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都議会ヤジ問題から考える「不規則発言」を減らす方法とマスコミの「手抜き」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39634
2014年06月23日(月) 高橋 洋一 現代ビジネス
東京都議会で、とんでもない暴言が飛び出した。18日の都議会の一般質問で、みんなの党の塩村文夏議員(35)の質問中に、「自分が早く結婚すればいいんじゃないか」などとやじが飛んだ件だ。
この顛末を記した塩村議員のツイッターは3万回以上のリツイートがされるなど、かなり話題になり、NHKなどでも報道された。
塩村議員は20日、都議会議長に地方自治法第133条に基づく処分要求書を提出したが、それによれば、「自分が早く結婚すればいいんじゃないか」、「まずは、自分が産めよ」、「子供を産めないのか」、「子供もいないのに」とのヤジだったようだ。なお、同文書でも言及されているが、NHK報道では、複数の会派によれば、自民党の議席周辺から聞こえたとされている。
都議会の録画映像(→こちらから)では、はっきりヤジが聞き取れないが、塩村議員がヤジに反応しているところは確認できる。YOU TUBEでは、ヤジが聞き取れるものもある(→こちら)。このサイトも、20万件近いアクセスがある。
まあ、誰が聞いても呆れるヤジだ。言い訳は全く無理だ。塩村議員が過去にテレビ番組に出演したことなどを理由としてヤジの正当化を図る意見も例外的にあるが、問題外である。
海外でも、この事件は報じられている。日本では、「品位がない」(舛添知事)とかいわれているが、海外では“sexist abuse”(性的虐待)とかの強い表現になっている(http://www.theguardian.com/world/2014/jun/20/tokyo-assemblywoman-sexist-abuse )。東京五輪を控えて、対外イメージが心配なほどだ。
さすがに、石破茂自民党幹事長も、21日のテレビ番組で、「誰であれ『自分でした』と言っておわびすべきだ。仮にわが党であったとすれば、党としておわびをしなければいけない。大変申し訳ない」と言わざるを得なくなった。
ただし、都議会は、塩村議員からの処分要求書をヤジ発言者が特定されていないという理由で受理せず、みんなの党は声紋分析し発言者を特定する構えだ。当分、発言者の名前が特定されるまで議論が長引きそうだ。
■ヤジ議員の名前と内容を議事録に残す方法
このヤジをきっかけとして、ヤジ一般論とマスコミの対応を考えたい。
このヤジは、発言の内容がとんでもないのは当然なので、ヤジとしても許されない。こうしたヤジは問題外であるが、一般論として、日本の議会のヤジはひどいのか、議会でのヤジはどこまで許されるものなのか、ヤジの効能はあるのだろうか。
議会でのヤジは不規則発言といい、日本の議会では特にルールがない。これは世界でも同様である。しばしば、韓国や台湾では、ヤジどころか議会での乱闘騒ぎまである。東欧諸国でも議会の乱闘は珍しくない。イギリスでは乱闘はないが、議会のヤジは面白いものとされている。その背後には伝統として、ヤジのタイミングなどが一定の暗黙のルールがあるようだ。
ただし、例外はアメリカ。発言者の妨害となるような行為はルールで禁止されているので、ヤジはめったにない。日本の国会でのヤジを見ていると、海外と比べて比較的おとなしい部類だろう。
議会のヤジは、しばしば議会の華≠ニ言われ、いいヤジは議場を和ませ、議論の潤滑油にもなる。筆者は、国会審議を聞く機会が多かったが、たしかにそうしたヤジの効用は否定できない。その一方で、議事進行の妨害にしかならないヤジもある。もっとも、筆者の経験では、ヤジの8割はくだらない内容という印象だ。
どこまでが許されるのか、画一的な基準は無理で、その状況との兼ね合いで、不適切がどうかは有権者が判断せざるを得ないだろう。
ヤジが不規則発言である以上、議事録には残らない。しかし、最近では、議会審議は動画になっている。ヤジはわかるが、誰が何を言ったのかまではよくわからない。
そこで、ヤジをかけられた議員に要望がある。あまりに酷いヤジと判断した場合、「今、○○議員から、××の貴重なご意見をいただきました」とヤジを言った議員の名前とその内容を発言してもらいたい。これは議事録に残るし、動画で議会審議を見ている人にも参考になる。議会なので、言論では言論で対抗し、しかも有権者に有効な情報提供するという観点だ。
実際、安倍首相は、民主党の「ヤジ将軍」といわれる長妻元厚生労働相を名指したことがある(2013年4月9日衆院予算委員会)。議場での一般質問だと、ヤジの発言者を特定し内容を確認するのは難しいかもしれないが、臨機応変に対応するのが議会人らしい対抗策だろう。
あと、くだらないヤジを少なくするためには、出席者を少なくすればいい。
ヤジを飛ばすのは、主に若手議員である。というのは、質問に関係ない議員まで出席を要求され、質問を聞かざるをえず、それで睡魔が襲うので、それを防ぐために発せられることも多い。
だから、質問に興味のある議員に出席者を限れば、そうしたヤジは少なくなり、しかもヤジを発すると、簡単に発言者が特定される。ちなみに、ヤジがほとんどないアメリカ議会では、出席者は関心のある議員だけでかなり少なく、ヤジを発する雰囲気でもない。
■ネットを後追いするだけのマスコミならいらない
さて、マスコミの問題だ。都議会での話であるが、これだけ話題になったのは、塩村議員のツイッターや同僚議員のブログが発端である。
議会の一般質疑は公開であり、マスコミ各社が入っていたはずだ。その人たちは何をやっていたのだろうか。一般人が議会をすべて傍聴するのは不可能だ。そこで、マスコミの役割がある。今はインターネットで録画映像が見られるので、もうマスコミは用済みなのだろうか。
インターネットで塩村議員のツイッター等から情報を得て、それを後追いするのであれば、マスコミには何の付加価値もない。しかも、同僚議員のブログには、ヤジを発言した議員の名前を教えてくれという質問が100回くらい来たという。
たしかに一般質問は、質問のしっぱなし、答弁のしっぱなしとそれぞれ一方通行で面白くない。しかし、取材しているマスコミであれば、ボイスレコーダーで録音していてもよさそうなものだ。そうであれば、ヤジを拾っていただろうし、それはニュースになる。ただ、そうしたものは、筆者の知る限り、出ていないようだ。ということは、マスコミはかなり手抜きをしたのだろう。
公開されている議会の状況すら、まともに報じられないマスコミにはもう存在価値はないのかもしれない。そう言われないためにも、都議会の自民党席で、後ろから2列目という話も出ているので、すべての人もコメントを集めたらどうだろうか。まあ、自民党は箝口令をしいているが。
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