緊張が高まるイスラエル情勢。パレスチナ自治区ガザを支配するイスラム原理主義組織「ハマス」との戦闘が続く中、イスラエルのネタニヤフ首相が、ガザへの地上部隊による侵攻の可能性も含めたさらなる攻撃を示唆しました。

　ビニール袋に包まれたスピーカーからひび割れた音が響きます。東京のイスラエル大使館前で行われたガザへの空爆に対する抗議活動。警察は、拡声器の使用は許可されていないとして強制排除を試み、現場は一時騒然となりました。およそ２００人が抗議の声を上げました。

　イスラエル軍によるガザへの空爆は、１１日で４日目を迎えました。ＡＰ通信によりますと、これまでの死者数が１００人に達しました。ガザ側からは、ハマスによるロケット弾が断続的に発射されています。イスラエルのネタニヤフ首相は「これから困難で複雑な局面が待っている」と話し、地上部隊による侵攻の可能性も含め、さらなる攻撃を示唆しました。

　エルサレム旧市街では、イスラム教の聖地「アル・アクサモスク」で礼拝をしようと多くのイスラム教徒が訪れましたが、５０歳未満の男性は旧市街の中に入ることを禁止されました。

　「世界のどこ探しても、お祈りに行かせない規則なんてない」（イスラム教徒）

　今は、イスラム教の断食月であるラマダンの期間です。宗教意識が高まるこの時期にはいつも取られる措置ですが、パレスチナ人少年の殺害事件、そして、ガザ空爆が緊張に輪をかけています。

　「もちろん悲しくなります。ガザの人たちは兄弟ですから」（イスラム教徒）

　１０日、ネタニヤフ首相と電話会談を行ったアメリカのオバマ大統領は、イスラエルの自衛権を支持する考えを示したうえで、「アメリカが停戦交渉を支援する用意がある」と伝えています。（12日00:37）