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2014年06月26日
以下は、悪名高き(笑)田中均氏の世界分析と日本の立ち位置に関するコラムだ。小泉政権下で、北朝鮮拉致問題で秘密外交を行い「ミスターX」と渡り合った外交官と云う記憶があるが、アジア通だと思っていたが、ちょいと勘違いしていた。コテコテの属米主義者だと云うことが、よく理解できる推論を展開している。嫌中、嫌露なニアンスが随所に見られ、アメリカンスタンダードを信奉している人物だった。裏外交をしながらも、米国の「普遍的価値」に寄らば大樹のなのだから、他の外務官僚の隷米度がどんなものか、怖ろしいほどに違いない。まあそれでも、現状の問題提起の部分には同意するので、引用に至った。今夜は引用が長文なので、筆者の意見はこの程度でやめておく。
≪ 「3つの要素」のバランスで姿を変え行く世界
構造変化の著しい東アジアでこれから起きること
◆ウクライナ問題にも顕著に表出
世界の構造変化をもたらした三要素
世界が大きな変動期にあることは、このコラムでも度々述べてきた。その変化が一層明確となってきた。
まず、相対的な国力のバランスの変化である。1990年に冷戦が終わった時点、先進民主主義国のGDPは世界の7割を超えていたが、それから30 年が経過した2020年には、5割を下回ると想定されている。
1990年時点で日本は世界のGDPの14%を占めていたが、それは2020年には6%に下降し、中国が15%のシェアを占めると予想されている。日中大逆転である。
第二の大きな特色は、国際的な求心力を生むイデオロギーが消滅し、国内のナショナリズムが著しく台頭してきたことである。
世界の国力のバランスの変化と、ナショナリズムの台頭は、世界を不安定化させる要素であるが、第三の特色であるグローバライゼーションの結果の経済相互関係の拡大は、世界の秩序を安定化させる効果を持っている。
これからの世界はこの3つの要素のバランスによって、姿を変えていくのだろう。その例として、ウクライナの情勢を見てみよう。ウクライナの現状を変化させ、ロシアがクリミアの編入に走った背景には、ロシアの強いナショナリズムがある。
ロシアは帝政時代やソ連時代を通じて、極めて強固な大国主義を標榜する国であったが、1991年のソ連邦崩壊後、国力の衰退と共に大国の座から滑り落ちた。
ソ連邦を構成していた国々やソ連圏にあった東欧の諸国は、なだれを打ってEUやNATOに取り込まれていった。ロシアにとってみれば、これ以上西欧社会が旧ソ連の空間を侵食してくることは耐えられないということであろう。6割以上の人口がロシア人であるクリミアの編入に走った背景には、歴史に対する非常に強い思い、権威の回復に対するロシアの強い思いがあるのだろう。
同時にロシア自身は、ウクライナ東部や南部への軍事的侵攻は、西側との関係でデッドラインを超えるという認識は有しているのだろう。
欧州にしてもロシアにしても、相互依存関係は強く、軍事的対決よりも政治的解決を志向する力が働く。したがって、現場においてウクライナの極右勢力やロシア人のナショナリストたちが混乱を引き起こすというリスクは引き続き多大なものがあるが、基本的にはウクライナ問題の政治的解決に向いていかざるを得ないのだろう。
◆構造変化の影響を最も受けた東アジア
地域秩序を規定する日米中関係
世界の構造変化の3つの要素に最も大きな影響を受けているのは、実は東アジアである。今後、東アジアの構造変化はどのような事態へとつながっていくのだろうか。
過去そうであったように、将来も、日米中の3ヵ国の関係がこの地域の秩序を決めていくことになる。日米中の国力が相対的に大きく変化し、これからも変化していくことは明らかなのだろう。
そのような国力のバランス変化の中で、それぞれの国の対外姿勢は国内情勢に大きな影響を受ける。
まず、中国を見てみよう。2012年に成立した習近平体制の最大の眼目は、経済成長の維持である。習近平政権は、低賃金に依存した製造業大国として輸出が経済を引っ張り、潤沢な財政を活用して国内消費需要を高めるという手法が、もはや十分な効果を発揮しない段階に達したことを認識しているようである。
