http://www.asyura2.com/14/senkyo167/msg/793.html
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昨夕行われた首相会見を見て、「非親米だけど従米」・「口先愛国保守強硬派でその実リベラル派」という政治家安倍晋三氏らしいものだと思った。
(※ 安倍首相がリベラル派であることを隠すために「口先愛国保守強硬派」を装っていることで、“良心的な”人々の怒りや恐怖を招き、「ソフィーの選択」の翻訳者池田香代子さんに「あ べ し ね」とツイートさせたり、新宿の街中で抗議の焼身自殺未遂が起きるという悲惨な状況が生み出されている。
非難されるべきは安倍氏などの政治家や主要メディアだが、良心的な人たちは、言葉にむやみに反応したり、安易に釣られたりしていると思う)
メディアは、昨日の閣議決定や首相会見を受けて、安倍内閣が集団的自衛権の行使ができる憲法解釈に変更したと報じているが、“行政権における憲法解釈(理解)の最高責任者”である当の安倍首相は、会見を通じて、「現行の憲法解釈の基本的な考え方はなんら変わらない」と説明している。
安倍首相が今年3月の国会で自分が内閣における憲法解釈の最高責任者と啖呵を切ったあとに「集団的自衛権の行使は違憲」と答弁している事実や、「集団的自衛権の行使」というワケのわからないテーマになっているが、その内容は“自衛隊が米軍の下請けで軍事力を行使できる事態と場所の拡大をめぐるもの”でしかないことから、最後の落とし所が「憲法解釈の変更ではない=集団的自衛権の行使容認ではない」と強弁するものになる予感はあった。
1951年の(旧)日米安全保障条約締結をもって日本は国際法的に言えば集団的自衛権を行使しているから、今さらのように、集団的自衛権の行使が認められるかどうかという論議を行っていること自体がマンガなのである。
オチを言ってしまえば、集団的自衛権行使可能に憲法解釈変更という主要メディアの報道も、安倍政権とメディア各社が結託した出来レースである。
昨日の閣議決定の内容に関する細かな批判は後日行いたいと思っているが、集団的自衛権の行使を違憲としたとされ俎上にあがっている72年の閣議決定「答弁書」に関する解釈も間違っている。
丁寧に読めばわかるが、72年の政府見解は、日本が外国の防衛に協力するような集団的自衛権行使はできないというだけで、日米安保条約のように日本の防衛に外国が協力するかたちの集団的自衛権行使を違憲としたものではない。
安倍首相は、「現行の憲法解釈の基本的な考え方はなんら変わらない」という考えを補強するために、「外国の防衛それ自体を目的とする武力行使は今後とも行わない」、「海外派兵は一般に許されないという従来の原則も全く変わらない」、「自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することはこれからも決してない」(なぜかアフガニスタン戦争はないが)と説明を積み重ねた。
極めつけは、閣議決定の文書にある「憲法上許容される上記の「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。この「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とするものが含まれるが、憲法上は、あくまでもわが国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち、わが国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるもの」という部分である。
外国の領域で武力を行使することも、従来の憲法解釈では許容されてきた“個別的自衛権”の枠内に入れ込んでしまう牽強付会ぶりである。
政治はともかく、法論理としては、自衛隊という戦力を保有することが現行憲法に反することである。
憲法に反する政策なのであまりどうこうは言いたくないが、外国の領域で軍事力を行使することを集団的安全保障ないし集団的自衛権で処理せず、個別的自衛権で対処しようとする考えはより“危険”である。(後日説明するつもり)
安倍首相は、会見で、「今回の閣議決定によって、日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく」と強弁したが、日米安保条約により日本に攻撃を仕掛けることは愚と理解させることで“抑止力”は十分のハズだから、外国領域まで出かけていって軍事力を行使すれば戦争に巻き込まれる恐れが拡大することは確かである。
安倍首相をはじめとする日本の政治家たちは、日本が戦争に巻き込まれることより、自分たちが“最高任命権者”である米国支配層に見捨てられるほうが恐いと思っているのでる。
米国支配層から強く迫れたので、自衛隊を米軍の下請けとして動かせる条件を緩めたというのが今回の政策変更の主題である。
米国のみならず中国そして北朝鮮にまで頭が上がらない(だからこそ12年秋の時点で安倍氏が首相になったともいえる)安倍晋三氏が日本の内閣総理大臣でいることで終わっているともいるが、かたちとしては独立しているのだから、NHKを筆頭とした腐敗メディアの囲みを少しずつ打ち破って実質的な独立を成し遂げるしか諸問題を解決する術はないのだろう。どれほど困難で気が遠くなるような長期戦であっても...。
※ 関連参照投稿
「憲法解釈変更先送りで検討 与党に配慮、夏以降か:安倍首相は既に「集団的自衛権の行使は違憲」と答弁:それを無視するメディア」
http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/882.html
「60年以上前から行使している集団的自衛権:議論されているテーマは“集団的自衛権”ではなく「他衛権」や「米軍下請けの範囲」」
http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/740.html
「集団的自衛権・拉致問題と国民の視線[NHK]:4月→5月→6月と憲法解釈変更に反対の回答が増加しているNHK世論調査」
http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/715.html
「必要最小限」で容認 集団的自衛権の解釈変更 有識者会議最終案
http://www.asyura2.com/14/senkyo165/msg/422.html
「民主党:政府の15事例に関する見解:軍事力行使の対象拡大に反対ではないが政府提示の事例は曖昧だからダメというカス見解」
http://www.asyura2.com/14/senkyo167/msg/653.html
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