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産業競争力会議であいさつする安倍晋三首相
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140622/ecn1406220830003-n1.htm
2014.06.22
政府が16日の産業競争力会議で決めた成長戦略の素案では、女性の就労支援策の目玉として、地域を絞って外国人労働者を家事サービスの分野で受け入れるなどの案を盛り込んでいる。
現在の出入国管理法は、家事労働を目的とした外国人入国を、外交官の家庭などを除いて認めていない。家事受け入れは今秋にも関西圏の特区で始める予定。受け入れ国は限定していないが、フィリピンやインドネシアが中心になるだろう。
この場合、家事だけでなく、たとえば幼児英語教育というプラス効果も期待できるのではないか。シンガポールでも香港でも、家事労働のフィリピン女性が子供たちに赤ちゃんの頃から英語を教えている。
実はフィリピン政府のホームページには、「こういう能力を持った人を海外に出せます」という人材紹介のサイトがあって、マッサージや介護ができるとか、裁縫や料理が得意とか、赤ちゃんの面倒をみられるということが、資格とともに記されている。
フィリピンの最大の輸出は(主として女性の)人材で、彼女たちの残してきた家族への仕送りが経済を支えてきた。今は中近東の産油国なども含めて世界中の国がクオリティーの高いフィリピン人の取り合いをする時代になっており、「遅れてきた日本」は門戸を開いても厳しい競争にさらされることになるだろう。
家事サービスの受け入れは、日本の女性に仕事に専念してもらうという意味からも非常にプラスになる。さらに、1人暮らしの中高年も助かるのではないか。アメリカではメキシコから、ベネズエラではコロンビアから、こういう人材を受け入れて女性の解放につながっている。これで日本もやっと「普通の国」になっていくのではないか。
成長戦略では、企業の収益力を高める「企業統治強化」に積極的に取り組むことも掲げている。そのひとつとして、現在35・64%の法人税の実効税率(東京都)について、2015年度から数年以内に20%台へ引き下げる方針も固めている。実効税率を欧州やアジア並みの20%台まで引き下げ、製造業の海外生産移転に歯止めをかけ、外資系企業の対日投資も促して経済成長につなげようというわけだ。
しかし、法人税率の高い国とGDPの成長率を照らし合わせてみると、そこには何の因果関係がないことがわかる。主要国の中で一番高い40・75%の米国も、17%と低水準のシンガポールも、GDP成長率は上がるときは上がるし、落ちるときは落ちている。つまり、法人税率をいじってもダメだということだ。
特にアジアには10%台のシンガポール、香港、台湾があるので、29%にしたところで日本に来てくれる企業はないだろう。むしろ法人減税よりも減価償却期間の短縮の方が「税金で持っていかれるよりも投資をしよう」ということになるので効果は大きい。これが経営の現場感覚だ。
なのに、なぜこんな案が上がってくるのかというと、産業競争力会議の委員に経営の意思決定場面を知らない人が混ざっていて、「法人税減税は効果がある」と一般論を言っているからだ。企業の奥の院を知らない人や役人や議員たちが成長戦略をいじくり回している、というのは恐ろしい。
何はともあれ、税金が少なくなれば配当などに回す原資が増えるので企業は反対はしないだろうが、これがなぜ成長戦略になるのか、私にはトンと分からない。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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