そのような認識に基づいて、習近平総書記は、改革実行のための体制強化を行い、自らに権力を集中する体制をつくった。いまや、共産党総書記、国家主席、軍事委員会主席という伝統的な3つのポストに加え、5つの新しいポストの長を務めている。新設の国家安全委員会の委員長や、経済改革のためにつくられた小組の長を兼ねている。これは従来にはない権力集中である。
中国の安定的な統治のためには、大きな経済成長を続けることが必須である。過去10年のような年10%の経済成長は望めないが、7%程度の経済成長を達成していかないと、国内の不満が社会問題を暴発させ、それがひいては政治的混乱に繋がっていく。
習近平総書記は、2020年までに市場が中心的役割を果たすという概念を掲げているが、そのためには国有企業の改革を含め、既得権益の打破、過剰生産設備の削減、金融改革など、血の出る改革を追求していかざるを得ない。
同時に、中国はすでに情報社会であり、大衆運動が容易になっている。6月4日の天安門事件25周年記念日の異様な警戒ぶりや、ウイグル人によるテロといわれる事件について厳格な措置を行った背景には、大衆運動が常に起こり得るという危機感がある。
中国は経済改革を進めていくために、強権的に秩序の維持を図っていく可能性が大きい。同時に、国民の意識を共産党政権につなぎとめておくために、政権は中国の大国主義的ナショナリズムも活用している。
習近平総書記は、「中国の夢」というキャッチフレーズの下で、アヘン戦争や日清戦争に始まった中国の屈辱の歴史は終わり、中国は再び世界の冠たる大国として浮上してきたと強調し、国民の意識を高める行動に出ている。
◆共産党体制維持のためのナショナリズム活用
「中国の夢」と「新型大国関係」
その流れのなかで、中国の対外政策にとって中核的位置を占めている対米関係に「新型の大国関係」というキャッチフレーズを使い、米国との対比で中国が大国であることを示そうとしている。中国は、南シナ海や東シナ海、あるいは尖閣諸島に関しても、ますます行動をエスカレートさせている。
ベトナムとの関係では、西沙諸島海域において大型石油リグを持ち込み、一方的に開発を進め、強い反発を買っている。フィリピンとの関係でも、南沙諸島で滑走路建設を始め反発を買っている。日本との関係でも、防空識別圏において、人民解放軍の空軍機を自衛隊機数十メートルのところまで近接させている。
これらは相手国の出方を見極めるだけではなく、米国の意思をテストするという性格を持つものなのだろう。中国にとって、米中の利益は合致しないにしても、米中間でマネジメントできるということを大国関係の基本においている。
このような行動を見れば、中国が世界第二の経済大国となり、軍事大国の道を進み、西太平洋において主導権をとり、中国を中心とする秩序を構築するという意図を有していることは明らかである。
中国の意図は、5月にプーチン露大統領も出席したアジア信頼醸成措置会議で、習近平主席が「アジア人によってアジアの安全を保障しよう」という概念(「アジア新安全保障観」)を提唱したことや、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立するなどの動きをしていることにも示されている。
ただ、中国のこのような行動が直ちに東アジアにおける中国の覇権に繋がっていくわけではない。我々がどう対応するかによって中国の行動も変わっていかざるを得ないことも、銘記しなければならない。
特に中国を変える力を有しているのは、米国である。米国の対中戦略によって、東アジアの未来は大きく変わる。
◆政治の二極化と内向き志向の米国
対外関係におよぼす影響やいかに
しかし、米国の今日を端的に表す言葉は「政治の二極化」であり、「内向き志向」である。6月10日、バージニア州で共和党の下院議員候補の予備選挙が行われ、これまで下院共和党院内総務という重職にあったカンター議員が茶会党の推薦を受けた候補に敗北した。
この例が示すように、米国政治の二極化、すなわち共和党や民主党の中における穏健派と原理主義的勢力への二極化は著しい。米国の議会政治の根底にあった重要課題についての超党派的行動が、現在のような二極化の現象の中ではほとんど望めなくなっている。
