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【 日本に迫る脅威、それは外からの軍事的圧力か、それとも内なる民主主義の破壊か?】
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2014年7月9日 星の金貨プロジェクト
戦後を支えてきた平和主義、それとは明らかに違う方向に日本を動かす安倍首相
公における議論がほとんど行われることなく、憲法第9条の解釈は変更された
自衛隊は世界でも有数の戦闘能力と規模を誇る強力な軍隊、安倍首相はそれでも『時代遅れ』
エコノミスト 7月5日
安倍首相は長年日本が禁じてきた集団的自衛権の行使を可能にする決定を引き出すため、消耗戦を強いられることになりました。
連立を組むパートナーの公明党は集団的自衛権の行使容認には強く反対し続けましたが、最終的にはこれを押し切り、了解を取りつけることに成功したのです。
そして7月1日、安倍内閣は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行い、戦後日本の防衛政策は一大転換をすることになりました。
公布されて67年を経た憲法第9条は、日本が国家としての交戦権を永遠に放棄すると規定しています。
しかし安倍首相による解釈変更は、一定の条件が整った場合、日本の自衛隊は集団的自衛権の行使が初めて可能になったことを意味します。
その実現のため必要な法案が成立すれば、アメリカ軍やオーストラリア軍など同盟軍の危機に陥った際には日本はいつでも自衛隊を派遣できるようになります、ただし『日本に直接の脅威が発生している場合に限り』。
7月に入り安倍首相は、遠く離れた場所でのアメリカ軍が主体となった軍事作戦に、自衛隊が派遣されることは無いと確約しました。
安倍首相自身は憲法第9条そのものを書き換えとしまう事を望んでいましたが、その選択肢は早い段階で断念せざるを得ませんでした。
憲法の条文を書き換えるためには衆参両院議会で3分の2の賛成を必要としますが、自民党はそれだけの議席数は持っていません。
さらには国民投票において半数以上の賛成票も必要ですが、国民の大多数は日本の平和主義について守り続けるべきものと考えています。
しかしこうした国民の意思とは裏腹に、集団的自衛権の行使容認にともなう体制の変更は広範囲に及ぶことになるでしょう。
北朝鮮の核開発疑惑とミサイル発射能力の向上、中国の軍事的台頭、そして尖閣諸島を巡る中国との領土問題、これらの脅威に対し日本の防衛能力は時代遅れである、安倍首相はそうした主張を繰り返しています。
こうした『脅威』に対抗する際の最大の支えとなるべきアメリカは、今回の憲法第9条の解釈の変更についてねぎらい、歓迎の意を表しました。
日米両国はこの17年間で初めて、その共同の防衛ガイドラインの手直しに着手するための準備を進めています。
しかし今回の解釈の変更はアメリカ側が望んでいたほど大きなものでは無かった、こう語るのは元アメリカ国防総省の職員であるジェームズ・ショフ氏です。
しかし解釈の変更は日本の自衛隊とアメリカ軍との間の作戦の立案、訓練、作戦の実施の面置ける連携を、さらに強力なものにするはずです。
創立以来自衛隊が実戦に参加したことはありませんが、自衛隊が世界でも有数の戦闘能力と規模を誇る強力な軍隊であることは疑いがありません。
今回の解釈変更により、アメリカの領土に向かう北朝鮮のミサイル撃墜、そして日本近海で攻撃を受けているアメリカ軍艦船への救援が、今やはっきりと可能になりました。
そして日本に脅威が生じるとの判断が下されれば、アメリカ軍に対し弾薬の提供を含む後方支援を行う事も出来ます。
これとは別に、自衛隊は国連の平和維持活動において武器の使用が可能になりました。
イラクでの国連平和維持活動を行った際、オーストラリア軍に護衛してもらわなければならなかった状況は自衛隊にとっては屈辱的記憶であり、その無念さは記憶に新しいものです。
国連平和維持活動において公明党が得た主要な譲歩は、自衛隊は実際の戦闘には兵員を送り込まないというものでした。
尖閣諸島における領土紛争においても、日本側の防衛体制が変わります。
中国側が上陸を強行した場合には、自衛隊の武力行使による掃討作戦へ道を開きました。
それよりも現実性の高いいわゆる『グレーゾーン』への自衛隊の派遣と実戦配備については、まだ方針は明らかではありません。
安倍内閣による今回の憲法第9条の解釈の変更に、抗議の声を挙げたのは中国だけではありませんでした。
様々な制約があるとはいえ、安倍内閣の閣議決定は多くの日本人にとって許せるものではありません。
この数か月、集団的自衛権の行使容認に反対する世論はより深く、そしてより大きくなり続けました。
今回の安倍内閣の一連の動きに対し、多くの日本の国民が軍国主義日本復活の可能性を危惧しています。
反対の立場をとる人々は、公における議論がほとんど行われることなく解釈が変更された点について、最も憤りを感じています。
内閣の閣議決定の2日前には、ひとりの男性が東京都内の新宿駅の前で抗議の焼身自殺を図りました。辛うじて命は取り留めたものの、重態に陥ったままです。
7月1日には一万人を超える人々が、戦争反対を叫びながら首相官邸前で抗議行動を行いました。
そして公明党も平和を大切にする支持層からの突き上げに直面しています。
内閣の閣議決定を政府の政策として実行するためには、10以上の法案を議会を通過させなければなりません。
その作業を終えるまでに数年がかかる可能性もあります。
安倍首相とその周辺は集団的自衛権について、すべての制約を取り払った完全な行使容認に日本を進ませることが出来ると楽観的に考えています。
しかし彼らが当たり前の判断だと考えた第一歩ですら、すでに予想以上の反発を招いているのです。
http://www.economist.com/news/asia/21606334-prime-minister-moves-japan-step-away-its-post-war-pacifism-clear-and-present-dangers?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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