02. 2014年7月10日 14:29:37
: nJF6kGWndY
>スイスの法人の実効税率は日本の半分 >日本の公務員が世界でも飛びぬけた高給スイスを目標にするのは、悪くはないが 日本の財政の問題は、公務員給与ではなく、1に社会保障コスト、次に非効率なバラマキが問題 もっと現実を見た方がいい >全労働者の対して公務員 日本が7%弱でスイスが10%弱で、両国とも世界的には公務員割合が最も少ないグループ >スイスは全政府支出のうち半分以上が、公務員への給与支払いに充てられている >日本が一番GDPに対する公務員への給与支払い割合が少ない http://zurich-life.sblo.jp/article/82231377.html 2013年12月10日 スイスと日本の公務員数と政府支出を比較 今日はOECD(世界経済協力機構)のデータから、スイスと日本の公務員数やGDPに占める政府支出を比較してみたいと思います。OECDのデータには日本とスイス以外にも他の国のデータが含まれているので、これを見ると日本やスイスに限らずいろいろな国の意外な一面が見えてきます。
さて、あまり知られていないのですが、日本もスイスも世界的に見れば公務員の数が非常に少ない国だったりします。全労働者の対して公務員の数は何パーセントかというと、↓画像を見ていただければわかるかと思いますが、日本が7%弱でスイスが10%弱で、両国とも世界的には公務員割合が最も少ないグループでしょう。 そして、北欧の国々・フランス・ロシアなんかも、公務員の割合が大きいですね。日本人の感覚からすると、「そんなに公務員数が必要なの?」と思ってしまいますが、日本やスイスとは違って比較的大きな政府なので、その分の直接雇用があるんですかね。 また、↑のグラフで日本の右隣を見ると、何とあのギリシャがいるではありませんか。(笑)このグラフは2008年時点でのデータですが、当時ギリシャはOECDに偽装報告をしていて実際は公務員がこんな少ないわけではなく、全労働者中の25%だの40%だの言われていました。(結局、正確な数字は何%だったのでしょうか?) 次に↓画像の通り、全公務員数に対する国家公務員と地方公務員の割合を見てみましょう。
ここでも、日本とスイスは同じようなポジションです。両国とも、国家公務員が少なく地方公務員が多い国ですね。地方公務員が多いという事は、それだけ地方分権が進んでいるとも考えられますが、スイスの場合は世界で一番全公務員に対する国家公務員の割合が少なく、まさにその典型的な例ですね。 とは言え、「日本は地方分権が進んでいる」というのは、ちょっと納得できない人も多いですよね。日本の場合は、地方公務員数はたくさんいるけれど、政府からの使い道の限られた補助金や交付金が多く、法律や規制等の兼ね合いで地方政府が自由に政策立案をできる範囲が限られているのが問題なのでしょうね。おそらく今の制度は、効率良く中央政府が地方政府をコントロールできるという視点で作られた制度なので、「予算は国で持つから人は地方で雇ってくれ」という精神なのでしょう。 最後に↓のGDPに占める政府支出の割合を見てみましょう。
ここでも、日本とスイスは同じようなポジションで、GDPに対する政府支出の割合が低いグループです。まず、ここでは政府支出で「総固定資本形成」「その他政府支出」「給与支払い」の3つのカテゴリーに分けてます。「総固定資本形成」とは平たく言うと、道路を作ったりインフラ整備をする公共事業の事です。また、「給与支払い」は公務員に対する給料の支払いで、「その他政府支出」についてはそれ以外の支出になりますが、所得移転(年金や生活保護等)の経費はここには含まれません。 さて、恐るべきところなのは、実は日本が一番GDPに対する公務員への給与支払い割合が少ないんですよね。まぁ一番最初の画像の通り、日本は労働者に対する公務員数が韓国に次いで世界で2番目に低いこともありますが。日本は公務員への給与支払い割合が低い分、その分総固定資本形成の割合が他国と比べると高そうですね。まぁ他の国と比較すると自然災害等が多いので、総固定資本形成の割合が高くなるのは必然のような気がします。 また、スイスは全政府支出のうち半分以上が、公務員への給与支払いに充てられていることもわかります。日本なら外注するところ(「その他政府支出」として計上される)を、スイスだと公務員が直接やる仕事(「給与支払い」として計上される)が多いという事もあるんでしょうね。 地方分権の考え方や政府支出の内訳は異なるタイプではあるのですが、日本もスイスも他の国と比較すれば、公務員数の割合が少なく、GDPに対する政府支出の割合も非常に低いため、両国ともに非常に小さい政府であると言えるでしょう。 このOECDのデータを見る前までは、僕のイメージの中では「スイスはきっと大きい政府に違いない」と思っていたので、結構この結果にびっくりです。特別仕事を怠けているわけでもないのに、スイスはGDPに占める政府支出の割合も全部で15%を切っているので、よっぽど効率的に仕事をしてるんじゃないかなと思います。(効率的な仕事については、徹底した地方分権もその要因の一つなのかもしれませんね。)
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