同時に、米国は内向きになっている。ブッシュの戦争が米国にもたらしたものは多大な財政負担と人的コストであり、米国の戦争疲れの傾向は顕著になった。オバマ大統領はイラクからの撤兵、アフガニスタンからの撤兵を掲げ、大統領に選出されたのである。
世界における米国の指導力が衰えてきたと言われる原因の一つは、米国の軍事力行使の敷居が高くなったことにある。リビアのカダフィ掃討の軍事作戦には英仏が中核的役割を果たし、シリアの化学兵器使用については従来述べていたレッドラインを超えたにもかかわらず、オバマ大統領は軍事行動を躊躇した。 ウクライナについても、早々と軍事力を行使する余地はないということを明らかにした。
5月28日のウェストポイント陸軍士官学校の卒業式における演説で、オバマ大統領は、「米国は自国民や同盟国の安全が脅威にさらされる場合には軍事力を一方的に行使するが、アメリカに直接的脅威をもたらさない場合には同盟国などと共に集団行動をとる」と言っている。問題は、何がアメリカの安全に直接脅威を与えるかということであり、その1つの例が現在のイラク情勢である。
イラクにおけるアルカイダ系武装組織ISIS(イラク・シリア・イスラム国)の浸透に対して、オバマ大統領は地上兵力を送ることは否定した。場合 によっては、空からの攻撃を行うということも想定されるが、どういう行動をとるかによって米国の指導力についての将来の方向性が決まるきっかけとなるのだろう。
◆米国の指導力の変化と抑止力低下への懸念
「対中戦略」はいまだ定まっていない
このような米国の指導力の変化により、最も切実な形で影響を受けるのは東アジア地域である。 米国が2011年に発表した「ピボット」や、最近言われている「リバランス」という政策は、アジアについて米国の関心とコミットメントを高めていくということを示していくものだと言われている。
これまで、米国の対中戦略は「関与」(エンゲージメント)と「牽制」(ヘッジング)で説明されてきた。より端的に言えば、米国の対中政策は個々の問題で対話により解決を進めるという、いわゆる「協調的側面」と、中国の個々の行動に対して軍事的に抑止力を強化していくという「競争的側面」のバランスによって構築されている。
協調的側面については、中国が掲げる「新型の大国関係」に対して、米国は個々の問題について問題解決にあたることを優先しているようである。現に次官級以上の政府高官の協議は、すでに90近くあると言われている。
競争的側面については、豪州ダーウィンへの2500名に上る海兵隊の6ヵ月にわたるローテーション配置や、フィリピンとの新軍事協定といった具体的な例がある。しかし、この地域に対する軍事的支出や国務省の予算が増えているわけではない。
また、オバマ大統領は2011年以降、東アジアサミットへの参加によりアジアへの訪問回数こそ増えたが、昨年秋のAPECなど大事な時期の訪問はキャンセルということもあった。リバランスが実態を伴うかどうかということは、様々な議論がある。
◆協調と競争のバランスで揺れる米国
日本が採るべき戦略は安定要素の強化
最近の中国の海洋における攻勢に対して、米国内では、もはや従来のような協調的な面と競争的な面のバランスを維持するということは無理なのではないか、より中国に厳しい行動をとるべきではないか、ということも議論され始めている。
しかし、米中の相互依存関係の大きさや世界秩序の維持に中国の協力を必要とするといった観点から見れば、米国が中国封じ込めに走るとは到底考えられず、せいぜい中国への戦略の協調的側面と競争的側面のバランスが変わるということに止まるのだろう。米国の対中戦略は、中国の行動次第で揺れるのだろう。
その中で、日本はどうだろうか。東アジアにおける国力の相対的バランスの変化、ナショナリズムの台頭、相互依存関係の強化を考えたときに、とるべき戦略は単純に考えれば、国力の相対的変化を遅らせる、すなわち日本がより強くなるということ、ナショナリズムを抑えられる対外的ビジョンを持ち、相互依存関係を強化していくということであろう。すなわち、不安定要素をなくし安定要素を強化するということである。
