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2014年06月23日
今までも筆者は此処のコラムで、「日本の底が抜けた」と云う表現を使ってきたが、幾分大袈裟すぎる表現だと思っていた。しかし、ここに来て起きている安倍官邸の確信犯的数々の行為は、「芯から底が抜けた政権」のレベルに到達している。閣議決定や法案採決、人事、国際協定におけるブラックボックス化など、一つ一つを取り上げて論評することがバカバカしくなるほどなのだ。憲法を含む、あらゆる政治シーンにおいて、際立つ点は「法の立法趣旨」と云うものを嘲笑うような、小手先のテクニックで、すべての立法趣旨を覆してしまうと云う暴挙に出ていることに無力感を憶え、無関心という世界で一休みしていたい気分にさせられる。
その結果かもしれないが、安倍官邸の運営趣旨の正体がどのようなものなのか、推し量ることも無意味にさえ思えるのである。秘密保護法、取り調べの似非可視化、原発再稼働の動き、規制委員会人事、集団的自衛権等の憲法解釈、論理矛盾だらけの成長戦略などなど、あまりにも多岐にわたるデタラメに、批判することさえバカバカしい気分になる。その所為か、最近は良かれ悪しかれ目的意識のあるアメリカやロシアの動きの方に興味をそそられる。自分の国のことなのだから、もう少し真剣にとも思う。この安倍官邸のワイマール憲法なし崩し戦術の罠に嵌っているのかもしれない。
仮に、まんまと官邸の罠に嵌っているとして、常識の枠外で政治が行われている以上、1足す1が2の頭を持つ人間では太刀打ちできないかな?と思う次第だ。なにせ、平気な顔をして、1足す1は5だとか、ゼロだとか公然と語るのだから、手の打ちようはない。本来であれば、そのような矛盾点を徹底して糾明する役割を持つマスメディアが襟を正すべきなのだが、官邸への恭順の意を示し、官邸記者クラブ発表通りの記事と解説を載せるだけ、1足す1が2だと言っている、こちらが狂人であるような錯覚に陥る。
安倍官邸の多くの大方針に安倍晋三がコミットしたいのなら、安倍晋三と云う男のIQや人格、倫理感等々を基に推し量ることも可能なのだが、どうも、安倍晋三が“つんぼ桟敷”にあり、国民と同等の嘘偽りレクチャーで納得しているとなると、これはかなり危険な状況なのだと思う。或いは、安倍の心は米国追随の選択しか残されていない日本政府の立場に忸怩たる思いがあり、韓国相手のバトルだけは、米国の意に沿う気がないという返事かもしれない。ロイターが特ダネ的に20日に流した記事は、その証左か?先ずはロイターの記事を読んでもらおう。
≪アングル:浜田・河合教授らが日中韓関係改善を提言、首相官邸は受け取らず
[東京20日ロイター] - 安倍晋三首相の有力な経済ブレーンである浜田宏一・イェール大学名誉教授ら18人が、日中韓3カ国の関係改善を求める報告書をまとめ、首相官邸などに提出しようとしたところ、受け取りを断られていたことがロイターの取材で明らかになった。
アベノミクスの発案者らによる外交面での提言は安倍首相の目指す方向性と異なるため、事実上、門前払いされた格好となっている。 提言は、浜田氏や河合正弘・東京大学教授、著名エコノミスト、全国紙論説委員OBを含む18人が参加する「平和と安全を考えるエコノミストの会」が作成した。
この中で、日本と中国、韓国との外交関係の悪化が日本経済の成長を妨げることを懸念し、政治・外交関係まで踏み込んだ政策を主張している。
具体的には、1)日本政府が「河野談話」「村山談話」を明確に踏襲する、2)首相・主要閣僚による靖国神社参拝を控え、国民全体が戦没者の慰霊を行える無宗教の慰霊施設を設置する、3)尖閣諸島(中国名:釣魚島)や竹島(韓国名:独島)の領有権問題解決に向け、日中韓は領有権に関して当面は事実上の棚上げを行い、実力・武力で問題解決を図らないことに合意する──などを実行するよう提案した。
また、日中の軍事衝突が起これば、日本の国内総生産(GDP)を0.8%押し下げ、中国にとっても同様に0.9%のマイナス効果が生じると試算。 その結果、アジア全体の経済成長も損なわれ、アベノミクスが目指す日本経済の再生が行き詰まるとしている。
その上で、アジア諸国との経済連携を日本の成長戦略の中心にとらえるべきとして、
1)日中韓は東アジア地域包括協定(RCEP)協定の構築を目指す、2)中国による環太平洋連携協定(TPP)への参加とそれに必要な国内経済改革を歓迎・支援する、3)日中韓3カ国の自由貿易協定の早期締結を図る、4)円・元・ウォンの通貨金融協力を活性化させる──などを提言した。
