もし戦闘の現場になれば直ちに(活動を)中止することになる。 岡田氏:支援活動をやっていて、そこが(戦闘の)現場になったら急に活動をやめるというのは可能なのか。行動する自衛隊のリスクは高まった。 首相:非戦闘地域でも全く危険がないわけではない。いかなる場所で活動する場合でも、これまでと同様、自衛隊部隊の安全を確保しつつ行うことは言うまでもない。PKO協力法でも(戦闘現場になれば)すぐ引き揚げることになっている。 国民の命・暮らし 守り抜く 首相 ■関連法整備 高村氏:関連法案の国会提出はいつになるか。 首相:準備ができ次第、国会に提出して議論していただく。準備にあたってはグレーゾーンから武力の行使に関するものまで、幅広い法整備を一括して行っていく。膨大な時間がかかる作業になるため少し時間がかかる可能性はある。 海江田氏:分かりにくい問題だから、法案は国会に特別委員会を設置し、議論してほしい。 首相:大きな法整備になるから、安保政策に精通した方に担当大臣を務めていただいて、しっかりと国会で説明していただきたい。 ■安全保障環境 北川氏:閣議決定に「安全保障環境の変容」と記されているが、首相の認識は。 首相:北朝鮮はミサイル技術を高め、昨日も発射した。ノドンミサイルの射程は日本をすべて範囲の中に入れている。さらにグローバルなパワーバランスの変化もある。国際テロの脅威など海洋、宇宙、サイバー空間へのアクセスを妨げるリスクも深刻化している。もはやどの国も一国のみで自国を守ることが出来ない。私たちは国民の命と幸せな暮らしを守り抜く責任の中において、切れ目のない対応を可能にする法整備が急務だと判断した。 高村氏:中国が日本の脅威にならないように、抑止力と平和外交努力が必要だ。 首相:戦略的互恵関係の原点に立ち戻って両国関係を改善させていきたい。11月の北京のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に、首脳会談を行いたいと考えている。私の対話のドアは常にオープンだ。中国側にもぜひ同じ対応を取ってもらいたい。 高村氏:関連法案の国会提出はいつになるか。 首相:準備ができ次第、国会に提出して議論していただく。準備にあたってはグレーゾーンから武力の行使に関するものまで、幅広い法整備を一括して行っていく。膨大な時間がかかる作業になるため少し時間がかかる可能性はある。 海江田氏:分かりにくい問題だから、法案は国会に特別委員会を設置し、議論してほしい。 首相:大きな法整備になるから、安保政策に精通した方に担当大臣を務めていTだいて、しっかりと国会で説明していただきたい。 ■安全保障環境 北川氏:閣議決定に「安全保障環境の変容」と記されているが、首相の認識は。 首相:北朝鮮はミサイル技術を高め、昨日も発射した。ノドンミサイルの射程は日本をすべて範囲の中に入れている。さらにグローバルなパワーバランスの変化もある。国際テロの脅威など海洋、宇宙、サイバー空間へのアクセスを妨げるリスクも深刻化している。もはやどの国も一国のみで自国を守ることが出来ない。私たちは国民の命と幸せな暮らしを守り抜く責任の中において、切れ目のない対応を可能にする法整備が急務だと判断した。 高村氏:中国が日本の脅威にならないように、抑止力と平和外交努力が必要だ。 戦略的互恵関係の原点に立ち戻って両国関係を改善させていきたい。11月の北京のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に、首脳会談を行いたいと考えている。私の対話のドアは常にオープンだ。中国側にもぜひ同じ対応を取ってもらいたい。
|