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(回答先: 田原総一朗「安倍政権はイラク戦争支持の過去を総括せよ」〈週刊朝日〉 投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 6 月 28 日 00:11:15)
誰とのあいだの質疑応答だったかは忘れたが(たぶん民主党の岡田元代表)、安倍首相は、最近行われた「集団的自衛権」をめぐる国会論戦のなかで、小泉政権が米英のイラク侵攻を支持した問題について問われ、フセイン政権(当時)が“大量兵器の不保有”を証明できなかったことが悪かったのであり、米英などの対イラク戦争を小泉政権が支持したことに問題はないと答弁した。
安倍首相のこのような恥ずべき答弁は主要メディアのほぼすべてがスルーだったが、現在の先進諸国の政治的指導者のなかで対イラク戦争に関してそのような回答をするのはおそらく安倍首相ただ一人であろう。
(政治的には都議会の“ヤジ問題”より大きな問題である)
簡単に経緯を辿ると、ブッシュ政権は、フセイン政権が大量破壊兵器を隠れて開発・保有していることとアルカイダと結びつきがあることを武力行使に踏み切る正当な理由とした。
まず、UN(国連)の集団安全保障概念に基づきイラクに対する軍事力の行使(集団安全保障措置)を正当化するための「挙証責任」は、軍事力を主体的に行使せんとする米国側にある。
次に、イラクの政権は反証の権利を持つが、「挙証責任」は負わない。
安倍首相的発想で挙証すればいいじゃないかと百歩譲ったとしても、安倍首相が求める「不存在の証明」は、それこそ、ならず者や戦争屋の恫喝や騙りでしかない。
アリバイという概念はよく使われているが、それは、俗に言う「現場不在証明」ではなく、「同時刻他在証明」である。
ある場所にいなかったという証明はできないので、同じ日時に他の場所に居たと証明することで現場不在を証明するわけである。
あるものを持っているという証明はそれほど難しくないが、あるものを持っていないということは、主張はできても証明は極めて困難である。
安倍首相もちょっと考えればわかるだろう。「日本は核兵器を保有していない」という証明ができるかどうかである。
安倍首相が日本は核に関する査察をきちんと受けているから持っているはずがないと“言い逃れ”をしたとすれば、フセイン政権と同じ対応をしたことになる。
(湾岸戦争以降、イラクは米英の管理下に置かれていたし、査察団も常駐していた。フセイン政権は実際にそのように抗弁した)
ブッシュ政権は、論理学や道理を弁えない安倍首相とは違い、「神のみが可能な証明」である「不存在の証明」(「悪魔の証明」)をフセイン政権に求めるのではなく、パウエル国務長官(当時)などがUN安保理で様々な“傍証”を並べ立てることで「大量破壊兵器の開発・保有」を主張したのである。
違憲という明確が理由があるので、だからというわけではないが、安倍氏のような人物が内閣総理大臣になれる国が、外国の領域にまで押しかけて軍事力を行使することを可能にする政策変更をすることは危険極まりないと言える。
さらに言えば、安倍首相は、内閣官房副長官の時、日本を奈落の底に突き落としかねない“重大な判断ミス”を行っている。
道理を弁えず今なおフセイン政権に「不存在の証明」を求めたり、重要な局面できちんとした判断ができないことを晒した安倍首相が、日本の安全保障政策に手を付けること自体が許し難い暴挙だと考えている。
※ 「悪魔の証明」
「悪魔の証明」は、本来、所有権の由来を逐次証明する困難さを表すものであるが、ここで使った「不存在の証明」と同じように、事実がないことを証明するという現実的に証明が不可能な挙証責任も「悪魔の証明」ということがある。
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