同会関係者によると、5月22日にこの提言を取りまとめ、直後に安倍首相に提出し面会することを試みたが、首相は受け取らないとの感触を得たため、菅義偉官房長官への提出に手法を切り替えることにしたという。
だが、首相官邸の事務方から、この内容では提出を見合わせるべきとの意向が同会関係者に伝えられ、最終的に官房長官への取次ぎや面会も事実上、拒否されたとしている。
同報告書をめぐる対応に関し、首相官邸では「公式な日程にないことにコメントはできない」(報道担当)と回答している。
同会は、岸田文雄外相宛てにこの提言を提出できないか外務省関係者と接触したが、こちらも直接の提出・面会を断られた。ただ、間接的に岸田外相に手渡すことは可能ということは、外務省からの連絡でわかったという。
この経緯に関し、外務省は「事務方から大臣に(報告書を)渡した」(外務省報道室)としている。河合東大教授らはその後も、岸田外相への提言内容の説明のための面会を求めているが、外務省では面会の予定については「承知していない」(報道室)としている。
今回の提言が、外交面も含めて踏み込んだ内容となっていることに関し、参加した学者メンバーの1人は「官邸の不興を買うことを承知でサインした」と明かす。
別の関係者は、官邸の対応姿勢について「安倍首相の周囲の人々の中には、かなり保守的な人もいるようだ」と漏らす。さらに別の関係者は、安倍首相の周囲には、首相の意見と違う提案を拒絶する人々がいて情報が制約されているとし、首相の判断に影響が出かねないと懸念を示している。 ≫(ロイター:中川泉 竹本能文 編集:田巻一彦)
この浜田宏一らが参加する、大学教授、エコノミスト、論説委員OBなど参加の「平和と安全を考えるエコノミストの会」の性格がいま一歩不明確だが、正論を語っている。しかし、アメリカが突きつけてきた“年次改革要望書”と似た臭いがプンプンする点では、安倍官邸の衛藤や萩生田ら超側近が警戒した気持ちも理解できないものでもない。浜田らの提案書を受け取ると云うことは、読むと云うことで、オバマからの命令書を読むことにも繋がるのは明白だろう。知ったうえで、知らんぷりは怖い、であれば受け取らないのが一番利口だ。米国の命令書風味な提案書に目を通したくない”アベノ心”の正体こそがジャーナリストが目をつける部分であるだろう。
特に、“日韓のいがみ合い”解消のために、中国も巻き込んだ提案内容になっているが、この提案の意図は日韓融和に限定的だ。特に円・ウォンの通貨金融協力に言及している部分が肝だろう。韓国の外貨準備高が底を尽きかけている現実が反映しているような気がする。そこで、日本の余っているドルを韓国に使わせるのが狙いではないのか。こういう懐疑的考えが起きるのも、底が抜けてしまった政府の心を読む必須条件になってきた。いまや、性格の悪い、変質狂的なオタク懐疑主義者じゃないと、日本政府の心は読めなくなっている。
筆者の感覚から推理すると、安倍の心は、概ねアメリカ様の顔を立てるが、米中露と云う大国と関係を持つことで、日本を維持する情緒性に富んだ思惑(外交戦術)もあるだろう。アメリカは怖いので、正面から逆らうのはヤバイ。しかし、言いなりになるのでは、安倍の幽霊のような支持層が消えてなくなる。長期政権も夢の夢だ。長期になる為には、ロシア・プーチンとの関係は、絶対的命綱なのだ。遅かれ早かれ、中国との問題は解決せざるを得ない。安保上も、経済上も喫緊の課題だ。しかし、韓国との問題で妥協を日本側から出すことは、安倍の政治生命を捨てることになる。
米国と親和的だが隷属ではない証明を安倍晋三はしたいのである。北朝鮮も存在感のツールとして握っておきたいのだろう。ロシア・北朝鮮との雪解け関係、続いて中国との会話への進展。ロシア、北朝鮮、中国との関係で一定の成果が出れば、その分だけ、米国の口出しの威力は減少する。これにインドやイランが絡めば、先は読めないが、戦後の歴史の中で、まんまと宗主国アメリカを出し抜ける。少なくとも、戦後の隷属からの脱却は果たしたと強弁できるだろう。勿論、上述のような成り行きは、安倍の心が満足することであり、日本の国民にとってどのような影響が出るかは、筆者のキャパを超えているので、考えない(笑)。
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