日本の力を強くするということにおいて、現政権の大きな方向性は正しい。アベノミクスは成果を上げなければならないし、これから第三の矢が実質を有すると評価されていくことが重要なことである。
安全保障政策においても、とりわけ体制強化についてアクションがとられてきている。国家安全保障会議の設置や国家安全保障戦略の策定、武器輸出三原則の見直し、集団的自衛権問題などについてである。 さらに、米国は当然のこととして、インドやオーストラリア、インドネシア、英国、欧州といった諸国との安全保障関係の強化は、現実に成果を上げている。従来は考えられなかったような、日本に対する期待が強くなっている。
◆集団的自衛権をめぐる議論
憲法解釈変更が警戒心を生む可能性
しかしながら、日本の行動が不必要な懸念を生んでいる面があることから目を背けてはならない。たとえば、集団的自衛権の問題について現在政府が議論をしている多くの事例が可能となるようにするべきだという点については、おそらく国民の大多数の賛同を得られるものと思う。しかしながら、それを集団的自衛権の行使を禁ずる憲法解釈を変えて行なうということになるのなら、よほど明快な説明がないと国内外に強い警戒心を生むことになる。
国際社会で集団的自衛権の行使として考えられる行動は、他国の防衛のために軍隊を派遣し、武力行使をするということである。朝鮮戦争、ベトナム戦争、二度にわたる湾岸戦争など米国が関与した戦争は、集団的自衛権の行使の枠組みで行われており、かつ英国やオーストラリアという国が多国籍軍に参加したのは、米国との集団的自衛権の行使として説明されている。
したがって、集団的自衛権の行使を容認するという憲法解釈は、これまでは憲法の制約であったものが、環境の変化によっては法律をつくることで海外の武力行使も可能になるということに等しい。これは現在の平和憲法の根幹に関わることであり、これを憲法改正なくしてできると考えるべきなのだろうか。 このような集団的自衛権を行使する行動は、日本の国家としての在り方を変えることになる。東南アジアの多くの国が日本をモデルとして発展したいと考えるような、日本が尊敬される国となったのは、戦後70年間の間、日本が軍事力を行使するような国ではなかったからである。したがって、集団的自衛権の行使を容認するためには、憲法の改正を前提として国民的議論が尽くされねばならないと思う。
したがって、もし政府提案の事例に限って集団的自衛権行使容認といったことにならざるを得ないのであれば、明確な歯止めと共に日本の意図を明快に説明していく必要がある。
◆歴史認識に関する政府方針の継承
今後とも慎重な対処が必要に
さらに、諸外国に口実を与えているのは、歴史認識をめぐる日本の動きである。歴史認識については、個々の政治家、有識者はそれぞれ異なった認識を有しているのだろうし、どの認識が正しいというものではない。
しかし、少なくともこれまで政府は、1995年に策定された村山談話が政府の方針だという判断をし、すべての政府(三党連立、自民党、民主党を問わず)がこれを承認してきた。河野談話についても基本的には同じである。
異なる政府がこれを変えることは可能であろう。しかしながら、この歴史認識問題が諸外国にとって極めてセンシティブな問題であることは十分認識しなければならないし、こうした談話を修正することによって日本の国益が毀損することはないか、極めて慎重な考慮が必要であろう。この点については、諸外国に口実を与えないようにしなければならない。
次に、対中戦略である。現在の日本の対中戦略は競争的側面が前面に出すぎており、協調的側面が欠けているのだろう。もっとも、尖閣問題などについてはそもそも中国の行動に問題があるし、仮に日本が協調的行動をとろうとしても、中国は受け入れないという議論もあるのだろう。しかしながら、日本は圧倒的な先進国であり、G7の一員として国際的な秩序づくり、就中東アジアの秩序づくりに大きな責任を有している。
ここで最も危惧しなければならないのは、米国と日本の対中戦略が大きな齟齬をきたすという事態である。すなわち、米国は協調的側面と競争的な側面を両立させた戦略をとっていくので、日本が競争的側面のみということになると、日米同盟関係に亀裂が走るということになろう。
