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米国の戦争に参加するという意味 集団的自衛権の行使容認問題
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2014年6月19日 東京新聞:こちら特報部 俺的メモあれこれ
集団的自衛権の行使容認をめぐる与党協議が、今国会の会期内にまとまるかどうかは微妙な情勢だ。しかし、それは些細(ささい)なことにすぎない。協議は込み入った論議に映ってはいるが、本質は米国の戦争に自衛隊を直接参加させるか否かの是非だ。その米国が戦後、軍事力を世界でどう行使してきたのか。集団的自衛権の行使の問題は、米国の戦争の道義性とも絡んでいる。(出田阿生、林啓太)
◆米国の戦争に加勢
集団的自衛権の行使容認をめぐる自民・公明両党の与党協議は日替わりメニューのように論点が目まぐるしく移り変わっている。
政府は、極端な事例や行使の条件を出しては引っ込めている。過去の政府見解にも手を加えている。
今月3日の協議で、政府は憲法が禁じる「他国による武力行使との一体化」の判断基準として4条件を出してきた。だが、これは3日後に撤回された。
次に政府は新たな3つの基準を出した。@戦闘が行われている現場では支援しないA後に戦闘が行われている現場になったときは撤退するBただし、人道的な捜索救助活動は例外とする─という内容だ。だが、戦闘中の現場で自衛隊が民間人や負傷兵を救出した際、相手国から攻撃される危険があると批判された。
13日には、高村正彦自民党副総裁が72年の政府見解を骨抜きにした私案を提示した。同見解にある自衛権行使の条件の「国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態」のうち、「事態」を「おそれ」に変えた。その場合、判断するのは政府。恣意(しい)的な判断を許しかねない。
この与党協議の混乱の原因は何か。軍事評論家の前田哲男さんは「正攻法で9条改憲ができず、96条の変更にも失敗した安倍首相にとり、解釈改憲は最後の手段。混迷は手法の無理に起因する」と分析する。
では、安倍政権の狙いは何か。前田さんは「海外での自衛隊の武力行使を既成事実化したいのだろう。その一里塚として、首相は米国の要請と同時に派兵できる態勢を目指している。いまは要請から派遣までに時間がかかる」と語る。
安倍首相は5月15日の記者会見で「自衛隊が(中略)湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません」とし、集団的自衛権行使については「必要最小限度の武力の行使は許容される」と話した。
首相のブレーンも「日本が米国の戦争に巻き込まれはしない。集団的自衛権行使は日本の意思に委ねられている」と主張する。
だが「必要最小限度」を超えることを理由に、他国との共同作戦の最中に、自衛隊だけが撤退できると考えるのは非現実的だ。
日本独自の判断も期待できない。イラク戦争で多国籍軍の中核だった米英両国は戦後、侵攻の理由だったイラク・フセイン政権が所有するとされた大量破壊兵器がなかったことを厳しく検証した。だが、日本では安倍首相が「無いことを証明できなかったイラクが悪い」と開き直っている。
前田さんも「どれも言い逃れ。海外で自衛隊が武力行使できるようになれば、他の米国の同盟国同様、米国の攻撃に参加することが当然になる」と話す。
◆自由… 人道… 掲げ米軍介入
では、その米国は第2次大戦後、どのような戦争を繰り広げてきたのか。
米ソの冷戦期に米国が戦争で掲げた大義名分は「自由主義陣営の防衛」だ。国際問題評論家の北沢洋子さんは「共産主義から自由主義を守るという建前で、ソ連寄りになったと見なした国に対して、国際法からみても無法な戦争を繰り返してきた」と指摘する。
ベトナム戦争(1959〜75年)では、旧ソ連が支援する北ベトナム軍に先に手を出させるよう挑発した。米軍の駆逐艦を北ベトナムのトンキン湾に侵入させて攻撃を誘発し、米国は攻撃を受けたことを理由に軍事介入を正当化した。
米兵5万8000人のほか、ベトナム人200万人以上が犠牲になった。枯れ葉剤の散布による健康被害に苦しむ人々がいまもいる。
米軍が83年、東カリブ海諸国機構とともにカリブ海の島国グレナダに侵攻し、親米の独裁政権を倒した反政府派を制圧した際は、機構から集団的自衛権の行使を要請された、という形を取った。グレナダは独裁政権の時から機構の一員で、侵攻の名目に独裁政権の援助を掲げていた。
冷戦後も、他国を影響下に置くことを目的とする米国の国策は変わらない。北沢さんは「民主主義の拡大や、紛争地域への人道的な支援という標語が、軍事介入の新たな理由付けになった」と説明する。
クウェートに侵攻したイラク・フセイン政権軍を米国を軸とした多国籍軍が一掃した湾岸戦争(91年)。北沢さんは「米国は人道主義から、クウェートの人びとを救ったわけではない。クウェートの豊富な石油の安定的な確保を狙っただけだ」と指摘する。
イラク戦争(2003〜11年)では、フセイン政権が大量破壊兵器を隠し持っているという理由で軍事侵攻した。だが、当時のブッシュ政権は開戦前、駐ガボンの米大使が提出したイラクの核武装に向けたウラン購入疑惑を否定した報告を握りつぶしていた。最初に結論ありきだった。
英民間団体によると、イラク戦争と、その後の内戦による犠牲者は合わせて約19万1000人に上る。
明治学院大の高原孝生教授(国際政治学)は「米国は冷戦後、旧ソ連に先立って北大西洋条約機構(NATO)などの軍事同盟を構築した。冷戦後は国連中心の集団安全保障体制に移って、集団的自衛権は必要がなくなるはずだったが、米国を中心としだ軍産複合体の圧力で軍事同盟が維持された」と解説する。
日本が集団的自衛権の行使を容認すれば、米国の戦争に引きずられる可能性が高い。ピースデポの湯浅一郎代表は「自衛隊員が、米国の戦争で侵攻した相手国の人びとを殺すことが現実になる」と案じる。
「米国は軍産複合体の政治的な発言力が強い一方、財政難で大きな戦争はやりづらくなっている。いまは非軍事の国際貢献の実績がある日本が、軍事に頼らない平和構築を米国に訴えることができる好機だ。それなのに、安倍政権は平和への道を逆走している」
[デスクメモ]
集団的自衛権の行使容認論で「邦人保護」が理由として持ち出されたとき、理屈より「どの口が言う」とあきれてしまった。先の戦争で戦場に置き去りにされ、死んでいったあまたの兵士たち。イラク戦争の渦中、人質となった邦人らに投げつけられた自己責任論。保護すべき邦人は首相が選ぶということか。(牧)
2014年6月19日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014061902000158.html
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