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クローズアップ2014:滋賀知事選、自公敗北 「1強」政権に冷水 福島、沖縄知事選に影響も
http://mainichi.jp/shimen/news/20140714ddm003010137000c.html
毎日新聞 2014年07月14日 東京朝刊
13日投開票の滋賀県知事選で自民、公明推薦の元経済産業省官僚の小鑓隆史氏(47)が前民主党衆院議員の三日月大造氏(43)に敗れたことは、国政での多数を背景に、集団的自衛権の閣議決定など強気の運営を続けてきた安倍政権にとって大きなつまずきとなった。緩みやおごりへの批判が広がれば、政権にとって重要な今秋の福島、沖縄両県知事選にも影響しかねない。来春の統一地方選もにらんで与党は危機感を強めている。
◇「中央が責任負う」
自民党の石破茂幹事長は三日月氏当確が伝えられた13日夜、「集団的自衛権についてもっと説明してほしい、という有権者の声が少なからずあった。国政が知事選に影響したとすれば党中央が責任を負う」と記者団に語った。同党幹部は「やれることは全てやったが、滋賀ローカルの結果としか言いようがない」とショックを押し殺した。
当初の楽観ムードの風向きが変わったのは、7月1日の集団的自衛権の行使を容認した閣議決定がきっかけだった。
6月末の毎日新聞の世論調査で、内閣支持率は第2次安倍政権では最低の45%に低下。根強い反対を振り切って閣議決定を強行した安倍晋三首相の手法に批判が集中するのとほぼ同時に、「三日月氏猛追」の情報が伝えられた。自民党の東京都議、衆院議員の女性蔑視のやじ問題も相次いで表面化し、三日月氏を支援する現職の嘉田由紀子知事に攻め手を与えた。
集団的自衛権に代表される安倍政権の強引な姿勢、自民党の1強体制への懸念が「相乗効果」(自民党幹部)となり、「おごり」批判が地方選で噴き出した形だ。
選挙中、小鑓氏の陣営は政権与党の強みを生かそうと組織固めを徹底した。菅義偉官房長官ら閣僚、小泉進次郎復興政務官らを続々と投入。石破氏は自らたびたび滋賀に入ったほか、党本部から県議、市議らに電話を数百件もかけた。終盤には菅氏が日本維新の会の松井一郎幹事長に依頼し、維新の橋下徹共同代表を応援演説に立てて無党派層にアピール。なりふり構わず逃げ切りを図ったが、及ばなかった。自民党の大岡敏孝衆院議員(滋賀1区)は、小鑓氏の選挙事務所で「三日月側陣営は集団的自衛権など国政の問題を争点にする力が強かった。地域経済の再生など県政の課題を争点にできなかったのが反省点だ」と話した。
集団的自衛権の行使容認に転じて批判された公明党は当初、「つらい思いをしたばかりの党員に無理はさせられない」(幹部)と動きが鈍かった。首相官邸や石破氏の要請を受け、山口那津男代表が10日、「最後の追い込みを頑張る」と表明。終盤でようやく支持者固めに乗り出した。
だが、集団的自衛権を巡ってぎくしゃくした与党の足並みの乱れは否めなかった。公明党の斉藤鉄夫選挙対策委員長は三日月氏の当選を受け、「新知事には県の発展に尽くされるよう望みたい」などとコメントするにとどめた。
思わぬ敗北は「1強」の自民党に冷や水を浴びせ、安倍首相の政権運営に影を落としそうだ。集団的自衛権への批判を念頭に、政府・与党は安全保障関連の法案提出を来春の統一地方選後に先送り。「国民の熱が冷めるのを待つ」戦術だ。ただ今後は、国論が二分しかねない九州電力川内原発の再稼働や、年末までの消費税10%への引き上げ判断などの重要課題も控えており、今回の結果が影響する可能性がある。
また秋には、原発事故対応が問われる福島県知事選(10月)▽米軍普天間飛行場の県内移設が争点になる沖縄県知事選(11月)−−と、大型の自治体選挙が相次ぐ。ここで政府・与党に「負の連鎖」が起きれば、来春の統一地方選に向けた懸念も高まる。首相は秋の臨時国会前に内閣改造・自民党役員人事を行い、党内の不満を封じ込める考えだが、「物言わぬ烏合(うごう)の衆」とやゆされてきた与党内から「反安倍」の動きが生まれることにもなりかねない。
◇「民主隠し」奏功
三日月氏の選挙戦を裏方で支えた馬淵澄夫・民主党選対委員長は「安倍政権の上から目線の政権運営に潜在的な不満があることをこの知事選で明らかにした」と語った。民主党幹部は「投票率が50%を超えたのが勝因だ。政権に逆風が吹きだした」と話し、無党派層が政権批判に流れたと分析する。
もっとも、三日月氏の勝利は民主党が前面に出ない「政党隠し」が奏功したためでもある。野党の「多弱」状態の打開につながるかは不透明だ。【高橋恵子、石川勝義】
◇「原発」「自衛権」勝敗を左右−−出口調査
毎日新聞は13日、滋賀県知事選の投票を終えた有権者を対象に出口調査を実施した。有権者が投票で重視した政策は「経済・雇用対策」が36%、「福祉・医療・教育」が34%と割合が高く、「原発への考え方」が15%、「集団的自衛権の行使容認」が7%と続いた。
経済政策を重視した有権者の65%は小鑓氏に投票。福祉や教育を重視した有権者の55%は三日月氏に投票した。有権者の支持が割れ、勝敗を決める要因になったのが「原発」と「集団的自衛権」だった。
原発政策を重視した有権者の73%は三日月氏に投票し、小鑓氏の16%と4倍以上の差が開いた。原発政策は維新支持層の35%や共産支持層の29%、無党派層の21%も「重視した」と回答。原発が集中する福井県の隣接県で、「卒原発」を掲げた嘉田知事の路線を継承するという三日月氏の訴えが支持につながった。
また、集団的自衛権を重視する有権者のうち64%が三日月氏に投票し、小鑓氏は20%だった。安倍政権が行使容認を閣議決定したことを受け、三日月氏が批判の受け皿になった形だ。
支持政党別では、三日月氏は民主党支持層の85%のほか、無党派層の70%を固めた。一方、小鑓氏は自民の84%、公明の85%を固めたが、無党派層の支持は21%にとどまった。
出口調査は、県内20カ所で計1000人から回答を得た。【藤田剛】
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