◆信頼醸成、経済ルール、エネルギー協力
「対中戦略」は米国と歩調を合わせよ
したがって、中国が乗ってくるのには時間がかかるかもしれないが、少なくとも日本は包括的な対中戦略を一歩ずつ進めていくべきではなかろうか。これは、日本の安全保障力の強化や友好国との安全保障関係の強化と、完全に両立するものである。
具体的な戦略の中身として、3つの課題が極めて重要である。第一に、中国との信頼醸成措置である。尖閣上空や東シナ海で日中の衝突が起こるという事態は回避されねばならないし、事故を防ぐという意味でも防衛当局間の信頼醸成措置は深堀されねばならない。米国を加えて三者の枠組みとするもの適切では ないか。
第二に、貿易投資のルールづくりである。TPPは、当面は中国が参加できないこの地域の高度な自由主義経済の枠組みとなるのだろう。ただ同時に、中国を巻き込んだ日中韓の経済連携枠組みやRCEPについて、日本は積極的に旗を振るべきである。
第三に、エネルギーをめぐる協力である。南シナ海や東シナ海で起こっている問題の多くは、エネルギー獲得競争が背景にある。また、ロシア極東の資源開発、シェールガス革命の影響とシェール技術の開発、原子力発電の安全性の担保、エネルギー海上輸送の安全性の担保など、東アジアサミットを中心とする エネルギー協力を本格的に進める必要がある。エネルギー協力の増進は、ひいては国家間の信頼関係をつくることにもつながっていくのだろう。
中国との関係については、本年秋に行われる北京でのAPEC首脳会議が1つの大きな節目になるのだろうし、さらに来年は戦後70周年、日韓基本条約締結50周年という節目の年にあたるので、とりわけ歴史問題や日本の国家としての在り方などには焦点があたることになるということに、留意すべきなのだろう。
この地域における日本の立ち位置との関係で、さらに2つの大きな課題が存在している。1つはロシアとの北方領土問題であり、1つは北朝鮮問題である。
北方領土問題については、ロシアに対して先進諸国と共に制裁措置をとるか否かにかかわらず、極めて難しい問題であり、息の長い交渉を必要とする問題である。
◆北方領土問題を巡るロシアとの関係と北朝鮮問題
日本の立ち位置で論じるべき「2つの問題」
確かに、ロシアが孤立化していく時期というのは、日本は梃子を持つということになるだろうし、北方領土問題についても日本にとって優位な結果を引き出せるのではないかという推測も行われているが、これまた日本の国としての在り方の問題となる。
すなわち、ロシアがウクライナでとった行動、とりわけクリミアを軍事力の背景の下、一方的に編入したという行動に対し、国際的な連携の中で日本が抜け駆けするということはやってはならない。今年の暮れまでにプーチン大統領の訪日が想定されているが、慎重な行動が必要である。
北朝鮮の問題については、5月29日に日朝政府間合意が成った。拉致された日本人だけではなく全ての日本人について包括的に調査すること、権限を持った調査委員会を立ち上げることの見返りで、日本が独自に導入してきた対北朝鮮制裁を一部解除するという。これらは、決して間違った姿勢ではないと思う。要するに、交渉なくして拉致問題や日本人の安全にかかわる問題が解決されるはずもない。
しかしながら、北朝鮮の核問題やミサイル問題は看過できない問題であるし、これらの問題は米国や韓国との緊密な連携なくして解決しない問題であることは、銘記しなければならない。
韓国や米国の一部では、日本が核問題の帰趨にかかわらず経済協力を含めて先走っていくのではないかという猜疑心が見受けられるが、そのような間違った認識が大きくならないように、米韓に対しては緊密な連絡をしていく必要があるのだろう。
冷戦時代や米国の一極体制の時代と異なり、日本が自己の行動や戦略によって地域の安定を増進させる、場合によっては秩序を大きく損ねてしまうことが十分考えられる時代となったのである。日本が直面する外交安全保障の課題は多く、注視していかなければならない。 ≫(ダイアモンドONLINE:国際 田中均の「世界を見る眼」
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